デジタル化の8つのメリットデメリット|推進する手順と導入事例

公開日:2024.06.17

デジタル化の8つのメリットデメリット|推進する手順と導入事例

この記事で
わかること

  • 企業のデジタル化推進の背景と必要性
  • デジタル化で得られるメリット・デメリット
  • デジタル化を推進する手順と業種別事例

目次

IT技術が社会に浸透し始め、さまざまな場面でデジタル技術を目にするようになりました。企業でも、これまでの業務をデジタル化することで、効率化に取り組むケースが増えています。デジタル化を実現すると業務効率化につながるだけでなく、他社との競争で優位性を得ることも可能です。
この記事では、企業がデジタル化を推進することで得られるメリットやデメリットを紹介します。デジタル化をスムーズに実現する方法や、他社の取り組み事例についても紹介するので、ぜひ参考にしてください。

1.デジタル化は業務効率化や企業の競争優位性を獲得するために必要

デジタル化は業務効率化や企業の競争優位性を獲得するために必要

デジタル化とは、企業で従来行われていた業務プロセスやシステムに、デジタル技術を導入することです。例えば、以下のような例があげられます。

  • 報告書や請求書などの紙の文書をデジタルデータに変換する
  • 企業の会議や取引先との商談をオンライン化する
  • 社内における連絡方法にビジネスチャットを活用する

従来の業務プロセスをデジタル化することにより、業務時間を縮小できるだけでなく、属人化によるヒューマンエラーの防止にも効果的です。

企業のデジタル化推進が求められるのには、以下のような背景があります。

  • 少子高齢化による労働人口の不足
  • 既存システムの老朽化による他社との競争力低下

日本でこれまで行われてきた既存の業務方式では、多くの人材と時間を必要とします。効率の悪い従来の業務方式にデジタル化を取り入れることで、少ない人材でも業務スピードを維持し、他社との競争で優位性を獲得できるでしょう。

2.デジタル化を推進するメリット5選

デジタル化を推進するメリット5選

企業がデジタル化を実現すると、以下の5つのメリットがあります。

  • 生産性の向上
  • 柔軟な働き方の実現
  • データの共有・管理が容易
  • 業務フローの簡略化
  • 他社との競争優位性の獲得

自社の業務が停滞する原因について考え、デジタル化によって享受できるメリットで解決できるか確認しましょう。

生産性の向上

デジタル化の推進により業務効率化が実現すると、少ない資源投入で成果があげられるため、生産性の向上につながります。例えば、Web会議システムを導入すれば、各拠点からメンバーを集めることなく会議が可能になり、移動時間を省略できます。これにより、他の重要な業務にリソースを割り当てることができます。

また、AIやデジタル技術を活用することで、蓄積した顧客情報などの大量のデータをスムーズに分析できます。従来の人手と時間を要する業務プロセスを変革できます。

柔軟な働き方の実現

デジタル技術の導入により、自宅やサテライトオフィスからの会議参加が可能になります。これは、リモートワークの推進につながり、介護や育児などで自宅を離れられない従業員も仕事を続けることができます。

柔軟な働き方を可能にすることで、従業員の満足度が向上し、生産性が高い社員の離職を防ぐことができます。また会議で本社に集まるための交通費や、遠方の取引先への出張費を減らせるため、企業側のコスト削減にもつながります。

データの共有・管理が容易

デジタル化ツールとしてクラウドストレージやビジネスチャットを導入することで、メンバー間の情報共有が容易になります。これまでの口頭での伝達や紙による共有では、これには対応の抜け漏れや紙の紛失など、トラブルが発生するリスクが伴っていました。

またビジネスチャットのタスク管理機能を使えば、管理職が各担当者の進捗を確認することも可能です。デジタル化ツールを取り入れることで、情報の一元管理やリアルタイムでの共有が可能になり、スムーズに業務が進められます。

業務フローの簡略化

デジタル化を取り入れることで、報告書や申請書など紙とハンコで行っていた業務をパソコン上で完結できるため、業務フローの簡略化につながります。「業務フロー」とは、業務を進める流れや手順を示したものです。

