ICTとは?必要性と導入のメリット、各業界の活用例を簡単に紹介

公開日:2025.03.27

ICTとは?必要性と導入のメリット、各業界の活用例を簡単に紹介

この記事で
わかること

  • ICTとは情報通信技術のこと。ITに通信要素が加わった技術
  • ICTはテレワークや人口減対策として、さまざまな分野で活用されている
  • ビジネスにICTを導入することで、効率化や生産性向上、顧客サービス向上につながる

目次

少子高齢化による生産年齢人口の減少やテレワークの普及に伴い、ビジネス環境は大きく変化しています。そのなかでICT(情報通信技術)の活用は、業務効率化や生産性向上のカギといえるでしょう。

本記事では、ICTとは何か、その必要性や導入することによる具体的なメリットの他、さまざまな分野における活用例についてわかりやすく解説します。

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1.ICTとは?簡単に説明

ICTとは「Information and Communication Technology」の略称を指し、日本語では「情報通信技術」と訳されます。文字通り、通信を活用して情報をやり取りする技術のことです。

たとえば、私たちが日常的に使うスマートフォンでのメッセージの送受信や、パソコンを使ったメール、データの共有などはICTによって成り立っています。つまり、ICTは現代社会に欠かせない技術であり、私たちのコミュニケーションや業務の効率化を支えているといえるでしょう。

ITとの違い

ICTと似た言葉に「IT(Information Technology)」があります。ITは「情報技術」を指し、主に情報を収集・処理・保存する技術全般のことです。一方、ICTはそのITに「Communication(通信)」の要素が加わっており、通信によるコミュニケーションの重要性を強調しています。

近年、ITに代わりICTという言葉が主流になりつつありますが、両者が明確に区別されることはあまりありません。同じ意味で使われるケースも多いといえます。

IoTとの違い

「IoT(Internet of Things)」は「モノのインターネット」を意味した言葉です。パソコンやスマートフォンだけでなく、家電や自動車、産業用ロボットなど、さまざまな「モノ」をインターネットにつなぐ技術のことを指します。たとえば、食材在庫を自動で管理する冷蔵庫や、音声指示に応じて照明を操作するスマートスピーカーなどのシステムが挙げられます。

対して、ICTは人と人、あるいは人とモノを通信技術でつなぐものです。IoTは人を介さずにモノ同士が直接通信することが多く、人を介しているかどうかがICTとIoTの大きな違いといえます。

DXとの違い

「DX(Digital Transformation)」は「デジタル変革」を意味し、デジタル技術を活用して人々の生活やビジネスを根本から変革することを指します。ペーパーレス化やオンライン会議の普及などによる働き方の変革がDXの一例です。

ICTとDXはデジタル技術を活用する点においては共通していますが、ICTが技術そのものを指すことに対して、DXはその技術を使って社会や組織を変革することを指しています。そのため、DXはICTを含む、より広範な概念として捉えられるでしょう。

2.ICTが必要とされる理由

2000年以降、さまざまな国家戦略によりデジタル化が推進されています。ここでは、ICTが現代社会において必要とされる理由を具体的に解説します。

テレワーク環境の整備

新型コロナウイルス感染症の拡大や、多様な働き方へのニーズの高まりを背景に、テレワークの導入が急速に進みました。実際に、総務省が公表している2023年の調査によると、国内でテレワークを導入している企業は約50%です。このような背景から、ICTはテレワークを支える重要な基盤として注目されています。

オンライン会議を可能にするWebミーティングツールや、遠隔地にいる社員同士のコミュニケーションを円滑にするチャットツール、業務データを安全に共有・管理できるクラウドサービスなどは、すべてICTの一種です。快適なテレワーク環境を構築するためには、ICTの活用が欠かせません。

生産年齢人口減少の解決策

日本では少子高齢化の進行により、1995年をピークに生産年齢人口(15~64歳)が減少し続けています。人口減少によって働き手が減るなか、企業が生産性を維持し成長を続けるには、ICTの活用が必須です。

たとえば、教育現場では電子黒板やタブレットを活用した「ICT教育」、医療現場ではICTを活用したオンライン診療などが導入されています。ICTは単なる便利なツールにとどまらず、人手不足という社会的な課題を解決するためのカギとなるでしょう。

