公開日:2025.11.13

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わかること
目次
カフェ、居酒屋、たこ焼き屋など個人で飲食店を開業したい考えはあるものの、不安があって開業に踏み切れずにいる人も少なくないでしょう。
開業にあたって具体的にどういった懸念や課題があるのかを明確に知ることで、開業について現実的に検討することが可能になります。
本記事では、個人事業主が開業で直面しがちな課題をデータに基づき解説します。あわせて、開業に踏み切れた人の理由や課題を克服するためのポイント、具体策や成功事例もご紹介しているため、ぜひ最後までお読みください。
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資料をダウンロードする(無料)まずは、国内における起業の動向についてデータから読み解いてみましょう。
帝国データバンクの調査によると、2024年に新たに設立された法人の数は過去最多を更新しました。とくに注目すべきは、60歳以上の方による「シニア起業」が過去最高になったことです。
これは、定年を迎えたのち、キャリアの次のステップとして起業を選ぶ人が増えていると考えられます。
一方で、地域の小規模事業者の廃業も増加傾向にあります。令和3年 総務省の「地域住民の生活に身近な事業の 存続・承継等に関する実態調査」によると、平成28年以降、地域の小規模事業者の廃業は年間4万件を上回る水準で推移していることがわかります。
地域の小規模事業者で廃業が増加傾向にある主な原因は、「経営者の高齢化と後継者不足」です。
長年、飲食店を営んできた小規模事業者を例に考えてみましょう。料理の腕や知識は豊富でも、新しい従業員の確保や資金繰りといった経営上の課題に直面すると、店舗の経営維持が難しくなるケースが多いと推察されます。
これらのデータから見えてくるのは、起業を成功させて事業を長く続けていくためには、専門的なスキルや知識だけでなく、経営や資金調達に関する知識も同じくらい重要だということです。
今の時代の起業では、事業の専門性と経営の両方をバランスよく身につけることが不可欠といえるでしょう。
出典:2024年「新設法人」動向調査|株式会社帝国データバンク
全国企業「休廃業・解散」動向調査(2024年)|株式会社帝国データバンク
地域住民の生活に身近な事業の 存続・承継等に関する実態調査 結果報告書|総務省 P.8
ここでは、開業で想定される障壁について深掘りしていきます。
中小企業庁の2023年版「中小企業白書」のデータによると、開業の準備段階で経営者が直面した課題は以下の通りでした。
とくに、年代別に代表者をみると、30歳代以下の若年層においては「事業・経営に必要な専門知識・ノウハウの不足」の回答割合が高く、開業の障壁となっていることがうかがえます。
「経営に必要な専門知識・ノウハウ」は、開業するにあたって必須であると同時に、障壁にもなり得るポイントです。
では、開業前には具体的にどのようなポイントを押さえるとよいのでしょうか。以下の表は、開業までの流れの要点をまとめたものです。
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| 1.事業計画・資金計画 | 事業計画の策定段階でICT※1の活用を検討することで、効率的で低コストな事業運営や、新しいビジネス、働き方など、これからの時代に相応しい、事業計画、資金計画を作ることができる。 |
|---|---|
| 2.立地調査・物件探し | 自社のコンセプトや対象顧客にふさわしい立地や物件を選定。物件の契約においては、契約期間や契約満了後の更新ができるかどうか、初期費用、法人登記が禁止されていないか、などについて注意して進める必要がある。 |
| 3.内装工事・設備導入 | 事業者により実績や強み、見積もりが異なるため自社に合った事業者を選定することが重要。場合によっては複数社から見積を取る必要がある。内装工事のスケジュールは遅延も含めて余裕を持っておくことが大切。 |
| 4.登記・手続き・許認可申請 | 会社を設立する場合には、法人設立登記や税務署や自治体、年金事務所などへの手続きを行う。株式会社を設立する場合には、定款作成、公証人の定款認証、出資金の払込、法務局での登記が必要。実印の登録や銀行口座開設、必要に応じて事業計画の策定や許認可申請などを行う。 |
