公開日:2025.08.13
この記事で
わかること
目次
資金調達・補助金・コスト軽減についてのお悩みのヒントに!
企業が運転資金を融資で確保する方法について、メリット・デメリットを挙げて紹介します。
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メリット | デメリット | |
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銀行 |
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信用金庫・信用組合 |
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日本政策金融公庫 |
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地方自治体の制度融資 |
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ノンバンク |
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銀行は、企業の資金調達において主要な手段の一つです。銀行融資にはさまざまな種類があり、以下のような方法が利用できます。
銀行融資は金利が低く、長期の返済計画を立てやすいことがメリットです。しかし審査が厳しく、融資の実行までに時間がかかるのがデメリットといえます。
※1 売掛債権:商品やサービスを提供したが、まだ受け取っていない代金など
信用金庫や信用組合は地域密着型の金融機関であり、地元の中小企業や個人事業主に対する融資を積極的に行っています。銀行よりも審査のハードルが低めで、比較的柔軟な対応が期待できます。
ただし、融資限度額が銀行よりも低く、金利がやや高めに設定されるケースが多いのがデメリットです。地域に根差した事業を展開している場合には、有効な資金調達手段となるでしょう。
日本政策金融公庫は政府が出資する金融機関で、中小企業や小規模事業者に融資を行っています。新規事業や小規模事業者向けの融資制度が充実しており、無担保・無保証人での融資が可能なケースもあります。
また、融資実行までのスピードが早い点も大きなメリットです。一方で、銀行や信用金庫などの民間の金融機関と比べて金利が高めです。
地方自治体では、中小企業や個人事業主向けに独自の融資制度を提供しています。この制度では、地方自治体・金融機関・信用保証協会の3者が連携して融資を実施するため、金利が低く、融資を受けられることがメリットです。
ただし、審査に時間がかかることや、自治体ごとに融資条件が異なるため、事前に詳細を確認する必要があります。融資を検討する際は各自治体の公式サイトで最新の情報をチェックし、適用可能な融資制度を探しましょう。
ノンバンクとは、銀行以外の金融機関を指し、消費者金融やクレジットカード会社、信販会社などが該当します。ノンバンクの融資はビジネスローンが中心で、審査が比較的緩く、即日融資に対応しているケースがあるなど、融資実行までが早い点が特徴です。
とくに、急な資金需要に対応しやすいため、運転資金のつなぎ融資として活用しやすいメリットがあります。しかし、銀行融資と比べて金利が高く、長期の借入には向いていません。
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詳しくはこちら運転資金を調達する方法は、融資だけではありません。ここでは、融資以外の選択肢について、メリット・デメリットを含めて解説します。
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メリット | デメリット | |
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ファクタリング |
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クラウドファンディング |
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補助金・助成金 |
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ファクタリングとは、企業が保有する売掛債権をファクタリング会社に買い取ってもらい、早期に現金化する資金調達方法です。売掛金の回収を待つことなく資金を確保できるため、資金繰りの改善に役立ちます。さらに、審査が比較的緩いこともメリットといえます。
一方で、融資と比較すると手数料が高く、売掛債権の一定割合が差し引かれるため、実際に受け取れる金額は少なくなる点に注意が必要です。売掛金の回収が完了した際には、ファクタリング会社に支払いを済ませる必要があるため、長期的な資金繰り計画が大切といえるでしょう。
クラウドファンディングは、インターネットを活用し、不特定多数の支援者から資金を募る方法です。資金調達の目的に応じて「購入型・寄付型・投資型・融資型」の4種類があり、事業の運転資金として活用する場合は「投資型」や「購入型」が選択肢となります。
クラウドファンディングのメリットは、返済不要の資金調達が可能な点に加え、事業の認知度向上や新規顧客の獲得につながる可能性があることです。とくに、新商品・新サービスの開発資金を調達する場合、支援者の反応を通じて市場ニーズを確認できるのも魅力といえます。