3.ビジネスにICTを導入するメリット

ビジネスにICTを導入するメリット

ここでは、ビジネスにICTを導入するメリットを紹介します。

コミュニケーションの効率化・円滑化

ICTの導入により、コミュニケーションの効率化と円滑化が期待できます。たとえば、Webミーティングツールやコミュニケーションツールを活用すれば、オフィスにいない従業員とスムーズにやり取りが可能です。

さらに、取引先とのやり取りも効率化されます。電話やメールだけでなく、オンラインでのミーティングや共有ドキュメントを使うことで、確認作業がスムーズになり、契約交渉やプロジェクトの進行がスピーディーに進みます。また、ノートパソコンやスマートフォンを利用すれば、どこにいても必要な情報をすぐに把握できるでしょう。

ICTを導入することで、物理的な距離を超えたコミュニケーションが可能になり、業務のスピードアップや連携の質の向上が見込めます。

生産性と業務効率の向上

ICTを導入するメリットの一つとして、生産性と業務効率の向上が挙げられます。たとえば、以前は人の手を介して行っていたデータ入力や情報整理作業などを、ICTを使って自動化することが可能です。作業にかかる時間や手間を低減でき、効率的に業務を進められるでしょう。

その他、請求書の発行や経費精算などのルーティン業務を自動化することで、担当者に余裕が生まれます。ICTを活用してルーティン業務のようなノンコア業務を効率化すれば、社員一人ひとりがコア業務に集中できるようになり、全体的な生産性の向上にもつながるはずです。

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顧客サービスの向上

ICTの活用は、顧客サービスを大きく向上させる可能性を秘めています。たとえば、電話やFAXで対応していた問い合わせ・受注をオンラインで受け付けることにより、24時間365日いつでも顧客からのリクエストに応じることが可能です。

また、オンラインショップにICTを導入すれば、注文の受付から処理、発送までの一連の流れを自動化できます。顧客は時間を気にせずに利用でき、サービスの利便性向上が期待できるでしょう。

さらに、ICTを活用したデータ分析ツールを使うことで、顧客の好みやニーズを把握し、サービスの品質を向上させられます。具体的には、顧客の購買データを分析して、今後の購買傾向を予測したり、個別のニーズに応じた商品提案を行ったりすることが可能です。ICTの導入によって、顧客に対してより適切で魅力的な提案を提供できるようになり、サービスの品質向上につながるでしょう。

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4.各分野におけるICTの活用例

各分野におけるICTの活用例

ICTは身近なところから専門分野まで、幅広く活用されています。ここからは、各分野におけるICTの活用例を紹介します。

教育

近年、ICTは教育現場での学びのスタイルを大きく変えており、電子黒板やタブレットを活用した「ICT教育」が広く導入されています。

動画や音声を用いた教材により、視覚や聴覚を通じて学びを深められ、単調なテキストだけでは難しい内容を効果的に伝えることが可能になりました。また、インターネットを活用することで、生徒は能動的に情報を収集するようになり、学びの幅が広がるとされています。

さらに、ICTの導入は教師側にも大きなメリットをもたらします。従来、プリントで用意していた教材をデジタル化することにより、教材を繰り返し使用でき、準備にかかる時間と労力を低減することが可能です。また、教師は生徒一人ひとりの理解度をデジタルツールで把握し、個別の指導に活かすことができます。業務効率化によって、授業準備や評価の負担が軽減され、生産性の向上につながるでしょう。

ICTの活用により、生徒は将来の社会に必要なデジタルスキルを身につけられる一方で、教師は効率的に授業を運営し、生徒一人ひとりに適切なサポートを提供できるようになります。ICTは双方にとって有益な結果を生み出し、教育の質を高める重要な要素だといえるでしょう。

医療

高齢化社会が進むなかで、医療現場における人手不足は大きな課題です。人手不足を解決するために、ICTの活用が注目されています。

急速に導入が進んでいるオンライン診療は、ICTを活用した業務効率化の一例です。オンライン診療を通じて、患者は自宅にいながらにして医師へ相談でき、通院の手間を省けます。特に高齢者や身体的に通院が難しい患者にとって、便利なツールだといえるでしょう。

また、医療過疎地域では、専門医が不足しているケースがあります。オンライン診療があれば、都市部の医師と遠隔でつながり、診察を受けることが可能です。ICTを活用したオンライン診療は、地域差を乗り越え、医療アクセスを改善するための重要な手段となっています。

さらに、医療データの管理や診療情報の共有にもICTを活用することで、患者の情報を迅速かつ正確に確認することが可能です。ICTの活用は、医療現場におけるアクセス向上や業務効率化に寄与し、特に高齢化社会においてその重要性が高まっています。