| 5.採用・教育 | 自社の要員を採用し、育成する。ハローワークや求人広告、Web、知人からの紹介などから求める人材の採用を進める。採用・育成には時間がかかるため、余裕を持って進めることが大切。 |
| 6.情報発信 | 店舗の開業に関する情報を発信。住所、営業時間などの連絡先を前もってSNSやホームページ、広告、チラシなどで発信する取り組みなどが想定される。 |
| 7.開業直前 | 設備やICT環境が正常に機能するかを確認。問題点があればオープンまでに改善が必要。複数人での通信や来客など、利用の実態に即してテストを実施する。 |
| 8.開業 | 食材の仕入れや清掃など準備を整え、お客さまを迎える。 |
開業にあたって、事業における専門知識・スキルは前提として必要です。しかし、それ以前に開業における流れやその過程でやるべきこと・必要なことを把握できていないと、開業の段階でつまずきかねません。
※1 ICT:インターネットを活用した情報伝達、処理、共有を可能にする技術の総称。
※上記の開業までの流れは、あくまでも一例です。

ここからは、開業準備の段階で経営者が直面しがちな課題を掘り下げてご紹介していきます。
表でもご紹介したように、開業までには複数のステップがあります。「出店する場所決め」「物件確保」だけではなく、店舗内の設備を整える取り組みも重要です。
店内設備の一例として、厨房機器やインテリアだけでなく、「電話回線の開通」「インターネット接続環境の開通」などの通信インフラがあります。
これらの準備を後回しにすると、開業日までに間に合わなかったり、後から配線のためにレイアウトを変更する必要が出たりと、計画通りに進まない可能性があります。
スムーズな開業のためにも、必要な準備を適切に考え、早めに実行することが大切です。
「最低限準備すべきことはわかったけれど、具体的に何を選べばよいだろう?」と感じる方も多いのではないでしょうか。とくに、通信インフラは深掘りしていくと、以下のような疑問が生じてきます。
こうした疑問が生じた先では、最終的に「どの通信事業者と契約して、どのような設備を揃えるのが適切なのか」という悩みも出てくるでしょう。
通信インフラにおいては、「自社の経営目標や課題」から考えることがポイントです。
たとえば、「少ない人数で効率よく店を運営したい」という目標がある場合、そのための解決策として有効な回線や機器、ツールを選ぶことが重要です。
単に安さや機能だけで選ぶのではなく、「いかにして効率的に店舗運営していくか」という視点を持つことで、本当に必要なものがみえてきます。
通信インフラを整える際、インターネット回線やWi-Fi、業務用のパソコンやスマートフォンを導入するだけでなく、店舗のホームページやSNSを運用することも多いでしょう。
これらのデジタル環境を安全に使うためには、サイバー攻撃や情報漏えいのリスクに注意が必要です。
たとえば、お客さまの予約情報をパソコンで管理している場合、万が一不正アクセスを受けると個人情報が流出し、大きなトラブルに発展する可能性があります。さらに、このような事態は、お客さまからの信頼も失いかねません。
お客さまの信頼を獲得し、長期間にわたって安定した店舗運営を続けるためには、店内の設備一つひとつの安全性を確保することが重要です。
しかし、セキュリティに関する知識やノウハウがないと、何から手をつければよいかわからないと悩んでしまう経営者の方も少なくないでしょう。
ICT環境を整え、維持管理していくことは、多くの店舗にとって大きな課題の一つです。
具体的には、「店舗の代表者が自分一人で準備を進めていると時間が足りない」「開店後にICT関連を管理する人がいない」といった課題が想定されるでしょう。
とくに、ICT関連設備を管理できる人材がいないケースでは、以下のような課題も発生することが考えられます。
ICT関連の準備や管理が不十分なケースでは、開業前の準備だけでなく、日々の店舗運営にも悪影響を及ぼす可能性があります。
開業には多くのハードルがありますが、それを乗り越えられた人には、ある共通点がみられました。
中小企業庁の「2023年版 中小企業白書」によると、「相談できる支援者がいた」ことが、開業の最も大きな決め手となっています。
