光回線の工事とは?費用や流れ、作業内容、工事時間などを詳しく解説

公開日:2021.11.26

光回線の工事とは?費用や流れ、作業内容、工事時間などを詳しく解説

この記事で
わかること

  • 光回線工事の基本内容と立ち会いの必要性
  • 工事の流れと注意点
  • 光回線工事の所要日数

目次

光回線の工事には、立ち会いが必要なケースと不要なケースがあり、契約する回線の種類や住んでいる環境によって異なります。また、工事には一定の期間がかかるため、引っ越しや新規契約を検討している場合は早めの準備が重要です。

本記事では、光回線工事の必要性や流れ、費用、そして申し込みから利用開始までをスムーズに進めるために、押さえておきたいポイントを詳しく解説します。快適なインターネット環境を整えるために、ぜひ参考にしてください。

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光回線の工事とは?

インターネットを利用する際、スマートフォンはそのまま利用できますが、なぜ光回線は工事が必要なのでしょうか。

スマートフォンの無線通信とは異なり、光回線は有線でケーブルを利用するので、住宅、オフィスなどの近くの電柱から引き込み開通させる工事が必要です。

光回線は電波を受信しての通信を行いません。工事が必要となるのは、固定電話を利用するときの電話線と同じように回線を利用するためです。

ただし、住宅や事務所の近くに電柱のないケースや、光回線のエリア対象外のケース、また建物の構造上回線が通せないといったケースでは光回線の工事ができないため、光回線も利用できません。

光回線が利用可能かどうかは、サービスの申し込み時や工事日を申請する際に確認しましょう。

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光回線工事が必要か不要かの判断基準

光回線の工事が必要なケースと不要なケースの違いについて解説します。光回線工事には、作業員が自宅に来て工事する「派遣工事」と、作業員が派遣されない「無派遣工事」の2つがあります。無派遣工事とは、作業員が自宅へ訪問することなく、設定や遠隔操作のみで光回線を開通させる工事です。無派遣工事の場合、配線の接続や初期設定などは、自分で行わなければなりません。ただし、あくまでも一般的な基準に過ぎないため、実際の工事要否は事業者に判断してもらいましょう。

立ち会い工事が必要なケース(派遣工事)

一般的に、以下の場合では工事が必要になります。

  • 利用したことがない光回線を導入する場合
  • 新築物件に初めてインターネット回線を開通させる場合
  • マンションの部屋まで光回線が引かれていない場合

住宅の中に、光ファイバーケーブルの引き込みがされていない場合や、室内に光コンセントの設置がない場合などでは立ち会いでの工事が必要です。

光ファイバーケーブルが引き込まれていないケースは、新築の戸建ての場合などが該当します。集合住宅の場合は、すでに光ファイバーケーブルが引き込まれているケースもありますが、入居部屋ごとに光コンセントが設置されていない場合は工事が必要です。

立ち会い工事が不要なケース(無派遣工事)

住宅の中に光ファイバーケーブルが引き込まれていて、光コンセントが設置済みの場合は工事が不要です。また、集合住宅などで前の住人がすでに工事済みの場合は、すでに光コンセントが設置済みのケースもあります。

さらに、過去の回線契約によっては工事が不要になる場合もあります。

過去にNTT東日本の光ファイバーを契約していて、これを転用や事業者変更で乗り換える場合、派遣工事が不要となることが多いです。これらの事業者のサービスを、「光コラボ」と呼びます。光コラボではないサービスを利用するときには、新しく回線工事が必要になるケースもあります。

光回線が工事済みかの確認方法

どのようにして、光回線がすでに工事済みであるかを見分けると良いのでしょうか?

