飲食店がまず抑える４つの集客方法！成功のコツや生じる課題も解説

飲食店の集客方法は、グルメサイトへの登録やホームページでのPR、Web広告、SNS運用、Google ビジネス プロフィールなど、多彩な方法があります。いっぽうで、多数ある集客方法の中から、自分たちは何を選んだらよいか決めあぐねるという店舗も少なくありません。

そこで本記事では、顧客が飲食店を選ぶ方法について整理したうえで、開業時、短期的集客、継続的集客、リピーター獲得という4つの側面から選ぶべき集客手法についてくわしく解説します。

集客のポイントをご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

飲食店が集客方法を検討する際には、まず顧客がどのように店を選ぶのかを把握しておくことが重要です。
ここからは、実際のデータを用いて顧客が飲食店を選ぶ方法を3つ紹介します。

屋外ビジョンを手掛ける企業は、2022年に「飲食店の選び方に関する意識調査」を実施しました。その結果、1軒目に訪れる飲食店を「事前に予約する」と回答した人は53.7％、2軒目以降の店選びについては35.2％の人が、「街中の看板や店の外見を見てその場で決める」と回答しました。

1軒目の飲食店を決める際は、事前に予約し口コミ・人気度の確認を行うなど、行き先を慎重に決める人が多いようです。一方で、2軒目以降は、その場の状況に合わせて店の外観、雰囲気などで選んでいる傾向にあります。

予約管理システムなどを手がける企業は、2024年に「外食に関する調査」として、飲食店選びに関連するアンケートを実施しました。
その結果、飲食店を選ぶ際の主要な方法として、1位は「インターネット検索」、2位「グルメサイト」、3位が「家族・友人・知人からの口コミ」であることがわかりました。
同調査によると、以前はグルメサイトを利用して飲食店を探す人が多かったものの、新型コロナウイルス感染症の影響で営業時間の短縮や閉店が増えたため、店舗情報の最新性がより重要視されるようになり、その結果、インターネットでの情報収集が増加しているとのことです。

また、別の調査では、飲食店選びの基準が「誰と食事をするのか」により変わることも明らかになりました。
以下では、同伴者別の飲食店選びの基準をまとめます。

このように、顧客は同伴者により行き先を選ぶ基準を変えています。
また、これまでの調査結果から、飲食店選びにおいて「インターネット」「グルメサイト」「口コミ」、さらには「看板」や「外観」などが重要な要素であることがわかりました。

ここからは、飲食店が押さえておくべき集客手法を、4つの軸から紹介します。

開業時には、上記で解説した飲食店選びの方法を、なるべく幅広く押さえておく必要があります。

ただし今回、あえて開業時点では「Webサイト」の制作を含めていません。というのも、たとえば「地域 ラーメン」などの検索結果では大手グルメサイトが多く表示され、いきなり検索上位を狙うのは難しく、さらにはWeb制作には一定の初期コストがかかるためです。
それでも、自社の独自性や魅力をしっかりとアピールするには、Webサイトの存在意義は大きいため、費用効果を考慮しながら、将来的にWeb制作も検討することをおすすめします。

「食べログ」や「ぐるなび」などの大手グルメサイトは、主要な集客チャネルとなるため、掲載料金はかかりますが、ぜひ押さえておきたいポイントです。以下では、食べログとぐるなびの特徴や料金などをまとめます。

2024年8月執筆時点

グルメサイトの大きなメリットは、見込み客に対して広く効果的なアプローチができる点です。
これらサイトには、飲食店の利用を考えている多くのユーザーが訪れるため、店舗情報を充実させることで、来店予約を獲得しやすくなるでしょう。
また、グルメサイトにはクーポンやWeb予約、口コミ掲載などの集客ツールが豊富に揃っている場合もあるため、予算に応じて取り入れることで来店予約数を増やす効果が期待できます。

Uber Eatsなどのデリバリーサイトは、新型コロナウイルス感染症の影響で利用が急増しました。
これらのサービスに登録することで近隣住民へのアピールにも役立ち、デリバリーを通じて顧客満足度を向上させることで、店舗集客にもつながる可能性があります。
以下では、主なデリバリーサイトの掲載料金についてまとめます。

2024年8月執筆時点

このように、利用するサイトにより初期費用や月額費用、利用サービスに応じた従量課金額などが異なります。
店舗のさらなる利用客獲得に向け、デリバリーサイトの導入も検討するとよいでしょう。

Google ビジネス プロフィールは、Google マップに店舗の写真やメニューを無料で掲載できるツールです。
「ラーメン 渋谷」など、エリアで絞ってインターネット検索すると、Google マップの結果が上位に表示されます。スマートフォンの Google マップから店舗を直接検索するケースも多く、周辺で飲食店を探しているユーザーにもアピールできるのが強みです。
開業時の集客方法の中でも、優先度の高い方法の一つです。

