取材日:2025.06.24

織物工場の採用人数が1.8倍に! 位置情報ターゲティング広告(ジオターゲティング広告)を使った人材獲得も「Nにおまかせ!」

創業130年以上の歴史を持ち、国内に3箇所の工場を保有する松文産業株式会社様の人手不足の課題に対して、「Nにおまかせ!」では 位置情報ターゲティング広告(ジオターゲティング広告)などデジタルを駆使した採用手法の導入支援をしました。中途採用では、施策前は12名だった採用者が1.8倍の21名になりました。製造業の人手不足と採用活動のデジタル化支援を行った事例を紹介します。

※期間:2024年~2025年 採用人数:導入前 12、導入後21(2024年)

織物工場の採用人数が1.8倍に! 位置情報ターゲティング広告(ジオターゲティング広告)を使った人材獲得も「Nにおまかせ!」

松文産業株式会社

課題解決策
課題

BtoB事業のため会社の認知度が低く人材確保が困難

解決策

採用数が1.8倍に増加

課題

製造業・繊維産業に対する先入観が採用活動の障壁に

解決策

会社の魅力や職場や仕事内容を紹介するための動画制作

課題

これまでのハローワーク中心の採用活動では成果が限定的

解決策

従来の採用手法とデジタル戦略の効果的な組み合わせ

「知られていない会社」から「選ばれる企業」へ!製造業の認知度向上と採用革新

小泉社長

130年の伝統企業が直面した認知度の壁による人手不足

松文産業様は100年以上の歴史を持つ繊維産業の企業ですが、どのような課題を抱えていらっしゃったのでしょうか?

小泉社長:当社の製品は世の中に広く出回っているのですが、社名はほとんど知られていません。例えば、弊社はブラックフォーマルスーツの生地生産を多く手掛けておりますが、フォーマルスーツを手に取る際にブランド名やショップの名前は意識しても、生地を製造した工場のことまで気に留めるお客さまは多くはありません。

BtoB事業だからこそ、自社の認知度をどう高めればよいのか、本当に頭を悩ませていました。地元の方々でさえ、会社があることは知っていても「あそこは何をしている会社だろう」という状態なのです。会社のブランディング以前の問題というか……。BtoB事業ではよくあることかもしれませんが「知られていない」ところが、そのまま採用活動にも響いてしまっていました。

人材獲得においては、具体的にどのような課題があったのでしょう?

小泉社長:最大の課題は人手不足でした。国内に3か所の拠点があり、栗東工場は61年、鶴岡工場は92年、勝山工場は135年と長い歴史がありますが、それぞれの地域での認知度が低いことで、特に若い人材の獲得に苦戦していました。私たちの工場は地方都市にあるため、そもそも人口が少ないという課題もあります。それに加え、「重労働」などといった製造業や繊維産業に対する昔ながらのイメージや先入観も採用活動の妨げになっていました。

これまでは、どのような採用活動をされていたのですか?

佐藤部長:ハローワークに求人掲載や、高校への訪問が中心でした。高校卒業者をメインターゲットとしていたため、高校に足繁く通っていましたが、それだけでは難しくなってきたと感じていました。

「どこに相談したらよいかもわからない」状態から救った担当者の熱意

NTT東日本グループとの出会いはどのようなきっかけだったのでしょうか?

小泉社長:どうしたものかと悩んでいるところに、箱崎さん(NTT東日本グループ担当者)がタイミングよく声をかけてくださいました。これは本当にご縁の世界だと思いました。

NTT東日本グループに依頼を決めた理由は何だったのでしょうか?

小泉社長:箱崎さんの熱意には、心を動かされました。常に当社のことを第一に考え、どんな相談にも親身になって対応してくださった姿勢に「この人なら信頼できる、安心して任せられる」と感じました。

実際に、私たちだけでは思いつかないようなご提案をいただき、「まずは試してみよう」とすぐに話がまとまりました。中でも、ハローワークに足を運ばない方々にも当社のことを知ってもらいたいという課題感に対して、多くの人が日常的に使用しているスマートフォンから取得できるGPS情報を活用して求人情報を届けるという 位置情報ターゲティング広告(ジオターゲティング広告)のご提案は、まさに私たちが求めていたものでした。

中途採用の壁を突破!位置情報ターゲティングで採用数1.8倍に

では、具体的にどのような施策を実施されたのでしょうか?