ただし、目標金額に到達しなければ資金を受け取れない「All or Nothing型」では、計画通りに資金調達ができないリスクもあります。また、支援者に対するリターンの実施や、プロジェクト終了後の対応などにも労力が必要です。
補助金・助成金は、一定の条件を満たした事業者に対して、国や地方自治体から支給される資金です。新規事業の立ち上げ・設備投資・環境対策・DX(デジタル化)推進など、さまざまな用途に対応する補助金・助成金が用意されています。
大きなメリットは、原則として返済の義務がないことです。融資のように金利が発生することもなく、事業成長のための資金として最大限活用できます。
しかし、申請手続きが複雑であり、採択されるまで時間がかかる点がデメリットといえます。また、補助金は基本的に事業実施後に支給される「後払い」方式が多いため、事前に資金の確保が欠かせません。
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詳しくはこちら運転資金の調達額は、企業の事業規模や業種、資金繰りの状況によって異なります。一般的に、安定した経営を続けるためには、月商の3ヶ月分以上の運転資金を確保するのが望ましいとされています。これは、売上の変動や急な支出に備え、一定の資金余力をもつためです。
運転資金の具体的な計算方法は、以下の式で求められます。
運転資金 = 売掛金 + 棚卸資産 - 買掛金
売掛金が増えるほど入金までの期間が長くなるため、運転資金の必要額も増加します。一方で、買掛金が多い場合は、仕入れ代金の支払いを猶予できるため、必要な運転資金は抑えられる仕組みです。
また、業種によって必要な運転資金の割合も異なります。たとえば、小売業や製造業では棚卸資産の比率が高くなるため、運転資金の必要額も大きくなる傾向があります。一方、IT業などの無形資産を扱う企業では、比較的少額の運転資金で運営可能といえるでしょう。
運転資金の融資を受けるためには、事前準備が重要です。ここでは、融資を受ける際に押さえておくべきポイントを解説します。
融資を申し込む際には、資金の使用目的を具体的に示す必要があります。資金使途が不明瞭な場合、金融機関からの信頼を得られず、審査が厳しくなる可能性があります。
たとえば、「従業員の給与支払い」「仕入れ費用の確保」といったように、明確な項目ごとに必要額を整理しましょう。事業の成長につながる資金調達だとアピールできれば、より好条件での融資が受けられる場合があります。
金融機関は、融資審査の際に事業計画書を参考にし、返済能力を判断します。計画が非現実的だと融資の可否に影響するため、過去の経営実績や収支予測を反映させた、実現可能な事業計画を作成することが重要です。
具体的には、売上見込みや市場の成長性、競争環境を踏まえた計画を示し、安定した収益をどのように確保するかを明確にしましょう。とくに、事業計画と資金使途が一致しているかどうかはポイントになると考えられます。
融資の申し込みには、事業計画書や決算書、納税証明書など、さまざまな書類が必要です。これらに不備があると審査が遅れ、必要な時期に資金を調達できなくなる可能性があります。
とくに、初めて融資を申し込む企業は、必要書類に漏れや誤りがないよう慎重に準備することが大切です。不明点があれば、各金融機関の公式サイトや相談窓口、営業担当に事前に確認しておくとよいでしょう。
運転資金は事業の維持・成長に欠かせないものであり、必要に応じて融資を活用するケースも少なくありません。最後に、企業が運転資金の融資を検討すべき主な場面を紹介します。
取引先との掛取引が一般的な業種では、商品やサービスを提供してから代金を回収するまでに時間がかかることがあります。この期間に手元の資金が不足すると、仕入れや経費の支払いが難しくなるため、つなぎ融資が必要になる場合があります。
売掛金の入金が確定している場合、短期の資金調達手段として融資を活用することで、資金繰りのリスクを軽減できるでしょう。
事業拡大や新規事業を行う際には、多額の運転資金が必要になる場合があります。たとえば、新店舗の開設や人材の採用など、将来的な成長に向けた支出が先行するのが一般的です。
このような場面では「運転資金」として融資を受けることで、事業のスムーズな拡大が期待できます。ただし、借入の際には、成長計画と資金計画を明確にし、返済可能な範囲で資金調達することが重要です。
企業経営には予測が難しい場面も多く、急な資金需要が発生することがあります。たとえば想定外の受注増による追加仕入れ、災害による営業停止などの不測の事態が起きた場合、迅速な運転資金の調達が求められます。
こうした場面に備えて、融資を受けられる手段を確保しておけると、事業継続のリスク管理にもつながるでしょう。
複数の金融機関や貸し手から資金を調達している場合、借入先が分散することで管理が煩雑になり、返済負担が大きくなるケースもあります。そうした場合、一つの融資に借り換えを行うのも有効な方法です。
借入をまとめることで、返済スケジュールの整理と同時に、返済負担の軽減にも期待できます。
事業の継続や成長には、安定した資金繰りが欠かせません。運転資金の融資を受けるには、銀行や信用金庫、日本政策金融公庫、地方自治体の制度融資、ノンバンクなどさまざまな方法があります。融資以外にも、ファクタリングやクラウドファンディング、補助金・助成金といった資金調達の選択肢もあり、自社の状況に応じた手段を選ぶことが大切です。
また、融資を受ける際には、資金の使用目的を明確にし、現実的な事業計画を作成することが重要です。必要書類に不備がないかを事前に確認し、スムーズな融資手続きができるよう準備を整えましょう。
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