開業当初は、新規顧客を獲得するのが大きな課題です。開業時に顧客がまばらだと、初めて来店する人に入りにくいイメージを与えてしまいます。
そのため、友人や知人に顧客を紹介してもらうのがおすすめです。友人や知人に開業のお知らせを送り、さらに周囲に広めてもらうことで「にぎわい」を演出できます。
これにより、新規顧客も入りやすくなり、開業時の効果的な集客につなげられるでしょう。

開業時の集客手法として、ビラ配りやポスティングも効果的です。
新規オープンのチラシを作成し、街頭でのビラ配りや、近隣の住宅やマンションにポスティングを行います。
特に、オープンキャンペーンなどと併用すると、新規顧客の来店を促すことができます。
ただし、ビラ配りには許可が必要であり、ポスティングについては禁止しているマンションや住宅もあるため、注意が必要です。

ディスプレイ看板やのぼりもまた、開業時におすすめの集客手法です。
冒頭の調査でも解説したとおり、道行く人の目を引き、認知度を高めるのに効果的です。
メニューの写真を大きく目立たせるなど、店舗の特徴が一目でわかるように工夫するのがポイントです。
また、店が閉店した後も、おすすめメニューの写真やメニュー表を窓際などに掲示しておくことで、将来的な集客効果が期待できます。

開業後、さらに認知アップや売上向上を目指したい場合には、広告などを活用した集客方法がおすすめです。

ここからは、短期間で効果的な集客をするための手法について紹介します。

短期集中型の集客手法では、X（旧Twitter）やInstagram、TikTokなどのSNS広告がよく利用されます。
これらは、ターゲティング精度に優れていることから、年齢や地域などで絞った特定の顧客層にピンポイントでアプローチできるのが強みです。
SNS広告はプラットフォームごとに利用層が異なるため、店舗のターゲット層と合うSNS広告を選択することが大切です。
それぞれのプラットフォームの特性を理解し、画像や動画を活用して適切な広告クリエイティブを作成することで、より効果的な集客が期待できます。

インフルエンサーにお店を紹介してもらうのも、効果的な集客手法の一つです。
インフルエンサーとは、特定の分野で影響力を持ち、SNS上のフォロワーまたはファンの意見や行動に大きな影響を与える人を指します。

すでにSNSで数万人のフォロワーを持つ人に紹介してもらえるケースもあるため、認知度アップにつながるでしょう。

インフルエンサーを探すなら、友人や知人などのつてをたどって探すのもおすすめですが、インフルエンサーを抱える事務所に依頼する方法もあります。依頼するインフルエンサーによっては費用がかかることもあり、その額はフォロワー数などで変動する傾向にあります。
その際、インフルエンサーに投稿を依頼したことを隠すなどの行為は、景表法違反になるため注意が必要です。

短期間で効果的な集客をするなら、地方紙やフリーペーパー、雑誌などへの広告出稿もおすすめです。
施策の一つとして、たとえば近隣の美容室やクリニック、あるいは喫茶店などでどのような雑誌やフリーペーパーが置いてあるのかを調べ、それに基づいて掲載する紙面を選べば、より集客効果を期待できます
地元の飲食店が掲載されていることがわかれば「近いし行ってみようかな」と興味を持って足を運んでもらえる可能性が高まるからです。

専門誌への広告出稿もまた、効果的な集客手法の一つです。
飲食店の専門誌への広告出稿は、ターゲットを絞って店をアピールできるのが強みです。
また、専門誌とのコラボレーションで特別メニューを設けるなどの工夫を加えると、さらに来店数を増やす可能性が高まります。
ただし、専門誌への広告出稿は一般的に高コストなため、予算を十分に考慮した上で検討しましょう。

まずは顧客に足を運んでもらうことを重視し、採算度外視でお得なメニューを提供するのも一つの手です。
例えば、通常価格より大幅に割引したメニューや、数量限定の無料トッピングなどを提供すると、顧客の来店意欲を高められます。
ただし、割引が常態化したり、頻繁に開催しすぎたりすると、顧客が「割引待ち」になり、利益を圧迫する可能性があるため、注意が必要です。

続いては、継続的に集客するための手法を紹介します。地道な取り組みではありますが、継続することで認知拡大や集客力のアップにつなげられるでしょう。
ここからは、それぞれの手法を詳しく解説していきます。

開業時にWebサイトを開設することは、集客の重要な手段の一つです。ただし、Webサイトは作成するだけではなく、継続的な「運用」が不可欠です。
具体的には、以下のような内容を継続的に更新する必要があります。