従来の業務フローでは、契約書や請求書のやり取りや管理を行う手順が記載されており、携わる従業員の手間と時間がかかっていました。業務をペーパーレス化することで、契約書の管理や請求書の送付もシステム上で行えるようになります。データで保管できることにより書類の紛失も防げます。業務フローの手順が省け、業務の負担を減らせるでしょう。

他社との競争優位性の獲得

デジタル化に成功すると、業務効率が向上し、同じ時間内でより多くの仕事を処理できるようになります。これにより、従業員は割り当てられた業務だけでなく、新しいプロジェクトや戦略的な業務にも時間を割くことが可能となります。特に、企業の戦略策定や新製品、サービスの開発に注力できるようになるため、他社との競争で一歩先を行くことが可能です。

3.デジタル化によるデメリット2選

デジタル化によるデメリット2選

デジタル化は企業の生産性向上に役立つものの、メリットだけでなく以下のようなデメリットも伴います。

  • 導入・運用にコストがかかる
  • 情報漏えいや改ざんのリスクがある

自社のデジタル化を推進する際「システム運用のためのコスト増や、情報漏えいのリスクがあるのではないか」など心配される方もいるでしょう。「Nにおまかせ!」の「デジタル化に関するお問い合わせ・ご相談フォーム」では、企業のデジタル化に関する心配ごとや不明な点を解決するのにおすすめです。ぜひご利用ください。

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導入・運用にコストがかかる

デジタル化をスムーズに進めるためには、ツールの導入に伴う初期費用やランニングコストが必要です。デジタル化によって得られるメリットは大きいものの、これらのコストについても十分に理解した上で導入計画を進めることが重要です。

デジタル化ツールは会計・財務業務、総務・給与業務など多岐にわたる便利な機能がありますが、機能が多いほどコストも増加します。しかし、導入による業務効率化やペーパーレス化が長期的にコスト削減につながります。予算を考慮し、ツールの機能と導入価格のバランスを取りながら、無理のない範囲で投資を行いましょう。

情報漏えいや改ざんのリスクがある

デジタル化により、重要なデータをネットワーク上で管理・共有できるようにすると、以下のようなリスクがあります。

  • 情報漏えい
  • データ改ざん
  • データのコピー

クラウド上でデータを管理する際は、悪意のある第三者からサイバー攻撃を受けることによる情報流出に注意が必要です。製品やサービスを利用する顧客の個人情報などの漏えいが起きると、企業の信頼は失墜します。万が一の事態を防ぐため、厳重に情報セキュリティ対策がされているツールを選ぶことが重要です。

4.デジタル化を推進する手順4ステップ

デジタル化を推進する手順4ステップ

自社のデジタル化に取り組む場合、どのように進めれば良いか知りたいという方は多いでしょう。デジタル化を推進するには、以下の4つの手順が重要です。

  • 課題と目的を明確にする
  • デジタル化ツールを選定し導入する
  • 従業員が活用できる環境を整える
  • 効果を検討し改善する

ここでは、それぞれの手順について詳しく紹介するので、ぜひ参考にしてください。

課題と目的を明確にする

デジタル化を始める際は、自社が抱える課題とシステムを導入する目的を明確にしましょう。業務効率や職場環境などにおける課題を洗い出し、デジタル技術で解決できるかどうか検討します。また、デジタル技術導入によってどの業務を改善したいのか目的を決めましょう。

例えば、テレワークを導入したいけれどコミュニケーションが不足するのが心配な場合は、上司に相談しながら業務を進められるようチャットツールの導入や、会議のオンライン化が必要です。目的がはっきりしないままデジタル化を進めると、課題を解決するために必要なことや着地点が見えなくなり、スムーズに進まないことがあります。

デジタル化ツールを選定し導入する

自社の課題が明確になったなら、問題を解決できる機能が備わったデジタル化ツールを選びましょう。機能が豊富なツールは魅力的に思えるかもしれませんが、必要としない機能が多いと、コストの無駄につながる可能性があります。課題を解決し目的を達成できるデジタル化ツールを選ぶことで、コストパフォーマンスに優れたツールの使い方が可能になります。

従業員が活用できる環境を整える

導入したツールを従業員が活用できるよう、研修や教育などで環境を整えましょう。実際にデジタル化ツールを使うのは、現場の従業員です。使用頻度が高い従業員から研修を行い、現場で活用できるよう教育します。

