公開日:2024.09.25
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目次
ITアウトソーシングとは、IT関連の業務を外部の企業に委託することです。ITアウトソーシングを行うことでIT人材不足を解消し、コスト削減も期待できます。この記事では、主に中小企業のご担当者向けに、ITアウトソーシングに委託できる業務内容やサービスの種類、求められる理由、メリット・デメリット、導入の流れをご紹介します。
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資料をダウンロードする(無料)ITアウトソーシングとは、IT分野で発生する業務を外部の企業に委託することです。
そもそも「アウトソーシング」という言葉には、「外部委託」という意味があります。
昨今では業務のデジタル化が進み、システムの開発・運用、DX推進にともなうクラウドサービス運用、社内外からの問い合わせ対応、トラブル発生時の対応など、IT担当者の負荷は大きくなっています。
そこで、IT担当者の負荷を軽減し、できる限り迅速にトラブルに対処し解決するために、ITアウトソーシングの利用に注目が集まっているのです。
次の表は、ITアウトソーシングで委託できる業務内容の一例です。
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ITアウトソーシングで委託できる業務内容の例 | |
---|---|
ヘルプデスク |
<問い合わせの例> 製品の使い方、システム障害発生時の対応方法など |
IT資産管理 |
<社内のIT資産の例> パソコン、社内サーバー、モバイル機器、複合機など |
クラウドサービスの管理 |
<保守管理の例> ほかのクラウドサービスとのデータ連携、利用開始後のセキュリティ監視など |
システム開発・ 保守 |
<システムの例> 給与計算、アンケート自動集計などの小規模な業務用システム |
なお、外部委託先によって依頼できる業務内容や範囲が異なります。アウトソーシングを検討している業務に関して、外部委託先が対応可能かどうかをまずは問い合わせてみましょう。
ITアウトソーシングには、フルアウトソーシング、運用アウトソーシング、ヘルプデスクなどさまざまな種類のサービスがあります。それぞれに業務内容や対応範囲が異なるので、違いを確認したうえで自社に適したサービスを選定しましょう。
フルアウトソーシングでは、IT分野の業務をすべて外部委託することが可能です。
「IT技術を活用して、自社は何に取り組むべきだろうか?」といった企画段階から、開発・運用まで外部委託先に任せられる場合があります。また、「企画は自社で行って、開発・運用は外部委託先に頼みたい」という役割分担も可能です。
自社の従業員のIT分野の業務負荷を大幅に低減でき、採用コストも大きくカットできるでしょう。ただし、外部委託する業務範囲が大きい分、アウトソーシングにかかる費用が高額になる場合もあります。
運用アウトソーシングとは、既に自社で導入済みのシステムやサーバーについて、導入後の運用保守だけを外部委託することです。
具体的には、以下のケースなどが考えられます。
ヘルプデスクとは、問い合わせ窓口の対応だけを外部委託することです。
ヘルプデスクには、社外ヘルプデスクと社内ヘルプデスクの2種類があります。
たとえば、自社の窓口に電話やメール、チャットで顧客からの問い合わせやクレームが大量に寄せられ、従業員の業務負荷が高く困っている場合、社外ヘルプデスク業務を外部委託することが可能です。
また、IT部門に従業員から毎日多数の問い合わせが寄せられ、人手不足で困っている場合には、社内ヘルプデスクも外部委託できます。
常駐サービスとは、外部委託先のスタッフが自社内に常駐し、毎日の業務に対するサポートを提供してくれることです。
たとえばシステム開発・運用・保守などに関して「外部人材に頼りたい」「知見を提供してほしい」場合、社内で質問をして助けを得ることが可能になります。
また外部委託先によっては、その場で質問に答えてサポートするだけにとどまらず、システム運用に関するコンサルテーションを提供してくれる場合もあります。この場合、社内にITに関する専門知識が蓄積されていくメリットがあります。
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ここからは、ITアウトソーシングが求められる理由を見てみましょう。
IT関連業務を担当する、情報システム部門に所属する人数は、中小企業など従業員規模が比較的小さい企業においては少数になる傾向です。場合によっては、1人で会社全体のIT関連業務を引き受けている状況も見られます。
また、ITへの期待や需要が高まり、市場規模は拡大しているにもかかわらず、それを担うIT人材不足が深刻化しています。経済産業省は、2030年には最大約79万人ものIT人材が不足すると推計しています。
人材不足が深刻化した状況では、企業のIT担当者への負荷が大きく、社内からのサポートの要望へ十分に対応できないと考えられます。
そのような場面では、ITアウトソーシングの活用が欠かせないといえます。
参考:「経済産業省|IT人材の最新動向と将来推計に関する調査結果」
(https://www.meti.go.jp/shingikai/economy/daiyoji_sangyo_skill/pdf/001_s02_00.pdf)