小泉社長:NTT東日本グループからは、3つの施策を提案していただきました。まず1つ目はハローワークの掲載情報の見直し。2つ目は会社を紹介する動画制作と公式採用ページへの実装。そして3つ目が、スマートフォンを活用した 位置情報ターゲティング広告(ジオターゲティング広告)です。

位置情報ターゲティング広告(ジオターゲティング広告)を活用した中途採用では、広告配信エリアを通勤可能圏に絞り、潜在的な求職者に向けて広告を配信していただきました。ただ広告を出すということではなく、必要な人に狙いを定めて情報を届けられる仕組みに感動しました。自分たちだけではできなかったと思います。

採用活動の一環として行われた動画制作についてはいかがでしたか?

小泉社長:とても質の高い会社紹介動画を制作してくださいました。実際に働いている社員のインタビューや、最新の機械設備、職場環境が伝わる内容でした。

課題に感じていた、製造業や繊維産業に対する昔ながらのイメージや先入観も払拭したくて、より多くの方に動画を通じて現状を知っていただくための手段としても、 位置情報ターゲティング広告(ジオターゲティング広告)に期待をしていたのですが、動画による反応は予想以上でした。

採用状況などを教えていただけますか?

佐藤部長:ハローワークの掲載内容の見直しと 位置情報ターゲティング広告(ジオターゲティング広告)を組み合わせて実施したのですが、広告配信開始後すぐに工場見学の申し込みがあり、2名の方が来場されました。そのうちの1名は見学当日に「履歴書を持ってきます」とおっしゃってくださいました。

中途採用した人数は、2022年度は2名だったのが、2023年度には8名に増加しました。4倍になったわけですから、かなり大きな成果だと実感しています。これだけ効果が出たので、「次は高校生向けにもやってみよう」という発想につながりました。

また、広告配信したことで求職者からの応募数だけでなく、松文産業をインターネットで調べてホームページに訪れる人の数が増えるなどの相乗的な変化も出てきたと感じています。「あの会社って何をしているんだろう」という状態から、「あの織物の会社か」と変わりつつある手応えがあります。

松文産業株式会社 佐藤様(左) 代表取締役 小泉様(右)

デジタル戦略で伝統産業の未来を切り拓く「イメージ刷新と地域から世界へ向けた挑戦」

「織物工場」のイメージを一新!人材の確保と企業文化の活性化に成功

中途採用に続いて新卒採用の施策も実施されたそうですが、どのような取り組みをされたのでしょうか?

佐藤部長:元々SNS広告を考えたのは、高校生に対しても積極的にアプローチしたいという思いがあったからです。そこでNTT東日本グループに再度相談し、高校生と保護者をターゲットにしたデジタル施策を展開することにしました。

具体的にはどのような施策だったのでしょうか?

佐藤部長:指定高校に向けて 位置情報ターゲティング広告(ジオターゲティング広告)を配信しました。生徒だけでなく、親や学校の先生も含めたターゲット層に狙いを定めて広告配信できることがポイントでした。

小泉社長:採用ページに若い社員のインタビューを載せたことで、どういう環境で仕事をしているのかを具体的に保護者の方にも届けることができるようになりました。高校生に向けた採用活動の場合は、保護者の方も就職先について、さまざまな情報を知りたいと思うものです。動画を通じて工場の様子や実際に働いている若手社員の姿を見ていただくことで、「ここなら安心して子どもを送り出せる」とご理解いただけたのではないでしょうか。それが応募につながった部分もあるように感じています。

新卒採用での成果はいかがでしたか?

小泉社長:鶴岡工場のインターンシップに参加いただいた方の中に「動画を見ました」という方がいました。その方はまだ高校2年生なので、次の年の採用につながるといいなと期待しています。

佐藤部長:鶴岡工場では新卒2名の採用が決定しました。全社では17名の採用という実績を上げることができました。また、滋賀県の工場では例年見学希望者0名のところ、実施後に見学希望が1名あり変化の兆しが見え来年度の採用に期待が持てる状況になっています。

「重労働」のイメージを変える!映像の力で会社の魅力を発信

工場の様子

製造業や繊維産業のイメージ刷新の効果についてはいかがでしょう?

