デジタル化のメリットデメリットを解説|実現する4つの手順

公開日:2024.05.23

デジタル化のメリットデメリットを解説|実現する4つの手順

この記事で
わかること

  • デジタル化と、IT化・DX化との違い
  • デジタル化のメリットとデメリット
  • デジタル化の導入例と進め方

目次

2021年にデジタル庁が作られたことを発端に、国をあげて企業における業務のデジタル化やDXの推進に取り組む意識が高まっています。デジタル化を取り入れることで、業務効率化だけでなく新しいサービスの創出につなげられるのが魅力です。

そこで今回の記事では、デジタル化の概要やメリット・デメリットについて紹介します。企業での導入例や進め方も紹介するので、ぜひ参考にしてください。

1.デジタル化とは?IT化とDX化の違いも解説

デジタル化とは?IT化とDX化の違いも解説

デジタル化とは、従来の方式で行われていた業務をデジタル技術を活用して変えることです。業務をデジタル化することで、手間をかけず効率的に行えるようになります。デジタル化と似た言葉として知られているのが、IT化やDX化です。ここからは、デジタル化の概要と、似ている言葉であるIT化やDX化との違いを紹介します。

デジタル化とは

デジタル化には、以下の2つの意味があります。

  • 従来の業務方式をデジタルを用いて変化させる(デジタイゼーション)
  • デジタル技術を元に新しい価値を創造する(デジタライゼーション)

デジタル化は、DXの推進につながる「デジタイゼーション」として定義されています。企業でデジタル化を進めると、業務効率化や新しいビジネスモデルの創造が可能です。デジタル化による業務効率化には、以下のような例があります。

  • 申請書や企画書など紙でのやり取りを、パソコン上で行えるようになる
  • 契約書への押印を電子契約に変えて、保管・管理しやすくする

デジタル化は、業務効率化だけでなくコスト削減や働きやすい環境づくりにも役立つ手段です。デジタル化の流れは日本だけでなく世界各国で進んでおり、他社や世界との競争力をつけるため、企業はデジタル化に取り組む必要があります。

IT化とDX化の違い

デジタル化と似た言葉にIT化・DX化がありますが、それぞれ以下のような意味の違いがあります。

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種類 意味
デジタル化 紙の書類をデータに変えてパソコンに保管するなど、アナログ業務をデジタルに変えること
IT化 アナログ業務のデジタル化に必要なIT技術で、デジタル化を進める手段の1つ
DX化 デジタル技術によりビジネスモデルを変革する取り組み

IT化は、デジタル化を実現するためインターネットやコンピューターなど、情報技術を活用することを指します。DX化は企業が行う大規模な事業活動であり、デジタル化はDX化の取り組みの1要素とされています。

2.デジタル化のメリット5選

デジタル化のメリット5選

業務にデジタル化を取り入れるメリットは、以下の5点です。

  • 非効率な業務を改善し生産性が向上する
  • 効率的にデータ共有できる
  • デジタル活用により新サービスを創出できる
  • 働き方に多様性が生まれる
  • BCP(事業継続計画)への取り組みを強化できる

デジタル化による業務効率化で、従業員満足度の向上や非常時の事業継続計画への対策も可能です。ここからは、それぞれのメリットについて解説します。

非効率な業務を改善し生産性が向上する

デジタル化による代表的なメリットの1つが業務効率化です。例えば、これまで手作業で行っていた以下のような業務を、デジタル化により自動入力できるようになります。

  • 伝票入力
  • 精算
  • 勤怠データの集計 など

非効率だった業務をデジタル化で改善できるだけでなく、手入力によるミスや業務の属人化を防ぐことも可能です。業務効率化により空いた時間を別の業務に充てられるようになり、生産性の向上にもつながります。

効率的にデータ共有できる

社内で扱う情報をデジタル化することで、データ共有が効率化できます。これまでは部署ごとに情報を蓄積・管理しており、他部署から情報を取得することが困難でした。紙の資料で保管していた情報をデータ化し情報を一元管理できるようになれば、必要なときに情報をスムーズに取得できるでしょう。

また、ビジネスチャットによりデータだけでなくタスク管理もできるようになれば、部署間でのプロジェクトの進捗状況が確認しやすくなります。社員育成や引継ぎの場面では、各社員が持つ知識やスキルをデジタル化で共有し学習できるようになれば、業務の標準化にもつながります。

デジタル活用により新サービスを創出できる

デジタル化では、従来の業務を効率化するだけでなく、デジタル活用を前提としたビジネスやサービスを企画することも可能です。例えば、以下のような例があげられます。

  • データ化した書籍を電子書籍として販売する
  • クラウドを活用した動画共有プラットフォームを企画する

これまで紙の冊子で消費者に向けて配布していたカタログをデジタルカタログにすることで、営業活動を効率化することも可能です。他にもAIやVR、AR(※)などデジタル技術を活用して、これまでにないサービスを創出できるでしょう。

