サイバー攻撃とは?2024年最新の動向と対策をわかりやすく解説

公開日:2025.03.27

サイバー攻撃とは?2024年最新の動向と対策をわかりやすく解説

この記事で
わかること

  • サイバー攻撃の定義、主な目的、近年増加している手口
  • サイバー攻撃の種類や、OS・Webサイトの脆弱性を狙う攻撃について
  • サイバー攻撃への対策として、有効な手段5つ

目次

生成AIの発展やデジタル技術の進化に伴い、日々多様化・巧妙化しているサイバー攻撃。

本記事では、そもそもサイバー攻撃とはどのようなもので、どのような種類があるのかを解説します。また、被害を未然に防ぐために、知っておきたい効果的な対策も紹介します。参考にして、サイバー攻撃のリスクに備え、デジタル社会を安全に活用するための一歩を踏み出しましょう。

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1.サイバー攻撃とは

サイバー攻撃とは、パソコンやスマートフォン・サーバーなどの情報端末を対象に、金銭や個人情報の窃取、データの改ざんやシステムの機能停止を目的とした行為のことです。その手段や目的は多岐にわたり、企業を標的とするものだけでなく、特定の個人を狙う攻撃や無差別に行われるものも存在します。

また、似た言葉に「ハッキング」があります。それぞれの違いは以下の通りです。

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サイバー攻撃
  • パソコン・スマートフォン・サーバーなどの情報端末に対して、金銭や個人情報を盗んだり、データ改ざん・システム機能を停止させたりすることを目的とする攻撃
  • ターゲットに損害を与えることを意図した計画的な行為
ハッキング
  • 認可されていない手段を使い、システムにアクセスしたりシステムをコントロールしたりする行為
  • 「ハッキング」にはもともと、ソフトウェアを解析することの意味もあり、特に悪意を持ったものを「クラッキング」と呼ぶこともある

2.サイバー攻撃の主な目的

サイバー攻撃を仕掛けるのは、犯罪者や犯罪組織、諜報活動を行う者、産業スパイ、ハッカー集団、さらには悪意を持つ個人など多岐にわたります。攻撃者ごとに目的は異なりますが、主な目的として以下が挙げられます。

  • 金銭盗取
  • 機密情報の窃取による、被害組織側の戦略変更やイメージダウン
  • 産業スパイ活動 など

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3.サイバー攻撃の種類

サイバー攻撃の種類

サイバー攻撃と一口に言っても、その手法や種類はさまざまです。ここでは、狙われるターゲットごとに分類し、それぞれのサイバー攻撃の特徴を紹介します。

不特定多数を狙うサイバー攻撃

はじめに、不特定多数をターゲットとするサイバー攻撃を紹介します。

フィッシング詐欺

フィッシング攻撃とは、偽のWebサイトを利用して、利用者から個人情報を不正に取得するサイバー攻撃です。近年では、クレジットカード会社や銀行、大手ショッピングサイトなどの実在する企業になりすまし、メールやSMSを送る手口が頻繁に見られています。その件数は、2024年10月時点で月間18万件を超えるとされています。

参考:「フィッシング対策協議会|フィッシングサイトのURL 件数」
  (https://www.antiphishing.jp/report/monthly/202410.html)

マルウェア

マルウェアとは、コンピューターやその利用者に被害をもたらすことを目的とした、悪意のあるソフトウェアのことです。マルウェアにはさまざまな種類があり、広く知られているものとして「ウイルス」「ランサムウェア」「トロイの木馬」などが挙げられます。

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マルウェアの種類 特徴
ウイルス 他のプログラムに寄生し、自身を複製して広がる。ファイル破壊や情報漏えいなどを引き起こす
ランサムウェア 感染したデバイスのデータを暗号化し、復旧のために身代金を要求する
トロイの木馬 正規のプログラムを装い、内部に不正なコードを潜ませて情報窃取や操作を行う