このように、最新の情報を常に発信し続けることで、顧客の興味を引きつけ、リピート率の向上につなげられます。

継続的に集客し続けるには、SNSを活用した集客手法も効果的です。
X（旧Twitter）やInstagram、TikTokなどのプラットフォームは、広告だけでなく、自社アカウントとして運用していくことで、長期的に顧客との関係性を維持できるのが強みです。
また、SNSの特性である「バズり」が起これば、一気に認知を拡大できる場合もあります。
とはいえ、競争率も非常に高く「バズり」は稀なケースなため、メニューの写真や動画、イベント情報などを地道に投稿していくことが大切です。
SNSの運用にはコツもあるため、知識のあるスタッフや外部パートナーに相談するのもおすすめです。

飲食店の選び方で解説したように「口コミ」は店を選ぶ上で非常に重要です。
来店客によりGoogle ビジネス プロフィールやグルメサイトの口コミが投稿されたら、丁寧にリアクションしていくなど、地道な活動で新規顧客やリピート獲得につなげられます。
ただし、報酬提供を隠した口コミや偽の口コミなどは、景表法違反となる恐れがあるため、十分に注意してください。

継続的な集客を狙うなら、Web広告を導入する手法もおすすめです。
特に、リスティング広告やディスプレイ広告などの運用型広告は、ターゲット層に合わせた細やかな広告配信が可能であり、認知度向上や集客効果に期待できます。
運用型広告の大きな特徴は、短期間で改善を繰り返すことで、広告効果を最大化できる点です。広告データに基づいて、キーワードやターゲット層を調整すれば、費用対効果の高い広告運用を実現できるでしょう。
ただし、一定のスキルや経験が求められるため、経験のあるスタッフや実績のある外部パートナーに依頼することを推奨します。

ここまでは、新規顧客獲得について紹介してきましたが、リピーターの獲得は、店舗の安定的な継続に不可欠な要素です。
リピーター獲得のための取り組みには、飲食店側でしかできないことが多いため、この取り組みにいかに時間を割けるかがポイントとなります。
ここからは、リピーターを獲得するための手法について、それぞれ解説していきます。

リピーターを獲得するためには、新しいメニューを定期的に開発することが大切です。
常に同じメニューでは、常連顧客が飽きてしまう可能性があります。そのため、月替わりで限定メニューを導入する飲食店も少なくありません。その中でヒットした期間限定メニューを定番メニューにするのもおすすめです。
積極的に常連顧客などの意見を取り入れて、より良い店づくりをしていきましょう。

リピーターを定着させるためには、質の高い接客が不可欠です。
ただ商品やサービスを提供するだけでなく、常に店舗の接客品質向上に向けた努力が大切です。
店舗に訪れる前に口コミを見る顧客も多く、接客態度が問題で新規顧客を遠ざけてしまう可能性も少なくありません。
接客品質を向上させるには、顧客にアンケートを取り、店舗の接客に活かす方法もあります。
入店から注文、配膳、会計、退店といった一連のプロセスを可視化し、プロセスごとに問題点を評価すると改善しやすいです。

リピーターを狙った集客を強化するなら、店舗レイアウトの見直しも検討しましょう。
飲食店を経営していると、開業時には想定していなかった問題や、運営を進める中で見えてくる課題も少なくありません。
例えば、予想以上にシニア層やビジネス層が多い場合、入り口の段差を解消する、電源を設けるなど、地域や客層のニーズに応じて柔軟に対応する必要があります。
ただし、店舗改装には費用がかかるため、事前に利用可能な補助金がないか確認することをおすすめします。

リピーターの心を掴み続けるためには、既存顧客向けのイベント開催が効果的な手段の一つです。
3周年などの節目を機に、顧客への感謝の気持ちを込めて、パーティーや特別メニューの提供などを行うことで、顧客は店舗への愛着を深め（＝ファン化）、さらなるリピートや口コミ、顧客紹介につながることが期待できます。
また、イベントの開催は、これまで来店したことのない新規顧客への周知にもつながる可能性もあります。

地域とコラボレーションする手法もまた、リピーター顧客獲得に効果的です。
商店街や近隣の店舗とコラボレーションすることで、地域での認知度をアップさせられ、集客につながります。
具体的には、宿泊施設からデリバリー注文を受けられるようにしたり、「食」に関するワークショップをしたりなどが挙げられます。
コラボレーションする際には、その地域の特性や客層をイメージした、メニューやサービスの考案が必要となるでしょう。

リピーターを獲得するためには、LINE公式アカウントの導入が効果的です。
LINEは多くの人が利用しているコミュニケーションツールの一つです。LINE公式アカウントを活用することで、メルマガや割引クーポンの配信など、一対多のコミュニケーションが可能になります。