※・VR(Virtual Reality)とは、一般的に「仮想現実」と言われ、ユーザーの世界を仮想的な世界に置き換える技術。身近な例:住宅のVR内見
・AR(Augmented Reality)とは、一般的に「拡張現実」と言われ、シミュレーションした環境で現実の環境を拡張する技術。身近な例:ARによる試着体験

働き方に多様性が生まれる

デジタル化により、オフィスでの勤務にとらわれない働き方ができるようになります。社員の勤務スタイルが自由に選択できるようになり、働き方に多様性が生まれます。これまでオフィスや取引先で行われていた会議や商談をオンライン化することで、テレワークでの勤務が可能です。

会社へ出社しなくてよい働き方ができれば、育児や介護などの事情で自宅を離れられない社員も勤務できます。出社できない事情がある社員の離職を防ぐことができ、採用・教育コストが軽減できます。満員電車での通勤によるストレスや通勤時間がなくなるため、社員の満足度向上にもつながるでしょう。

BCP(事業継続計画)への取り組みを強化できる

BCPとは、事業継続計画(Business Continuity Planning)の略です。BCP(事業継続計画)は、地震や洪水など大規模な自然災害やテロが起きても、企業の活動を継続できるようにする取り組みです。

デジタル化の導入により、オフィスが被害にあったとしても社外から業務が継続できます。また、事業を続ける上で重要なデータをクラウド上で管理することで、災害などによるデータの消失を防ぎます。

3.デジタル化のデメリット2選

デジタル化のデメリット2選

業務効率化や新規ビジネスの創出などのメリットがあるデジタル化ですが、以下のようなデメリットもあります。

  • 情報セキュリティ対策が必要になる
  • システム導入にコストがかかる

デジタル化を導入する際は、メリットだけでなくデメリットも踏まえて考えることが重要です。デメリットを回避できる対策を取った上で導入すると、デジタル化が実現しやすくなるでしょう。

情報セキュリティ対策が必要になる

企業のデータをクラウド上に保管することで、情報の流出や改ざん・紛失などのリスクがあります。そのため、デジタル化した情報を第三者からのアクセスや紛失から守るには、情報セキュリティ対策を強化する必要があります。

また社員全員がデータにアクセスできるようになると、ミスにより情報が失われることや内容が変わってしまう場合があるかもしれません。企業で管理するデータを守るため、アクセスできる社員を限定するなどの対策が必要です。多くのデジタル化ツールは情報セキュリティ対策が整っていますが、導入する際は事前に確認しておくと安心です。

システム導入にコストがかかる

デジタル化を推進するためシステムやツールを導入すると、以下の費用がかかります。

  • 導入コスト
  • 運用コスト
  • レンタル・リース費用

システムを導入する際は、利用する目的を見極め自社の予算に合わせた仕様を選ぶ必要があります。導入費用はかかりますが、デジタル化が実現すれば業務効率化や生産性向上により、企業全体のコストを抑えることが可能です。

また、デジタル化システムを最大限に活用するなら、現場の社員が使いやすいシステムを選ぶことも重要です。ベンダーによっては無料試用期間などを設けている場合もあるため、実際に使ってみてから本格的に運用を開始することをおすすめします。

4.デジタル化の導入例

デジタル化の導入例

ここからは、他の企業におけるデジタル化の導入例を見ていきましょう。

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デジタル化の種類 効率化できた点
契約・申請・請求書など帳票業務
  • ワークフローシステムの導入により、契約書や申請書を電子化した。
  • 申請から承認までの流れをシステム上で完結できる。
  • 契約や申請にかかる手間と時間を軽減できる。
勤怠管理
  • タイムカードでの勤怠管理をデジタル化することで、社員の時間を正確に記録できる。
  • 集計作業の自動化により、手作業による人的ミスを減らせる。
  • 勤怠管理システムで残業や休暇申請すると、速やかに対応できる。
お客さま対応
  • 電話対応をチャットボット、AIの自動応答に切り替えると、オペレータの作業負担を軽減できる。
  • 顧客データ・購買データを取得して分析できる。
  • 顧客に合わせた商品やサービスを提案できる。
プロジェクト管理
  • クラウド上にプロジェクトに関するデータや情報を管理し、チーム全体の社員が同時にアクセスできるようにする。
  • プロジェクトメンバーの進捗状況が確認しやすい。
  • リマインダー機能やタスク機能で、業務漏れや負荷の偏りをチェックできる。