介護

介護業界では、人手不足が深刻な問題となっており、厚生労働省はICTの活用を積極的に推進しています。特に、紙媒体でのやり取りを減らし、ICTをインフラとして取り入れることで、業務の効率化と負担の軽減を促しています。

たとえば、従来はケアプランの作成や更新が紙ベースで行われていましたが、ICTを活用することで情報を電子化し、リアルタイムで更新・共有できるようになります。ケアスタッフが煩雑な書類作業から解放され、より多くの時間を直接的なケアに充てることが可能です。

またケアプランは、利用者の状態やニーズに応じた柔軟な変更が求められます。ICTを活用すれば、過去のデータや実績を簡単に参照でき、適切な判断を迅速に行えるでしょう。

さらに事業所間で情報を共有できることで、他の介護スタッフや医療機関との連携がスムーズに行えるようになります。ICTの導入はケアスタッフの負担軽減だけでなく、利用者に対するサービスの品質向上にもつながるでしょう。

土木建設

土木建設業界では、ICTの導入によって建設生産システム全体の生産性を向上させ、業務の効率化を図るための「i-Construction」施策が推進されています。

土木建設業界では、人手不足が深刻化しています。特に熟練労働者の高齢化が進むなか、若手の労働力確保が難しい状況です。このような課題に対応するため、ICTを活用して効率的かつ高品質な施工を実現する取り組みが進められています。例として挙げられるのは、以下のような技術の導入です。

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技術 活用方法 効果
ドローン 短時間で高密度な3次元測量を実施する 測量時間の短縮、作業効率の向上
3Dモデリング 計画、調査、設計などの各段階から3次元モデルを導入し、関係者間の情報共有を円滑にする ミスや手戻りの低減、単純作業の負担軽減、工程の短縮などによる施工現場の安全性向上
センサー技術 現場の情報取得の自動化を補助する 安全性向上、点検コストの低減

上記のようなICT技術の導入によって、従来に比べて工期短縮やコスト低減が可能となり、建設生産システム全体の効率化を実現しています。ICT技術は、土木建設業界の人手不足を支える重要な役割の一つといえるでしょう。

5.ICT活用のための土台環境作りは「Nにおまかせ!」

業界を問わず、ビジネスの推進には今後ますますICTの活用が重要になっていきます。しかし、ICTを効果的に活用するためには、そのための基盤となるネットワーク環境の整備や情報セキュリティ対策が欠かせません。土台が不十分な場合、システムの不具合やセキュリティのリスクが高まり、ビジネスの運営に支障をきたす可能性があります。

情報セキュリティ対策や社内ネットワークの現状把握を行い、改善点を見つけるためには、プロの手を借りるのがおすすめです。「Nにおまかせ!」では、企業のICT導入をスムーズに進めるための支援を行っています。

通信のプロがオフィスを訪問して診断

「Nにおまかせ!」では、通信のプロフェッショナルが実際にオフィスを訪問し、社内ネットワークの診断を行います。現場での診断によって、実際の環境や運用状況をより正確に把握でき、ネットワークの問題点や改善点を見つけ出すことが可能です。

また、訪問診断の前に無料でWeb診断を受けられます。手軽にネットワーク環境の現状を把握したい方は、ぜひ活用してみてください。

現状を見える化し、見直しに役に立つレポートを作成

「Nにおまかせ!」では、オフィス訪問による診断結果をもとに、専門家がネットワーク構成図や機器一覧を作成します。現在の導入状況や運用状況を見える化することでリスクが把握でき、どのような改善が必要なのかが明確になります。

現状を見える化してICT活用のための土台環境を整備できれば、安心してICTの導入・運用を進められるようになるでしょう。

6.まとめ

ICT(情報通信技術)とは、通信を利用して情報をやり取りする技術のことです。現代のビジネス環境において、生産性の向上や業務効率化、そして顧客サービスの質の向上を実現する重要な要素といえます。

テレワークの普及や生産年齢人口の減少といった課題に対応するためにも、ICTの活用は欠かせません。実際に、教育や医療、介護、土木建設といった幅広い分野で、ICTの導入が進んでいます。

ICTのメリットを最大限に引き出すには、まずご利用環境の整備が必要です。オフィスや店舗のネットワーク環境に課題を感じている方は、「Nにおまかせ!」にご相談ください。ご利用環境の診断から整備までトータルでサポートします。

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