特定のターゲットを狙うサイバー攻撃

続いて、個人や企業など特定のターゲットを狙うサイバー攻撃を紹介します。

標的型メール攻撃

標的型メール攻撃とは、特定の企業や個人を狙ったメール攻撃のことです。攻撃者は、取引先や知人を装って信頼を得ようとし、悪意のあるURLリンクや添付ファイルを送信します。受信者がこれらをクリックまたは開くとマルウェアに感染し、情報漏えいやシステムの破壊につながる可能性があります。

クリックジャッキング

クリックジャッキングとは、Webブラウザを悪用してユーザーをだまし、不正な操作をさせる攻撃です。攻撃者は透明なボタンやリンクを通常のWebページの上に配置し、意図せずクリックさせることでマルウェア感染などの被害をもたらします。最近ではSNSの利用中にこの攻撃を受けた事例もあり、注意が必要です。

パスワードリスト攻撃

パスワードリスト攻撃は、ユーザーが異なるサービスで同じパスワードを使いまわす習慣を狙った攻撃です。攻撃者は入手したパスワードを使い、複数のWebサービスに繰り返しログインを試みます。成功すれば、個人情報や金銭を盗むなどの被害を引き起こします。

サーバー負荷を狙うサイバー攻撃

サイバー攻撃の標的はパソコンやスマートフォンだけとは限りません。ここでは、サーバーを狙ったサイバー攻撃を紹介します。

DoS・DDoS攻撃

DoS・DDoS攻撃とは、1台または複数のパソコンやサーバーを利用して、標的のサーバーに大量のアクセスやデータを送りつけ、サービスや業務を妨害するサイバー攻撃の手法です。

DoS攻撃(Denial of Service Attack)は「サービス拒否攻撃」、DDoS攻撃(Distributed Denial of Service Attack)は「分散型サービス拒否攻撃」と訳されます。この攻撃により、サーバーが過剰な負荷で機能しなくなり、アクセス障害やサービス停止を引き起こすことが目的です。

F5アタック

F5アタックは、キーボードの「F5」キーを押してWebページをリロードし続ける、単純でアナログながら効果的な攻撃手法です。別名「F5攻撃」「F5連打攻撃」とも呼ばれます。

ページを繰り返しリロードすることで、Webサイトに大量のリクエストを送り、サーバーを過負荷状態にしてダウンさせることを狙います。手軽に実行可能であることから、小規模な攻撃として使われていますが、対策を怠ると大きな影響を及ぼすこともあるため注意が必要です。

OSやWebサイトの脆弱性を狙うサイバー攻撃

最後に、OSやWebサイトの脆弱性を狙ったサイバー攻撃を紹介します。

SQLインジェクション攻撃

Webサイトが管理サーバー上のデータベースを利用してサービスを提供する際、不正なSQL文※1を送信して、意図しない操作を実行させるサイバー攻撃です。これにより、個人情報や機密データが盗み取られる可能性もあります。

主な標的は、ショッピングサイトなど顧客情報を扱うサービスです。具体的被害として、ID/パスワードが盗まれアカウントが乗っ取られたり、企業システムへ不正にアクセスされたりすることが挙げられます。また、クレジットカード情報が盗まれ、不正送金や購入が行われることもあります。

※1 SQL文:データベースを操作する言語のこと。SQL文を用いてデータの検索や追加などの命令を出す。

クロスサイトスクリプティング (XSS)

クロスサイトスクリプティング(XSS)とは、Webサイトの脆弱性を悪用して、悪意のあるスクリプトを埋め込み、利用者を罠にはめるサイバー攻撃のことです。

この攻撃によって、サイト訪問者の個人情報を盗み取ったり、デバイスをマルウェアに感染させたりといった被害が発生することもあります。具体的被害として、Cookieに含まれる認証情報の漏えいやなりすましの被害、偽のページの表示などが挙げられます。

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4.近年のサイバー攻撃の傾向

リモートワークや生成AIの発達などにより、サイバー攻撃の手口は年々変化しています。ここでは、近年のサイバー攻撃の傾向を紹介します。

ランサムウェアは数年にわたり最重要の脅威

独立行政法人情報処理推進機構(IPA)が発表した「情報セキュリティ10大脅威 2024」によると、2023年に発生した脅威のうち、企業を狙ったもので最も多かったのは、「ランサムウェアによる脅威」でした。「情報セキュリティ10大脅威」での取り扱いは9年連続9回目です。