DXへの需要が高まっている点も、ITアウトソーシングが求められる理由の一つです。
DXとは「デジタルトランスフォーメーション」の略で、ITを活用しながらビジネスモデルの刷新や、ビジネスの新たな価値を創造する取り組みを指します。
経済産業省の「DXレポート」では、企業が2025年までに既存のシステム刷新を行わず、さらには十分なデータ活用にも踏み切れずDXを実現できなかった場合、日本国内において年間で最大12兆円の経済損失が生じる可能性があると報告されています。
DXの取り組みとして、ITツールの導入やデータ活用が不可欠ですが、先述のようにIT人材は不足しているため、ITアウトソーシングに注目が集まっているのです。
参考:「経済産業省|DXレポート」
(https://www.meti.go.jp/shingikai/mono_info_service/digital_transformation/pdf/20180907_03.pdf)
ここからは、中小企業がITアウトソーシングを利用するメリットを紹介します。
ITアウトソーシングのメリットとして、コストを抑えやすい点が挙げられます。
IT担当者の業務負担を軽減しようとするとき、アウトソーシング以外には次のような選択肢が考えられます。
コスト面でこれらを比較すると、次表のようにまとめることができます。
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人材確保の方法 | コスト |
---|---|
アウトソーシング | 実働時間に対して費用が発生するため、余計なコストが発生しない |
人材派遣 | 待機時間も労働時間扱いとなり、高コストになりやすい |
一般採用 | 実働時間に対して費用が発生するほか、社会保険や福利厚生費など、社員雇用における経費も必要となる |
業務委託 | 契約に対して費用が発生し、成果物の数が多ければコストが高くなる |
ただし、アウトソーシングを利用する場合でも、本来は必要のない業務まで含めて依頼してしまうと、余計なコストが発生してしまうことになります。そのため、依頼時に業務範囲や内容をしっかりと確認することが重要です。
ITアウトソーシングの活用によって、業務過多や人手不足が解消され、従業員はコア業務に集中できるようになります。
中小企業など企業規模が小さい場合、少ない人数でIT業務を担当していることがあります。なかには、ひとりで情報システム部門の役割を担っているケースや、総務部の担当者が兼任しているケースも見られます。
IT業務をアウトソーシングすることで、IT担当者はDX推進などのより重要な業務に、総務部は本来の業務に集中できるようになるでしょう。
ITアウトソーシングの活用では、IT分野に精通したプロに業務を任せられる点もメリットです。
テクノロジーやITのトレンドは変化のスピードが速く、自社だけでは情報を追いかけ続けることが困難で、対応できないケースも想定されます。
しかし、ITの専門家に依頼できれば、新しいテクノロジーや法令対応などを、自社の業務システムなどに迅速に取り込みやすくなるでしょう。
続いて、ITアウトソーシングを利用するデメリットや注意点について解説します。
ITアウトソーシングを利用する場合、外部委託先に自社のIT業務内容を任せることになります。この場合、情報漏えいなどセキュリティ面でのリスクが想定されます。
外部委託先企業のセキュリティ環境や体制を発注前にしっかりと確認し、安全かどうかを確認することが重要です。
IT業務を外部委託する場合、自社にIT関連のノウハウが蓄積されない可能性がある点もデメリットの一つだといえます。
たとえばフルアウトソーシングのように、システムの企画・開発、運用まですべてを外部委託する場合、自社のIT担当者のスキルアップにはつながりにくいでしょう。
外部委託先から自社に対してノウハウやスキルなど、情報共有の仕組みがあるかどうか、発注前に確認しておくのもおすすめです。
ここからは、ITアウトソーシングを導入する場合の流れについて紹介します。
まず、ITアウトソーシングに外部委託する業務内容と範囲を明確にしましょう。
「依頼を通して自社は何を達成したいのか」という目的を明らかにしておくことも重要です。あらかじめゴールを明確にしておくことで、導入・進行がスムーズになります。
次に、アウトソーシング先を選定しましょう。
ITアウトソーシングには専門的なスキルが求められるため、ITに特化した外部委託先が望ましいといえます。アウトソーシング先を選定する際は、以下のポイントをチェックしましょう。
そのうえで、検討した相手先企業に対し、実際に問い合わせをしてみましょう。業務の対応可否、全体の流れなどを具体的に打ち合わせして、実際に外部委託するかどうかを検討します。
アウトソーシング先との契約後、外部委託する業務の工程や、概算の稼働時間などを確認し、サービスの利用を開始します。
業務内容や対応方法、各種ITツールやシステムの使い方などについて自社から外部委託先に対してレクチャーを実施し、業務スタートとなります。
一定期間の経過後、外部委託先から納品された成果物の品質を評価し、契約条件を満たしているかどうかを確認します。必要であればフィードバックを行い、改善活動に取り組みます。
本記事では、ITアウトソーシングサービスを利用するメリット・デメリットなどについて解説しました。
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