また、システム担当者は現場のフィードバックをもとに、ツールが業務に最適化されるようカスタマイズを行います。効率的なデジタル化を推進するためには、業務環境の変化に応じた適切な人員配置も重要です。必要な部署には適切な数の従業員を配置し、スムーズな運用を行いましょう。

効果を検証し改善する

ツールを導入し運用を開始したら、定期的にその効果を検証することが重要です。ツール導入により改善された部分だけでなく、新たな問題点や課題が生じることもあります。しばらく運用してから効果を検証し、課題や問題点を見つけ改善しましょう。

具体的には、実際にツールを使用している従業員からフィードバックを集め、業務がどのように改善されたか、また使いにくい点はないかを確認します。この意見をもとに問題を解決し、さらに改良を加えることが必要です。この見直しと改善のサイクルを繰り返すことで、デジタル化をよりスムーズに実現できます。

5.【業種別】デジタル化の取り組み事例

【業種別】デジタル化の取り組み事例

他の企業は、デジタル化にどのように取り組んでいるのでしょうか。ここでは、様々な業界で実施されているデジタル化の先進的な取り組みを紹介します。

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業種 取り組み事例
銀行など金融業
  • スマートフォンから預金・送金ができるデジタルバンクの開設により、窓口業務の負担減につながった
製造業
  • 属人化していたスキルやノウハウのデータ化により作業を均一化した
  • 紙面での進捗管理の伝達をツールで行いムダをなくした
アパレルなど小売業
  • 販売数や在庫数の管理をデータ化することで生産性を向上させた
  • 服の売り上げデータを蓄積し、次年度の生産数の検討に役立てた
配送業
  • ピッキング作業や配送を自動化した
  • 倉庫・在庫管理システムにより、入出庫情報や在庫情報を管理し業務効率化につなげた
  • AI技術による配達の最適ルート検索により、効率的な配送が実現した
教育
  • パソコンなど端末での動画視聴によるeラーニングシステムを導入した
  • VR技術の活用により、校外学習や留学体験が実施できるようになった
  • 塾生の入退室管理を行うアプリを導入し、管理者の負担を軽減した

金融業界では、デジタルバンクの開設が進んでおり、これにより顧客は地理的な制約なく銀行サービスを利用できるようになりました。この変化は顧客満足度の向上に直接的に寄与しており、銀行へのアクセス性が格段に改善されています。
また、教育分野では、VR(Virtual Reality)※技術が革新的な教育ツールとして注目されています。

※VR(Virtual Reality):「仮想現実」と言われ、ユーザーの世界を仮想の世界に置き換える技術

6.自社のデジタル化についてお悩みなら「Nにおまかせ!」

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7.まとめ

まとめ

デジタル化とは、企業が行っていた従来の業務プロセスにデジタル技術を導入することです。デジタル化を推進することで、以下のようなメリットが享受できます。

  • 生産性の向上
  • 柔軟な働き方への対応
  • データの共有・管理が容易
  • 業務フローの効率化
  • 他社との競争優位性の獲得

デジタル化は様々な業種で推進されており、多くの企業がその恩恵を受けています。自社のデジタル化がなかなか進まないとお悩みの方は、「ご相談フォーム」へお問い合わせください。現在のデジタル化の状況を確認したいという方は、「デジタル化スタート診断」がおすすめです。自社の課題を解決するため、デジタル技術を活用したいとお考えの方は、「デジタル化コンディション診断」をご利用ください。

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監修

税理士法人V-Spiritsグループ代表 税理士・社労士・行政書士・FP

中野 裕哲

起業コンサルタント(R)、経営コンサルタント、税理士、特定社労士、行政書士、CFP(R)。 税理士法人V-Spiritsグループ代表。年間約1000件の起業相談を無料で受託し、起業家や経営者をまるごと支援。経済産業省後援 起業経営支援サイト「DREAM GATE」で12年連続相談数日本一。 著書・監修書に『一日も早く起業したい人がやっておくべきこと・知っておくべきこと』(明日香出版社)など20冊、累計25万部超

V-Spiritsグループ Webサイト
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