以下では、光回線が工事済みかの確認方法を解説します。

管理会社やオーナーに問い合わせてみる

管理会社や大家さんに確認してみる方法が確実です。

物件データに、「光ファイバー対応」、「インターネット対応」などと書かれていれば、光回線が導入済みと判断できます。

ただし、「光ファイバー対応」、「インターネット対応」とは、マンションの共有スペースまでの工事が完了していることを指します。

それに対し、「インターネット完備」とは各部屋まですでに配線が届いており、プロバイダの契約も完了しているため、入居してからすぐにインターネットが利用可能です。新たにプロバイダの契約をする必要もなく、家賃にインターネットの料金も含まれている場合もあります。

光コンセントがないかを確認してみる

光コンセントの有無を確認する方法もあります。

部屋の中に光コンセントが設置されていれば、光回線が導入されていると基本的には考えられます。

光コンセントは、電柱から引き込んだ光回線(光ケーブル)とルーターを利用するのに必要なONU(光回線終端装置)をつなげるためのコンセントです。光回線専用で、他の電源用コンセントと並んで設置されていることが多いです。

ただし、光コンセントがあっても部屋まで光回線が届いていないこともあるため、あくまでも光回線が工事済みかどうかを判断する目安の一つとして考えましょう。

光回線の工事費用

光回線の工事費用は、住宅状況やプロバイダ、契約プランなどによって異なりますが、約15,000円~約40,000円かかるケースが多いです。

支払い方法も一括で払い込む場合や、毎月の月額料金で分割する場合があるので、事前に確認しましょう。

また、工事費相当額を月額費用より割引するなど、工事費が実質無料になるプロバイダも存在します。初期費用を抑えて光回線の利用を始めたい方は検討するのもおすすめです。

光回線の工事は何をする?主な作業内容

光回線の工事の主な作業内容について、詳細を説明していきます。

電柱から光ファイバーケーブルを引き込む

最寄りの電柱から光ファイバーケーブルを電話線と同じように建物内に引き込む方法です。通常は、エアコンのダクトや電話線の引き込み口などから室内へ配線を引き込みますが、これらがない場合は外壁に新しく穴をあけ、ケーブルを引き込むケースもあります。ただし、最近では景観を良くするために電柱を埋めている地域も増えてきています。もし自宅の近くに電柱が見つからない場合には、まず対応エリアのプロバイダや回線事業者に相談しましょう。

光コンセントを室内に設置する

光ファイバーケーブルを引き込んだら、室内に機器と接続するための光コンセントを設置します。その後ONUを設置して光回線の遅延がないかの疎通試験までを実施します。ホームゲートウェイ、ONUとの接続は原則工事担当者が行います。

ONU(光回線終端装置)を設置する

ONUを光コンセントと光ファイバーケーブルで接続します。ONUはルーターに似た形の装置で、レンタルで利用することが一般的です。

立ち会い工事が不要なケースでは、ONUが事前に送られてきている場合は光コンセントに接続します。ONUとルーターをLANケーブルで接続して、設定を行えばインターネットが利用可能になります。

なお、光コンセントとONUあるいはホームゲートウェイとの距離が遠いケースでは、光ファイバーケーブル用の延長ケーブルを使うと便利です。

建物ごとの作業内容の違い

光回線の工事内容は建物の種類ごとに異なります。

戸建ての場合

戸建て住宅では、電柱から建物に光ファイバーケーブルを引き込む工事を行う必要があります。

集合住宅やオフィスビルの場合

集合住宅やオフィスビルの場合は、建物の設備状況によって工事内容が異なります。

一般的には、すでに共有スペースに光回線が引き込まれていることが多く、また各部屋への配線工事が終わっているケースもあります。

各部屋への配線工事が終わっていない場合は、入居者が工事を手配して、共有部分からスプリッタ(分配器)を経由して部屋への配線の引き込みや、光コンセントの設置が必要です。その際、オーナーや管理会社に連絡が必要なケースもありますので注意してください。

