業種別 開業までのダンドリ解説 飲食業

飲食業

失敗しないための
開業の進め方

独立・起業を決意したあと、オフィスや店舗を開業するまでのダンドリを分かりやすく解説!
今回は、飲食業を始めるための流れを、予算イメージや注意点・よくある失敗例も含めてまとめました。

更新:2025/2/12
飲食業向けガイドブック

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開業時に申請すべき書類や働く環境を構築するのに必要となるサービスについて、重要なポイントをわかりやすくまとめたガイドブックをご紹介します!

監修:中野 裕哲

税理士法人V-Spiritsグループ代表
税理士・社労士・行政書士・FP
(https://v-spirits.com/)

開業までの進め方全体像

並行して実施

※ 3ヶ月~8ヶ月で準備されるケースが多いです。

まずはここを押さえよう

開業に向けた資格・許認可

飲食店の開業においては、必要な手続きが多数存在します。
対応の抜け漏れがないよう、まずは洗い出しから始めましょう。

  • 提出先:保健所
  • 様々な業種があり、業種により施設基準が変わる

    飲食店営業、簡易な飲食店営業、菓子製造業 など

ポイント

保健所に事前に図面を確認してもらうこと

  • 必須資格:食品衛生責任者

    栄養士、調理師、製菓衛生士、船舶料理士などの資格があれば、取得不要

  • 場合によって必要な資格:防火(防災)管理者

    防火対象物全体の収容人員が30人以上の場合は必要。
    建物全体で人員を判定するので、飲食店の収容人員が30人未満だとしても建物の収容人員が30人以上の場合は防火管理者が必要

  • 必須許可:飲食業営業許可

    手続き:オープン10日くらい前までに保健所に申請

    • 営業許可申請書
    • 食品衛生責任者の資格を証明するもの(食品衛生責任者手帳など)
    • 施設の構造及び設備を示す図面
    • 水質検査成績書(貯水槽や井戸水を使用する場合)
    • 許可申請手数料
  • 必要な届出
    • 防火対象物の工事等計画の届出
    • 防火対象物使用開始の届出
    • 消防用設備設置の届出
  • 場合によっては必要な届出
    • 防火管理者選任届出書
    • 消防計画作成届出
  • 夜0時以降にお酒を提供する場合
    • 深夜酒類提供飲食店営業開始届

開業に向けての想定予算

飲食業の平均的な開業資金

600万円

自己資金200万円+創業融資400万、
開業資金600万程度

TIPS

規模に応じた開業資金の目安

開業資金300万程度から
始める場合
自己資金
100万円
創業融資
200万円
  • 店舗5~10坪、家賃10~15万円程度
  • 従業員1~2名
  • 客席5~20席程度のバル・カフェなどが目安
開業資金750万程度から
始める場合
自己資金
250万円
創業融資
500万円
  • 店舗10~20坪、家賃15~30万円程度
  • 従業員2~4名
  • 客席20~40席程度の居酒屋・カフェなどが目安
開業資金900万程度から
始める場合
自己資金
300万円
創業融資
600万円
  • 店舗20~30坪、家賃30~50万円程度
  • 従業員4~6名
  • 客席30~60席程度の居酒屋・洋食屋などが目安

進め方全体像と注意点

押さえるべきポイントやよくある失敗例を確認しましょう。
関連のお役立ちコンテンツもご紹介しています。

8ヶ月で進める場合のイメージ
  1. 1事業計画・資金調達

    (開業4~8ヶ月前)

    事業計画書と資金計画書を作成し、コンセプト設定や標的顧客、競合分析などを行い、
    自店舗の優位性を明確にします。また準備の抜けや漏れを回避します。

    POINT

    お店のコンセプトや対象顧客が明確でなければ適切な物件を探すこともできません。
    必ず、まず事業計画を考えることから始めましょう。

    「事業計画」チェックリスト

    • 開業する理由を他人に説明できますか
    • お店のコンセプトは固まりましたか
    • セールスポイントはありますか
    • 販促・集客方法は考えましたか
    • ライバル店の動向は確認しましたか
    • 事業計画書は作成しましたか
  2. 2立地調査・物件探し