小泉社長:そうですね。特に女性社員が機械を操作している映像は効果的でした。「製造業は重いものを扱う、体力的にきつい仕事ではないか」という先入観を払拭できたと思います。

勝山市では昔から繊維業が盛んだったのですが、作業環境が厳しい時代を経験した方の記憶やイメージもあり「そんな仕事をするのは可哀想だ」といった意見もあるわけです。でも実際は、昔とまったく状況が違います。最新の機械設備を導入し、作業環境も大きく改善され、待遇も良くなっています。

特に工場の明るい雰囲気や、効率的で安全な作業方法は、言葉だけでは伝えきれないものがありました。「機械化されています」と言うより、実際に女性社員が軽々と機械を操作している様子を見てもらう方がずっと説得力があります。映像を通して「こういう職場なら働けそう」と思ってもらえたのは大きな成果でした。昔の「きつい、汚い、危険」というイメージから、現代の明るく清潔な職場環境へと印象を変えることができたと思います。

人手不足解消のための施策でしたが、他に波及した効果などはありますか?

小泉社長:私たちにとっては思いがけない効果もありました。社員たちはこれまでプロのカメラマンに撮影されるような経験がなかったんです。最初は戸惑っていた若手社員たちが、撮影を通じて自分の仕事や会社に対する誇りを再認識する姿が見られました。「自分の言葉で会社の魅力を伝える」経験が、彼らに「自分たちは会社の顔なんだ」という意識を芽生えさせたようです。撮影後、「自分たちの会社って何が強みなのだろう」「どこを一番アピールすべきだろう」と社員同士で話し合う場面も増えました。採用活動が社内の活性化にもつながったのは、想定外の驚きでしたし、とても良かったと感じています。

佐藤部長:社員が会社の動画を見て「自分の会社ってこんな感じなんだ」と再認識する効果もありました。「他の工場ではこんな風に考えているのか」と社内の相互理解が深まったことは予想外でした。それぞれの工場を行き来する機会は少ないため、他の工場の様子を知らない社員が多かったので、とても良い機会になりました。

NTT東日本グループへの印象が変わった部分はありますか?

小泉社長:巨大なネットワークを持っていると感じました。正直、電話のイメージが強かったのですが、それだけでなくいろいろな提案をいただいて非常に驚きました。

「やったことがない」からこそ挑戦を!人手不足企業へのアドバイス

同じように人手不足に悩む企業にアドバイスをお願いします。

小泉社長:とにかく新しいことにチャレンジすることが大事だと思います。「誰もやっていないからこそ、うちが先駆けてやろう」という積極性が必要です。そして何より、それを楽しむ姿勢が大切ですね。

佐藤部長:採用したい人たちが何を求めているかを考えることも重要です。自分たちの感覚ではなく、その世代に合わせた視点で会社の魅力をどう伝えるかを考える必要があります。私たちの場合は、NTT東日本グループに相談したことで、 位置情報ターゲティング広告(ジオターゲティング広告)や会社紹介動画などのアプローチにたどり着きました。

「デジタル化で採用強化」と思いつくことはできても、実際に効果的な手法を考え実施するには、やはりプロの視点や支援が欠かせません。箱崎さんの情熱に背中を押される形でお付き合いが始まりましたが、今後も長く、パートナーとしてサポートをお願いしたいと思っています。

地域から世界へ。DXで広がる織物工場の未来展望

松文産業株式会社 佐藤様(左) 代表取締役 小泉様(右)

今後の展望についてお聞かせください。

小泉社長:会社全体で進めなければならないのはDX(デジタル化)です。デジタル化をどう進めていくか、見える化をどうやっていくか、拠点が離れているので別の拠点の情報をいかに把握できるかという点が課題です。全国規模のネットワークを持つNTT東日本グループに、今後もお力添えいただければと思っています。

当社は主に洋服の生地を作っている会社として、日本の人口減少を見据えつつ、世界規模での展開を考えています。世界的に見れば人口は増えていますから、日本国内だけでなく、もっとグローバルに視野を広げていきたいです。お客さまである製造メーカーも海外に展開されていくので、そこにしっかりとついていけるようにしていきたいと考えています。

グローバル展開のためにも多様な感性が大事になるので、新しいことに挑戦し、失敗を恐れない方にぜひ当社に来ていただきたいですね。

当社の3拠点にある工場、それぞれの土地柄も大事にし、地元に根ざした「グローバル企業」として、これからも世界市場を見据えた挑戦を続けていきます。デジタル技術を活用した業務改革と若い人材の力で、130年の伝統を未来へとつないでいきたいです。

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