公開日:2024.06.17
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近年、企業規模に関わらず、DX化への対応が求められています。しかし、中小企業の担当者の中には、DX化をどのように進めるべきか悩んでいる方も多いでしょう。
そこで今回の記事では、中小企業のDX化についてメリットや進め方を解説します。中小企業におけるDX化の必要性や成功させるためのポイントを理解できる内容となっていますので、担当者の方々はぜひ参考にしてください。
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資料をダウンロードする(無料)DX化とは、データやデジタル技術を活用した変革を意味する言葉です。この章では、DX化の意味と中小企業にも求められるようになった背景を解説します。DX化の必要性が理解できる内容になっているので、ぜひご覧ください。
DX(デジタルトランスフォーメーション:Digital Transformation)とは、2004年にエリック・ストルターマン氏によって提唱された言葉で、「デジタル技術が人々の生活をより良く変えること」を意味します。元々は私生活を含めた社会全体に当てた言葉でしたが、現在はビジネスの文脈で使用されています。
DX化は、データとデジタル技術を活用し、経営戦略の実行速度と業務効率を高めて競争上の優位性を確立する取り組みです。日本においては、2018年12月に経済産業省が「産業界におけるデジタルトランスフォーメーションの推進」を発表し、DX化を積極的に推進しています。
DX化が注目されるようになったきっかけは、2018年に経済産業省がDXレポート~ITシステム「2025年の崖」の克服とDXの本格的な展開~を発表したためです。このレポートでは、老朽化やブラックボックス化したシステムの使用が2025年までに最大で年間12兆円の経済的損失を招く可能性が指摘されました。
当初は大企業中心にDX化が進みましたが、今や業務のデジタル化が常識となり、すべての企業で対応が求められています。特に中小企業においては、深刻化する人材不足に対応するためDX化が欠かせません。さらに、取引先のデジタル化(電子契約など)への対応や業務の細分化による時間的・人的コストの軽減のためにも、DX化が必要とされています。
中小企業がDX化を進めることで、業務効率化や生産性の向上、人材確保が容易になるなど多くのメリットがあります。この章では中小企業がDX化するメリットについて解説するので、担当者の方は、「DX化によって自社のどのような点が改善できるのか」イメージしながらお読みください。
DX化による新システムの導入は、業務の自動化や可視化を実現し、無駄な作業の削減につながります。例えば、事務部門のDX化により定型業務を自動化することが可能となり、手作業の必要性が大幅に減少します。中小企業は特に深刻な人手不足に直面している場合が多く、DX化は従業員の負担を軽減し、離職率の低減も期待できます。
定型業務の自動化は業務の精度を向上させ、人手が少なくても品質を維持することが可能です。従業員は他の利益を生む業務に集中できるようになるため、生産性の向上にも寄与します。
DX化によるビジネスプロセスの変革が進めば、柔軟な働き方が可能になり、人材の確保がしやすくなります。特にZ世代やミレニアル世代にとっては、企業のDX化の進行度が就職や退職の重要な判断材料となる傾向があります。
少子高齢化が進む現代では、若手人材の確保と定着が必要不可欠です。特に中小企業では人材不足と従業員の高齢化が深刻な問題となっています。そのため、DX化を進め、人材を確保しましょう。
業務効率化や生産性向上、人材確保などに課題をお持ちで、解決の方向性やツールを見つけられていない中小企業の方には、「Nにおまかせ!」の「デジタル化コンディション診断」がおすすめです。興味のある方は、ぜひ以下のリンクからお試しください。
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詳しくはこちら日本のように災害が多い国では、企業のBCP対策(事業継続計画)が欠かせません。BCP対策とは、自然災害(台風、地震、土砂災害など)、火事、新たなウイルスの蔓延など、さまざまなリスクが発生した場合にもサービス提供を継続できるよう準備をすることです。
実際、2020年以降、新型コロナウイルスの影響や人材不足で多くの中小企業が経営難に直面しています。DX化による業務自動化を進めることで、少ない人数でも効率的にサービスを提供できるようになります。また、オンラインでの情報確認や連絡が可能になるため、迅速に事業を再開できるようになります。
DX化の主な目的の一つは、新たなビジネスモデルを構築し、競争優位性を保つことです。中小企業でも新たなシステムを導入すれば、新しいサービスの開発や顧客体験の創造など、事業を拡大できる可能性があります。
例えば、Eコマースを導入することで、実店舗に来店できない顧客にもリーチできます。このように新しいシステムを利用することにより、中小企業でも優れたビジネスモデルを構築しやすくなります。
中小企業がDX化を進めるときには「身近なところから取り入れる」「経営者層がリードして進める」などいくつかポイントがあります。この章では、中小企業がDX化するときのポイントを解説します。これからDX化を進める中小企業の担当者の方は、ぜひ参考にしてください。
DX化を進める際に一気に全業務のデジタル化を目指す企業もありますが、急いでゴールを目指すと失敗のリスクが高まります。まずは負担の少ない事務業務から順に取り組むことで、従業員のストレスを最小限に抑えながらDX化を進めることができます。身近なところから始めてノウハウを蓄積し、徐々に対象範囲を拡大していくことが効果的です。
DX化は、担当者だけでなく経営層が積極的にリードすることが重要です。経営層が関与せず全てを担当者に委ねると、従業員の意欲が高まりにくくなります。
中小企業は大企業と比べて経営者層の判断で、スピーディーにDX化に取り組むことが可能です。中小企業ならではの強みを活かしながら、うまく社内外の関係者を巻き込みスムーズに進めていきましょう。
DX化を進める際には、その目的を明確にすることが非常に重要です。目的が不明確だと、DXそのものが目的になってしまうという誤解を社員に与えかねません。