2024年に発生した大手出版社のランサムウェア被害では、約25万人の個人情報が流出したため、国内で注目を集めました。

また、外部からの攻撃が上位を占めるものの、内部不正や不注意による情報漏えい被害が多くなっているのも近年の特徴です。

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順位 「組織」向け脅威 初選出年 10大脅威での取り扱い
(2016年以降)
1 ランサムウェアによる被害 2016年 9年連続9回目
2 サプライチェーンの弱点を悪用した攻撃 2016年 6年連続6回目
3 内部不正による情報漏えい等の被害 2016年 9年連続9回目
4 標的型攻撃による機密情報の窃取 2016年 9年連続9回目
5 修正プログラムの公開前を狙う攻撃(ゼロデイ攻撃) 2022年 3年連続3回目
6 不注意による情報漏えい等の被害 2016年 6年連続7回目
7 脆弱性対策情報の公開に伴う悪用増加 2016年 4年連続7回目
8 ビジネスメール詐欺による金銭被害 2018年 7年連続7回目
9 テレワーク等のニューノーマルな働き方を狙った攻撃 2021年 4年連続4回目
10 犯罪のビジネス化(アンダーグラウンドサービス) 2017年 2年連続4回目

出典:「独立行政法人情報処理推進機構(IPA)|情報セキュリティ10大脅威 2024」
  (https://www.ipa.go.jp/security/10threats/10threats2024.html)

ランサムウェア攻撃による被害を受けているのは、国内だけにとどまりません。BlackCat※2と呼ばれるランサムウェアを利用する攻撃グループは、世界中で1,000人以上の被害者から3億ドル以上の身代金を集めました。

※2 BlackCat:ロシア語話者のサイバー犯罪者グループが生み出したサイバー攻撃の一種。高度な恐喝の手口を用いることで知られている。

ネットワーク機器の脆弱性を突く攻撃が活発化

警視庁サイバーセキュリティ対策本部がまとめたデータによると、2023年以降、情報セキュリティ対策の不十分なネットワーク機器が、サイバー攻撃の手段として悪用されていることが明らかになっています。

同本部では、ネットワーク機器の設定を見直し、定期的なアップデートを実施して最新の状態を維持するように注意を呼びかけています。

ランサムウェア被害の報告件数

参考:「警視庁|令和6年上半期におけるサイバー空間をめぐる脅威の情勢について」
  (https://www.keishicho.metro.tokyo.lg.jp/kurashi/cyber/joho/info_security.files/graph.pdf)

2024年上半期においても、ランサムウェアの被害は高水準で推移しています。データの暗号化といった単純な手口だけでなく、データを窃取したうえで「対価を支払わなければ当該データを公開する」などと対価を要求する「二重恐喝」による被害が多くを占めると発表されています。

5.サイバー攻撃への有効な対策

サイバー攻撃への有効な対策

サイバー攻撃から企業や個人を守るためには、事前の対策が必須になります。ここではサイバー攻撃への有効な対策を紹介します。

ソフトウェアを常に最新の状態にする

サイバー攻撃の手口の一つとして、アプリケーションやOSの脆弱性を狙うケースが挙げられます。これに対応するために、ソフトウェア開発会社は脆弱性の修正アップデートを定期的に実施しています。ソフトウェアを常に最新版に更新することが、サイバー攻撃への対策として単純ながらも有効です。

IDおよびアクセスの管理を徹底する

各種Webサービスやパソコン、サーバーを利用する際、多くの場合IDとパスワードの入力が必要です。しかし、サイバー攻撃によってこれらが流出した場合、データの漏えいや不正使用といった被害を受ける可能性があります。