さまざまな企業でデジタル化が進められ、業務効率化に活用されています。ここで紹介した事例を参考に、自社への取り組みに生かしましょう。

5.デジタル化を実現する4つの手順

デジタル化を実現する4つの手順

デジタル化をスムーズに実現するには、正しい手順で行うことが大切です。ここからは、業務のデジタル化を進める際の手順を紹介します。

  • 課題の洗い出し
  • デジタル化の必要性と優先順位の決定
  • 手段の検討と実行
  • 効果の検証と改善

自社のデジタル化推進を検討している方には、どのような手順で進めるか迷っている方やスムーズに進まずに悩んでいる方がいるかもしれません。デジタル化についてお悩みの方は、「Nにおまかせ!」にご相談ください。デジタルの土台となる通信の専門家が、お客さまのお悩みを解決するお手伝いをいたします。

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課題の洗い出し

まずは、現場の業務にどのような課題があるか確認しましょう。課題を明らかにするには、現場社員から非効率になっている業務をヒアリングします。また、業務を効率的に進めるにはどうすれば良いか要求を聞き出し、デジタル化で実現可能か精査した上で目標を設定します。

目標は漠然とした内容ではなく「生産性20%向上を目指す」など、具体的な数値で設定すると効果測定がし易くなります。課題と実現したい目標を明確にすることで、目的に合うツールやシステムが導入しやすくなるでしょう。

デジタル化の必要性と優先順位の決定

自社の課題をデジタル化で解決できるか検討し、可能・不可能なものに分けます。例えば、お客さま対応において、商品やサービスに関する簡単な問い合わせはチャットボットの導入で効率化できますが、クレーム対応は人が丁寧に対応したほうがよいでしょう。

デジタル化で解決できる課題を絞り込んだら、緊急度や重要度を検討し優先順位を決めます。優先順位の判断は、デジタル化により「どれだけの効率化が実現できるか」の度合いや、予算内のコストで実現できるかを基準にします。

手段の検討と実行

デジタル化で解決できる課題を洗い出し、取り組むべき優先順位が決まったら、目的を実現する方法を決めます。紙の書類をデータ化するだけであれば、スキャナーでの取り込みやエクセルでの作成で実現するため、特別なツールは必要ありません。一方でデジタル化した情報をパソコン上だけでなくクラウドで共有する場合は、ツールを活用する必要があります。

ツールを選ぶ場合は、現場の社員が使いやすく特別な知識が必要ないシステムを選ぶことが大切です。操作性や情報セキュリティ対策、社内の既存システムとの連携を考慮し、企業に合うシステムを選びましょう。

効果の検証と改善

ツールを導入したあとは、効果検証を行いましょう。デジタル化に取り組む際に定めた目標が、ツールの導入によりクリアされているか検証します。デジタル化のためにツールを導入しても、従業員の業務の負担が減らないなど効果が見られないなら、進め方に問題があるのかもしれません。業務効率化を妨げる問題点を検討し、改善しながら運用します。

  • 運用
  • 効果の検証
  • 改善

このサイクルを回しながら運用を進めることで、デジタル化が実現します。

6.デジタル化の進め方に迷っている企業は「Nにおまかせ!」にご相談ください

デジタル化の進め方に迷っている企業は「Nにおまかせ!」にご相談ください

「業務量が多く社員の負担が大きい」「デジタル化を進めたいが何から手を付ければよいか分からない」という場合は、「Nにおまかせ!」にご相談ください。インターネットが普及している現代では、商売に必要なあらゆるツールが通信でつながっています。

企業が抱えるデジタル化への課題に寄り添い、課題を解決するための方法をアドバイスします。また、デジタル化に向けた業務見直しに向け、現状を把握し次に向けた行動を見える化できる「Nにおまかせ!」の「デジタル化スタート診断」もご利用いただけますので、お気軽にお問い合わせください。

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7.まとめ

まとめ

デジタル化とは、従来の業務手段をデジタル技術を使って変革することです。デジタル化を進めることで、データ活用を可能にし、新しいビジネスモデルの創造や業務を効率化できるようになります。デジタル化には、以下のようなメリットがあります。

  • 業務効率化による生産性向上
  • 効率的なデータ共有
  • 新規サービスの創出
  • 多様な働き方の実現
  • BCP(事業継続計画)への取り組み強化

デジタル化をスムーズに進めるためには、正しい手順を踏むことが大切です。デジタル化にツールを導入する際は、実際に使う社員が使いやすく課題を解決するのに役立つツールを選びます。自社のデジタル化推進についてお悩みの方は、「Nにおまかせ!」にご相談ください。

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監修

税理士法人V-Spiritsグループ代表 税理士・社労士・行政書士・FP

中野 裕哲

起業コンサルタント(R)、経営コンサルタント、税理士、特定社労士、行政書士、CFP(R)。 税理士法人V-Spiritsグループ代表。年間約1000件の起業相談を無料で受託し、起業家や経営者をまるごと支援。経済産業省後援 起業経営支援サイト「DREAM GATE」で12年連続相談数日本一。 著書・監修書に『一日も早く起業したい人がやっておくべきこと・知っておくべきこと』(明日香出版社)など20冊、累計25万部超

V-Spiritsグループ Webサイト
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