「相談できる支援者がいた」以外の理由については、30歳代以下では「身につけるべきスキルを習得した」、40歳代以上の各年代では「資金調達の目処が立った」が高くなっています。

ここからは、開業の課題を乗り切る3つのポイントをご紹介します。
開業の成功には、専門家のアドバイスが欠かせません。一人で悩まず、日頃から相談できる支援者を確保することが大切です。
支援者は必ずしも身内や知り合いである必要はなく、全国各地の「商工会」や「よろず支援拠点」などといった中小企業を支援する公的機関も活用できます。このような窓口では、経営に関する専門家が無料で相談に応じてくれます。
経営に関しては「Nにおまかせ!」にも相談できます。「Nにおまかせ!」では、ICT環境整備の支援から、活用サポートまで伴走した支援が可能です。「快適な店内環境を作りたいが、なにが必要かわからない」「デジタルを使って業務効率化していくための支援をしてほしい」などといった、中小企業の相談に乗っています。
開業に関するお悩みは「Nにおまかせ!」
詳しくはこちら飲食店の場合、「調理ができる」「料理・食に関する免許・資格がある」など、業務に関する専門スキルを持っているだけでは、スムーズな開業、そして開業後に経営を維持していくのは簡単ではありません。
開業の準備段階、そして開業後に取り組むべき項目は、以下のようにさまざまです。
やるべきことを具体的にあげていくと、「代表者一人ではやるべきことが多すぎて、そもそも開業が間に合うかが不安」と感じるでしょう。
とくに、小規模事業者にとって、ICT(情報通信技術)は効率的な店舗運営の鍵となります。なぜなら、ICTを活用すれば、限られたリソースでも業務を効率化し、低コストでの事業運営が可能となるからです。
また、ICT技術は、効率的な事業運営だけでなく、新しい働き方やビジネスモデルを生み出す土台となります。人員が限られている小規模事業者こそ、ICTに投資することで、事業をよりスムーズに進めることができるようになるでしょう。
なお、ICT環境の整備については、通信事業者などの専門家に相談してみるのも一つの方法です。導入すべき機器・設備の提案から活用方法、適切な運用に関して、長期的にサポートしてくれる場合もあります。
資金調達の方法を事前に調べておくことも重要です。国や地方自治体が提供する補助金・助成金制度は、開業や事業運営の資金を補う大きな助けとなります。
ICT環境を整える際には、ITツールの導入を支援する中小企業庁の「IT導入補助金」などが活用できます。IT導入補助金では、中小企業・小規模事業者の労働生産性の向上を目的に、デジタル化やDXに向けたITツールの導入を支援する補助を受けることが可能です。
ITツール導入費用の一部を国が負担してくれるため、自己負担を抑えながら必要な設備を整えられます。
このように、開業時に利用できる補助金制度を知ってうまく活用することも大切なポイントです。
※2025年8月時点での情報です。最新の情報は IT導入補助金2025 公式サイトをご確認ください。
「Nにおまかせ!」では、飲食店を開業しようとしている人を含め、中小企業に対してさまざまな支援を行っています。
たとえば「必要経費を抑えて設備を揃える方法」「ICTで業務効率化するノウハウ」「地域での開業に必要な申請や、活用できる補助金制度」など、小規模事業者のさまざまな悩みに寄り添い、解決をサポートしています。
とくに、開業の準備段階ではICT環境の整備をはじめ、取り組むべき項目が多岐にわたり、代表者一人では手が回らないでしょう。ICTについては「どのような機器・設備が必要か」「どの通信事業者と契約すればよいか」など、悩ましいポイントも多いものです。
「Nにおまかせ!」は、開業にあわせてネットワークやICT化を整えることで、効率的な業務運営や、コスト低減も後押します。
まずは以下のページや無料の資料を読んでいただき、お気軽にお問い合わせください。
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詳しくはこちらこれだけは対策しておこう! 開業・移転時に発生する お困りごと対策ガイド
資料ダウンロードはこちらここでは、「Nにおまかせ!」が実際に支援を行った飲食店について2つの事例をご紹介します。
100周年という節目を迎えるにあたって、大規模な店舗改革を実施。そこで課題にあがったのは、決済手段とWi-Fi環境の整備でした。