サイバー攻撃の対策として、推測されにくいIDとパスワードを設定することや、同じIDやパスワードを複数のサービスで使い回さないことが重要です。また、IPアドレスによるアクセス管理やアクセス権限の制御を行うことで、さらなる安全性を確保できるでしょう。

メールのセキュリティを強化する

標的型攻撃メールやフィッシング詐欺では、しばしばメールが攻撃手段として利用されます。これらのサイバー攻撃への対策として、メールセキュリティを強化することが効果的です。

たとえば、悪意のある添付ファイルを検知したり、不審なメールを自動で振り分けたりする機能を活用することで、サイバー攻撃のリスクを軽減できる可能性があります。

Webブラウザのセキュリティを強化する

メールと同様に、Webブラウザもサイバー攻撃の手段として悪用されやすいです。そのため、Webブラウザのバージョンを常に最新の状態にアップデートすることが基本的な対策になります。拡張ツールをインストールしている場合は、それらも定期的にアップデートする必要があります。

加えて、URLフィルタリングを導入することで、危険性の高いWebサイトへのアクセスを防止し、Webサイトを経由したマルウェア感染のリスクを低減することが可能です。

従業員へ情報セキュリティ教育を行い意識を高める

サイバー攻撃を防ぐためには、従業員の情報セキュリティ意識を向上させることも重要な課題です。怪しいメールを開かない、不審なURLをクリックしない、パスワードの使い回しを避けるといった基本的な対策を各個人が日常的に意識することで、攻撃を未然に防げる可能性が高まります。

6.情報セキュリティ対策なら「Nにおまかせ!」

情報セキュリティ対策が不十分な場合、サイバー攻撃の標的となり、機密情報の漏えいや暗号化によるランサムウェア攻撃など、重大なリスクが発生する可能性があります。しかし、対策を講じたいと思っても、「具体的に何をすれば良いのかわからない」という企業も少なくありません。

そのような場合には、自社ですべて対応しようとするのではなく、「Nにおまかせ!」にご相談ください。

課題と対策を「見える化」し、適切な対策をサポート

「Nにおまかせ!」では、情報セキュリティの専門家が、課題と対策を「見える化」して明確に提示します。5つの情報セキュリティ対策で、多様化するサイバー攻撃に備えられるようサポートします。

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ネットワークセキュリティ対策 外部からの攻撃や内部からの不適切な通信を遮断
エンドポイント対策 パソコン・サーバーのウイルス対策
データセキュリティ対策 大切なデータを安全に保管
データの暗号化やアクセス制限
物理的セキュリティ対策 オフィスへの物理的な侵入を遮断、監視
従業員教育と意識向上 従業員の情報セキュリティ意識を高める
標的型メール訓練など

万が一のトラブル時も一貫したサポートで安心

情報セキュリティ対策ツールの導入から、万が一のトラブル発生時まで、専門的なサポートを一貫して提供します。万が一、サイバー攻撃による被害が発生した場合には、迅速な復旧支援を行い、被害の最小化に努めます。

7.まとめ

サイバー攻撃は、金銭や機密情報の窃取、データ改ざん、システム停止を目的に情報端末を狙う行為で、手法は多岐にわたることがわかりました。

近年では、ランサムウェアやネットワーク機器の脆弱性を突いた攻撃が増加しています。特にランサムウェアは重大な脅威となっており、データ暗号化や「二重恐喝」といった手口で企業に甚大な被害をもたらしています。

サイバー攻撃を防ぐためには、アプリケーションやOSを常に最新状態に保つ、強固なパスワードの使用と管理、メールやWebブラウザのセキュリティ強化、従業員の情報セキュリティ意識向上などの対策が有効です。また、専門的なサポートを受けることで、課題を「見える化」し、適切な対策を講じることも重要になります。

「Nにおまかせ!」では、包括的な情報セキュリティ対策を提供し、万が一のトラブル発生時にも迅速にサポートを行います。サイバー攻撃からのリスクに備え、安心して事業運営できる環境を整えましょう。

なお、「Nにおまかせ!」では、簡単にできるセキュリティチェックもご用意しています。お気軽にご相談ください。

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