失敗しないための
開業の進め方
独立・起業を決意したあと、オフィスや店舗を開業するまでのダンドリを分かりやすく解説!
今回は、人材紹介業を始めるための流れを、予算イメージや注意点・よくある失敗例も含めてまとめました。
更新:2024/8/7
開業時に申請すべき書類や働く環境を構築するのに必要となるサービスについて、重要なポイントをわかりやすくまとめたガイドブックをご紹介します!
開業までの進め方全体像
※ 3ヶ月~8ヶ月で準備されるケースが多いです。
開業に向けた資格・許認可
人材紹介業店の開業においては、必要な手続きが多数存在します。
対応の抜け漏れが無いよう、まずは許認可要件の確認から始めましょう。
以下の書類は、人材紹介業を行う事務所の所在地を管轄する
都道府県労働局へ提出する必要があります。
- 有料職業紹介業許可申請書
- 有料職業紹介計画書
- 届出制手数料届出書
詳細は税理士・社会保険労務士・
行政書士にご相談ください。
開業に向けての想定予算
人材紹介業の
平均的な開業資金
800万円
自己資金500万円+創業融資250万、
開業資金750万程度
規模に応じた開業資金の目安
※ 新たに開業する場合は出資金として最低500万円必要です。
開業資金700~1000万程度で
始める場合
- 専用事務所あり、店舗5~10坪、
家賃10~15万円程度
- 従業員 なし
開業資金1000万以上で
始める場合
- 専用事務所あり、店舗5~10坪、
家賃10~15万円程度
- 従業員 1名
進め方全体像と注意点
押さえるべきポイントやよくある失敗例を確認しましょう。
関連のお役立ちコンテンツもご紹介しています。
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事業計画書と資金計画書を作成し、コンセプト設定や標的顧客、競合分析などを行い、
自社の優位性を明確にします。また準備の抜けや漏れを回避します。
POINT
自社のコンセプトや対象顧客が明確でなければ適切な物件を探すこともできません。
必ず、まず事業計画を考えることから始めましょう。
「事業計画」チェックリスト
- 開業する理由を他人に説明できますか
- 自社のコンセプトは固まりましたか
- セールスポイントはありますか
- 販促・集客方法は考えましたか
- 競合に対する優位性は固まりましたか
- 事業計画書は作成しましたか
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許認可をクリアし、求職者が来社しやすい立地や物件を選びます。
POINT
オフィスを探す際は、どうしても家賃を抑えたくなります。しかし、家賃を重視してしまうと求職者が集まらなかったり、そもそも認可が降りないケースもあります。認可・集客の観点からも物件を正しく選びましょう。
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物件が決まり、図面が出来上がったら、専門の社労士や労働局に要件を事前確認しましょう。
労働局による現地の立会検査があります。
申請の締め日や審査期間は都道府県により異なります。概ね2か月で許可がおります。
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許認可の要件を満たす導線やプライバシーの確保を意識したレイアウト、設備とします。
場合によっては複数社から見積もりを取りましょう。
よくある失敗例1
失敗しないためには…
必要な設備・IT環境の洗い出しと、
早めの手配を行いましょう。
よくある失敗例2
失敗しないためには…
所轄の行政窓口や専門の行政書士に
事前相談を行いましょう。
NTT東日本グループなら電話や光回線からWi-Fi、カメラなど
インターネット環境をまとめて揃えることができます
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5オペレーション/採用・教育
(開業1~2ヶ月前)
スタッフを採用する場合は、2か月前から1か月前を目処に採用し、育成します。
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開業のタイミングに合わせて、告知や宣伝、メディアリリース、
地域住民や近隣店舗への挨拶を行いましょう。
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オープン前後のプロモーションはどちらも重要です。
SNSを活用した集客やホームページの準備をしましょう
開業準備は必要なタイミングで
検討・行動することが重要です
開業時に申請すべき書類や働く環境を構築するのに必要となるサービスについて、重要なポイントをわかりやすくまとめたガイドブックをご紹介します!