とくに、Wi-Fi環境の整備にあたっては、駅前という立地柄、不正アクセスなどのセキュリティ面に不安を抱えていました。
ビル全体の建て替えに伴う通信設備の改善という大規模プロジェクトであることからも、NTT東日本という企業としての信頼性の高さと、担当者の寄り添った姿勢が決め手となり、「Nにおまかせ!」にご依頼いただきました。
Wi-Fi環境に関する懸念は24時間監視が可能な「おまかせサイバーみまもり」を導入し、安全なWi-Fi環境の提供を実現。そして、安定した通信回線を整備したことで、キャッシュレス対応が可能となりました。
リニューアル後は若い方や女性客が増え、客単価も総合的にアップし、デジタル改革の効果を実感できています。
今後は集客面でSNS戦略が必要と感じており、「Nにおまかせ!」のWeb集客サービス「Webプロモーション」をはじめとした、NTT東日本のさまざまなサービスにご期待いただいています。
レストラン3店舗、フルーツ店、喫茶店の計5店舗のSNSとWebサイト運用を広報が一人で対応しており、Webマーケティング全般に手が回らず、効果が感じられていませんでした。
そこで、「Nにおまかせ!」のSNS運用・メルマガ・動画制作を代行する「Webプロモーション」をご提案。リソース不足の解消と、プロのデジタルマーケティングの運用支援があり、「ひとり広報」の課題を解消できる点が決め手となり、ご依頼いただきました。
導入後は専任担当者によるSNS運用・分析のトータルサポートや質の高い動画コンテンツ制作、SNSやメルマガといった多様な顧客コミュニケーションに取り組めるようになりました。
広報担当者のプロモーション業務の負担が軽減しただけでなく、専任担当者のノウハウにより、プロモーションの効果も実感できています。
ここでは、飲食店の開業に関してよくある質問をまとめています。
飲食店の開業で考えられるよくある障壁として、以下があげられます。
とくに、「事業に必要な専門知識や、経営に関する知識・ノウハウ不足」や「資金調達の目処がつかない」といった障壁に直面する方は多くみられます。
上記のような障壁を乗り越え、開業に踏み切れた人には「相談できる支援者がいた」という共通点があります。
その他、「経営に関するノウハウ不足を補う」「資金調達について活用可能な手段を十分に調べて実行する」ことも飲食店の開業を成功させる重要なポイントです。
とくに、限られたリソースで効率的に運営するため、ICT(情報通信技術)環境を事業計画の早い段階から取り入れることは成功のための大きな鍵となります。
また、国や自治体の補助金・助成金など、活用できる制度を事前にしっかり調べておくことで資金面での不安を軽減し、開業の準備に集中できるようになるでしょう。
本記事では、飲食店の開業における動向や開業までの流れと想定される障壁、課題を乗り切る3つのポイントなどをご紹介しました。
小規模事業者は開業の準備段階で「どのような準備が必要なのか」「どのような機器・設備を導入すればよいのか」「やるべきことが多くて手が回らない」など、さまざまな障壁に直面する場合があります。
なかでも、デジタル化が必須の現代において、ICT環境の整備は難しいポイントの一つです。
こうした課題を乗り切り、開業を成功させるには「相談できる支援者を確保すること」が鍵となります。
「Nにおまかせ!」は「相談できる支援者」として、飲食店の開業支援から開業後のサポートまで伴走できます。
とくに課題となりやすいネットワークやICT化におけるサポートが充実しており、効率的な業務運営やコスト低減を見据えたICT環境の整備が可能です。
まずは無料でご相談いただけるため、お気軽にお問い合わせください。
監修
税理士法人V-Spiritsグループ代表 税理士・社労士・行政書士・FP
中野 裕哲
起業コンサルタント(R)、経営コンサルタント、税理士、特定社労士、行政書士、CFP(R)。 税理士法人V-Spiritsグループ代表。年間約1000件の起業相談を無料で受託し、起業家や経営者をまるごと支援。経済産業省後援 起業経営支援サイト「DREAM GATE」で12年連続相談数日本一。 著書・監修書に『一日も早く起業したい人がやっておくべきこと・知っておくべきこと』(明日香出版社)など20冊、累計25万部超
V-Spiritsグループ Webサイト