中小企業では、DX化の必要性やDX化自体の意味を理解していない従業員が多いことがあります。従業員全員の協力を得るためにも、「DX化によって業務がどのように改善されるか」を明確にし、それをしっかりと周知することが重要です。
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詳しくはこちらDX化に取り組んでも、すぐに結果が得られるわけではありません。中小企業の中には、短期で効果が期待できないものに対して予算を確保することが難しいケースがあります。しかし、中長期的な視点で経営ビジョンの策定やデジタル人材の確保・育成などを行い、コストと時間をかけてDX化を進めることが大切です。
DX化を進める際には、ビジョン戦略、推進体制、IT基盤の構築など必要な要素の現状把握が不可欠です。まだこれらの準備が整っていない場合には、「Nにおまかせ!」の「デジタル化スタート診断」をおすすめします。中小企業の担当者の方は、以下のリンクから自社の状況を把握し、デジタル化の推進に役立ててください。
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詳しくはこちら実際にDX化を進めて成功した中小企業は、どのように取り組んだのでしょうか。この章では、中小企業がDX化した成功事例を紹介します。DX化を推進する際の参考にしてください。
従業員が約100名のシステム開発会社は、ソフトウェアの開発と販売を行っています。RPA(Robotic Process Automation)※の活用により単純作業の効率化と省人化を実現し、デジタルツールを使った案件管理も導入して業務効率を向上させました。
DX化が成功した主要な理由は、経営者がリーダーシップを取り、適切に予算を確保していたことです。また、新たなシステムの導入に留まらず、デジタル人材の育成にも力を注ぎ、外部研修を実施していました。この外部研修で得られたノウハウは、ソフトウェア販売と組み合わせたDX化支援サービスの提供に活かされています。
※RPAとは、ソフトウェアロボットを使用して、人間が行うルーティンワークや繰り返し作業を自動化する技術。
たれやスープを製造している企業は、2021年にすべての人や地域の食の施設、企業のハブになることをめざしてDX拠点を建設しました。DX拠点には、料理教室や試食会ができるセントラルキッチンや動画配信に対応したオープンキッチン、スタジオなど最先端の施設が完備されています。
また、VR/ARやデジタルサイネージ、照明調色システムSyncaなど五感を刺激するデジタル技術を活用し、オンラインでの情報発信を支援し新たな顧客の獲得を行っています。
DX化を進めるときに、いきなりシステムを導入しても上手くいかない可能性が高いです。まずは、今後のビジョンの明確化や必要な人材の確保などが必要です。この章ではDX化の適切な進め方について詳しく解説します。これからDX化を始める中小企業の方は参考にしてください。
DX化を進める際は、まず経営層が中心となって将来のビジョンを策定することが重要です。従業員の業務や働き方、取引先との関係がどのように改善されるのかについて具体的なビジョンを提示しましょう。DX化の成功には従業員の協力が不可欠ですから、明確なビジョンを社内全体に共有し、理解と共感を得るために十分な説明が必要です。
ビジョンを策定した後は、ITやデジタル化に精通した人材の確保と、新たに導入するシステムやツールを選定します。このとき、自社の課題解決やビジョン達成に必要な機能を備えたシステムやツールを選ぶことが重要です。もし社内にデジタル人材が不足している場合や必要なノウハウがない場合は、コンサルタントや支援サービスを活用することをおすすめします。
新たなシステムやツールを導入したら、実際に業務のデジタル化を段階的に進めます。デジタル化には業務の流れを変更したり、新しいシステムの操作を学んだりする必要があり、初期段階では効率が一時的に落ちることがあります。そのため、影響が少ない業務から順に実施することが望ましいです。また、従業員が慣れない作業に直面した際の負担を軽減するため、充実したサポート体制を整えてから進めることを推奨します。
もしどこからデジタル化を進めればよいのか悩んでいる方は、「Nにおまかせ!」の「デジタル化スタート診断」がおすすめです。診断結果をもとに現状を把握し、業務単位でデジタル化を進めて行きましょう。
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詳しくはこちら業務のデジタル化をした後は、定期的に見直して課題点があれば改善していくことが大切です。従業員の意見を聞いたり課題点を解決したりして、さらなる業務効率化をめざしましょう。また、取引先やお客さまの声を集めて、サービス改善に努めていくことも重要です。
DX化とは、デジタル技術を活用して経営戦略の実行を加速し、業務効率を向上させ、市場競争での優位性を確立することです。今、社会全体でDX化が推進されており、中小企業もその対応が求められています。
DX化を進めることで、業務効率化と生産性が向上し、人材の確保がしやすくなるため、中小企業が抱える人材不足の問題解決に寄与する可能性があります。DX化を進める際は、すぐにシステムを導入するのではなく、明確なビジョンの設定やデジタル人材の確保から始めましょう。
もしDX化を進めるにあたって、必要な「ビジョン戦略の策定」・「推進体制の構築」・「IT基盤の構築」の現状把握がまだできていない場合は、「Nにおまかせ!」の「デジタル化スタート診断」がおすすめです。これからDX化を進める中小企業の方は、ぜひ以下のリンクからお試しください。
監修
税理士法人V-Spiritsグループ代表 税理士・社労士・行政書士・FP
中野 裕哲
起業コンサルタント(R)、経営コンサルタント、税理士、特定社労士、行政書士、CFP(R)。 税理士法人V-Spiritsグループ代表。年間約1000件の起業相談を無料で受託し、起業家や経営者をまるごと支援。経済産業省後援 起業経営支援サイト「DREAM GATE」で12年連続相談数日本一。 著書・監修書に『一日も早く起業したい人がやっておくべきこと・知っておくべきこと』(明日香出版社)など20冊、累計25万部超
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