    (開業4~8ヶ月前)

    お店のコンセプトや対象顧客にふさわしい立地や物件を選びます。

    POINT

    集客したい時間帯の通行量やライバル店の動向などを、ネットの情報だけで見極めるのは非常に危険です。必ず現地に赴き、ご自身の目で確かめるようにしてください。

    主な視察ポイント

    • ライバル店の集客状況・価格帯と主要メニュー
    • 近隣の企業 / 住宅環境
    • 昼夜の人通り
    • アクセスの良さ
  3. 3内装工事・設備導入

    (開業2~3ヶ月前)

    業者により実績や強み、見積もりが異なります。自身に合った業者を選びましょう。
    場合によっては複数社から見積もりを取りましょう。

    よくある失敗例1
    • 調理機器・レイアウトに気を取られ、ネット環境を後回しに。

    • ネット開通に2ヶ月かかると連絡を受け、ネット回線がないままオープンすることに…

    失敗しないためには…

    必要な設備・IT環境の洗い出しと、
    早めの手配を行いましょう。
    レイアウト検討段階でICTサービスや
    通信機器の検討も必要です。

    よくある失敗例2
    • 居抜き物件でいろいろなものが残っていたので、そのまま使えると思っていたが、いざ使ってみるとすぐに壊れてしまった。

    失敗しないためには…

    中古設備は壊れることを前提に、
    新たな設備を入れられるよう
    資金的な余裕を見ておきましょう。

    NTT東日本グループなら電話や光回線からWi-Fi、カメラなど
    インターネット環境をまとめて揃えることができます

  4. 4許認可確認・申請

    (開業1~3ヶ月前)

    店舗の図面が完成したら、保健所に事前に確認してもらいましょう。

    よくある失敗例
    • 保健所の事前確認を経ることなく内装・設備工事をしてしまった。

    • 保健所の現地確認で指摘され、オープン日が延期となり、手直し工事による追加費用が発生した。

    失敗しないためには…

    店舗の図面が出来上がったら、
    保健所の事前確認を受けましょう。

  5. 5メニュー開発

    (準備期間中、通して検討)

    美味しい料理を追求するだけでなく、適正な原価も検討します。
    また、宅配メニューは今や飲食店に欠かせないものになっています。
    宅配サービスはお店の集客にもつながるため、併せて検討しましょう。
    また、宅配アプリサービスと連携する場合にはピックアップ場所などのレイアウトの変更も必要になる場合もあります。

  6. 6オペレーション/採用・教育

    (開業1~2ヶ月前)

    店内オペレーションをマニュアル化します。店舗の要員を採用し、育成します。

  7. 7広告宣伝・プロモーション

    (開業1~3ヶ月前)

    オープン前後のプロモーションはどちらも重要です。

    よくある失敗例
    • オープンの準備が忙しく、開店前のプロモーションを行わなかった。

    • オープンしたはいいが、お客さんが全く入らず閑古鳥がないている。

    失敗しないためには…

    オープン前からWebサイトやSNS媒体で
    プロモーション(プレプロモーション)を行い、
    認知度向上を図りましょう。

  8. 8プレオープン

    (開業直前)

    オープン前に最低1度は想定したオペレーションができているかを検証しましょう。
    改善点があればオープンまでに見直します。

    POINT

    家族や友人相手に練習するでもOK

    実際のお客さまを相手にするのが心配な場合は、家族や友人にお客さま役を頼んでやってもらうだけでも大丈夫です。シミュレーションの検討の際には、感染症対策などオペレーションに取り込めているかも気を付けてみましょう。

  9. 9オープン

開業準備は必要なタイミングで
検討・行動することが重要です

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