例えば、あるコーヒーショップでは、新規オープンの前から店頭にLINE公式アカウントのQRコードを掲示し、積極的に「友だち追加」を促していました。
オープン後には、友だち追加をした顧客先着100名にプレゼントを贈る企画を実施し、定期的に顧客に楽しませる情報を配信しています。
このような取り組みにより、リピーターを着実に獲得し、顧客の3回以上の来店を促進しています。
気軽に取り入れられ、顧客も身近に情報を確認できる点が大きな魅力です。

飲食店が実施できる集客方法は多岐にわたりますが、それぞれの取り組みには課題も伴います。ここからは、飲食店が集客施策を進める際に直面する課題について紹介します。

飲食店が集客施策に取り組む際、ノウハウ不足が大きな課題となります。
特に、Web広告やWebサイト運営、Google ビジネス プロフィールやSNSの活用に関する知識や経験が少ない、またはほとんどないケースも見られます。
何から始めて良いのかわからず、どんな情報を発信すべきかに悩むといったことも少なくありません。このような場合、専門家への相談や、基本的なマーケティング手法を学ぶことが効果的です。

飲食店が集客施策を進めるさい、人的リソース不足が大きな課題となりやすいです。
スタッフは通常、仕込みや調理、接客、清掃などの通常業務で忙しく、集客活動に時間を割くのは難しい場合がほとんどです。さらに、集客のための専任スタッフを雇うのも、店舗の規模や予算によっては難しい場合があります。
そのため、効率的な業務運営と限られたリソースの中で集客施策を実施する方法を検討する必要があります。

飲食店が集客施策に取り組む際の課題として、イニシャルコストをかけられないという点も挙げられます。
Webサイト作成や広告出稿には、一定の費用が発生します。特に開業初期は、顧客数が少なく、利益も十分ではないため、集客に十分な費用をかけられないケースがほとんどです。
コストを抑えつつ効果的な集客施策を検討することが大切です。

ここからは、飲食店が集客で成功するための4つのコツを紹介します。

飲食店が集客で成功するためには、店舗の強みや訴求点を明確にすることが大切です。
多くの集客手法がある中で、重視すべきことは「誰に」「何を訴求するのか」です。集客活動を始める前に、自店舗の強みや顧客がなぜ訪れるのかを整理することをおすすめします。
また、その際には、アンケートの実施や、仲の良い常連顧客に直接インタビューするのも効果的です。

飲食店の集客において大切なのは、一度取り組んで終わりにするのではなく、継続的に取り組むことです。
具体的には、WebサイトやSNSでの定期的な情報発信、Google ビジネス プロフィールやグルメサイトへの丁寧な口コミ対応などが挙げられます。
これらの活動を継続し、顧客とのコミュニケーションを大切にすることで、情報が資産となり、さらなる集客につなげられるでしょう。

飲食店が集客を成功させるためには、店舗における顧客体験、すなわち「味」「接客」「店の雰囲気」を継続的に向上させることが不可欠です。
優れた顧客体験は、リピーターの獲得だけでなく、良質な口コミを生み出し、さらなる新規顧客の来店につなげられます。
そして、この顧客体験の向上は、「店舗側」が主体とならなければ改善できない取り組みでもあります。

集客施策には、店舗側が主体的に取り組むことで効果が期待できるものと、専門知識が必要で外部に委託した方が効率的なものがあります。

例えば、「メニュー開発」、「接客品質の向上」、「店舗レイアウトの改善」などは、店舗の特性をよく理解している店舗側が主体的に取り組む方が効果的です。
一方、「SNS運用」、「Web広告」、「Google ビジネス プロフィールの管理」などは専門的な知識やツールが必要となるため、プロに委託することで、店舗は本業であるサービス提供に集中できます。
業務の質を維持するためにも、店舗が行うべきことと外部に委託できることを整理することが重要です。

集客を強化したいと考えてはいても、初期費用や運用の手間を考慮すると、なかなか施策の導入に踏み切れない店舗も多いでしょう。
「Nにおまかせ！」では、月額制で「SNSやメルマガ」「動画作成」などのサービスを提供します。
初期費用を抑えつつ、専門的な業務をプロに任せることで、メニュー開発や接客などの本業に集中でき、効率的な集客が実現できます。
集客でお悩みの場合は「Nにおまかせ！」にご相談ください。

飲食店の集客施策は、目的や状況に応じて適切に取捨選択することが重要です。
店舗が自ら取り組むべきことと、外部に委託すべきことを整理し、店舗運営の質が下がらないように施策を検討しましょう。
また、自店舗に合った集客方法の見極めが難しい、もしくは人的リソースが不足している場合は、プロに任せることで効率的な集客が実現できます。

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