先輩経営者の開業体験談
人材紹介業
株式会社WeGlobal
代表取締役 周 如意様
今回インタビューするのは、株式会社WeGlobal代表取締役の周如意(シュウルイ)さんです。周さんは2021年4月に個人事業主として独立開業し、同年11月に法人化をしました。周さんはトリリンガル(日本語・中国語・英語)であることを武器に「日本と中国を世界に繋げ、グローバルに人とビジネスの可能性をアップデートする」をミッションに掲げ、人材紹介業を中心に活動しています。コロナ禍での独立とあって、たくさんの試行錯誤を繰り返したとのことです。そんな周さんに人材紹介業での起業についてお話を伺いました。
コロナ禍での開業でしたが、創業に至るキッカケや動機を教えてください。
私自身は、もともと中国生まれで2007年12歳のときに日本に来日しました。中高大学は日本の国公立に通いましたが、来日当初は日本語も話せなかったのでコミュニケーションを取るのに苦労しました。
実は大学は医学系でした。医学生の大半は研究者になるのが一般的な道で、会社員として就職する方が少数派です。その中で、自分が30歳までに何かしらのビジネスを立ち上げる経験をしたいと漠然と考えていました。家族は会社経営をしているわけではなかったのですが、中国出身の人で日本でビジネスを行っている知人がたくさんいることもあり、起業=リスクがあるとの認識はあまりありませんでした。大きなキッカケになったのは、新型コロナウイルスです。当時はシンガポールの会社で働いていました。コロナ以降、オフィスに行かなくても良くなり、働く環境も世界観も大きく変化していく中で外出もままならない状況で自分と向き合い、私自身の無限の可能性に挑戦したいと決意したと同時に勤務先に退職の旨を伝え日本に帰国しました。
そこから開業にいたるまではどのようなスケジュールでしたか?
帰国してからは開業に向けて準備を始めました。4月に個人事業主の開業届を出したのですが、それまでの3ヶ月間は中野裕哲さん(起業コンサルタント)へ事業プランや事業形態等についての相談を行ったり、当時は周りに経営者の知人がいなかったのでたくさんの人に会いにいきました。また、コロナ禍ということもあり各種SNS(クラブハウス・LinkdIn・Twitter・Instagram・Facebook)を運用し、オンライン上のツールを一通り試しました。
私の場合は3ヶ月間という期間で準備を行いましたが、開業するまでは3~6ヶ月あると余裕を持って準備ができると思います。
開業する中で一番大変だったことを教えてください。
実は、日本で人材紹介業を行うにも関わらず致命的な2つが欠けていました。
①日本で人材紹介業をやったことがない
②東京で仕事をしたことが無かった
まず、日本の動向や需要などについては市場調査を経て理解していましたが、実際にはシンガポールでの経験しかなく日本で人材紹介の仕事をしていないなど、逆境の立場にありました。また、自分が主戦場に選んだ東京ですが、東京で働いたことがないので人脈も無ければ地の利もわからない状況でしたね・・・。ただし、自分自身のバックグラウンドがハマることも想像できたし、可能性の方が強かったと思い当時は行動していましたね。
周さんはどのようにして乗り越えていったのですか?
私は起業当時、会社員としての働き方しか知らなかったので、とにかく何でも試してみて試行錯誤することを心掛けました。当然、成果が出たことも全く出なかったこともたくさんあります。成果が出なかったものを失敗として捉えるのではなく、自分のコンテンツにとって合うことなのか合わないことなのかの判断材料にしたり、ノウハウとして積み重ねていくことを意識しました。なかなか芽が出なくてしんどいときも多々ありましたが、自分で手を動かして成果が上がったときやSNSやHPからの問い合わせがあったときにはものすごくうれしいです。今ではビジネス系SNSのLinkedInのフォロワーが1万人を超えました。
これからあらたに開業する人に気をつけてもらいたいことはありますか?
私の方から皆さんにお伝えしたいことは3つあります。1つめは、自分がやりたいことに対して強い意志がある人は応援されるということです。2つめは、日本は起業のアイデア宝庫であるということです。それぞれのレイヤーの人たちに悩みがたくさんあります。今はなんでも提供できるし起業のハードルも下がっているので挑戦がしやすい環境です。さいごに、起業は想いだけでは成立しないので、専門家のネットワークや相談者を持つことです。困ったときに正確に聞ける環境があるからこそ、難題にも挑戦ができると思います。
みなさんの踏み出す一歩をたのしみにしています。