光回線工事の流れ

以下では、光回線の流れについて詳しく紹介します。

①準備

(1)提供エリアか確認

まず、サービスの申し込み時に利用予定の建物が提供エリアの中にあるか確認しましょう。提供エリアは、ネットや電話での申し込み時に確認できる他、家電量販店などの店頭でも確認が可能な場合があります。
もし、提供エリア外だった場合には工事ができません。

(2)過去に光回線の契約があるか確認

サービスを申し込みたい物件で過去に光回線を契約していた場合は、基本的には派遣工事は不要となります。前述の通り、利用していた回線が光コラボであり、新しく利用するサービスも光コラボであれば工事は必要ありませんが、別の独自回線を利用する場合は工事が必要になります。

(3)機器を部屋のどこに置くか決定

ホームゲートウェイ、パソコンや電話機などの設置場所を事前に決めておきましょう。

光コンセントの設置は自宅内で1ヶ所のみとなるため、後から設置場所を変更する場合、もう一度工事を行う必要があります。

ホームゲートウェイなどの機器を設置する場所としては、リビングやパソコンを利用する部屋や寝室などが定番です。

②工事の申し込み

サービスの申し込みと同時に、工事の申し込みと日程の確保をしましょう。光回線の工事の予約は各社とも数週間後の日程になることが多いため、利用開始予定日はどうしても先になってしまいます。新居や引越し先で、光回線が開通するまでの間はレンタルでのポケットWi-Fiやホームルーター、スマートフォンのテザリングの利用も視野にいれましょう。

③工事の実施

工事日当日になったら、立ち会いをしましょう。家族に代理を頼んでも問題はありません。もし代理を頼みたいときは、契約先の光回線のWebサイトなどを確認して契約者以外の立ち会いの可否について確認しておきましょう。立ち合いは基本的に事業者が工事を行うのを待つ形になりますが、戸建て住宅で壁に穴をあける必要がある場合などは事前に確認が必要なこともあります。

④工事後

工事後は、ルーターをONUに接続しましょう。ルーターと接続したパソコンや通信機器のインターネット接続設定は自身で行う必要があります。

光回線の工事日の目安

光回線の工事日や工事日当日の予定などは、サービスごとの申し込み状況などによって多少前後しますが、基本的には最低でも3週間はかかります。キャンペーン期間中などは工事の依頼が殺到し、それよりも日程を要する場合や、当日の工事開始予定時間がずれこむ可能性もあります。そのため、時間には余裕をもって申し込むことをおすすめします。

工事にかかる時間

NTT東日本が提供するフレッツ光の工事の所要時間は約1時間です。状況によっては2時間程度かかることもあります。

申し込みから開通まで

NTT東日本が提供するフレッツ光では、通常、申し込みから開通まではほぼ1ヶ月かかり、最低でも3週間を要します。

光回線工事で穴あけが必要になるケース

以下では、光回線工事で穴あけが必要になるのは、どのような場合であるかについて解説します。

配管やエアダクトが利用できないケース

光ケーブルを室内へ引き込む際、通常は電話用の配管が利用されます。しかし、以下のようなケースでは、配管があっても、それを利用して光ケーブルを引き込むことはできません。

  • 配管に空きスペースがない
  • 配管がさびや土で詰まっている
  • 配管が曲がった状態で取り付けられている

このような場合は、エアダクト(エアコン用の通気口)を利用して室内への引き込みが行われます。

電話用の配管もエアダクトも利用できない場合は、穴あけが必要です。なお、穴の直径は通常1cm程度であり、大きな穴をあけるわけではありません。

引留金具を利用するケース

電柱から建物へ光ケーブルを引き込む際、配線を固定するために、引き止め金具を外壁に取り付ける場合があります。

この金具を設置する際にビス留めが必要となり、壁への数ヶ所の穴あけが必要です。

光ファイバーケーブルの固定は通常は2~3ヶ所で行われますが、光キャビネットと室内への導入口の間の距離によって変動します。

外壁に光キャビネットを取り付けるケース

光キャビネットは宅内工事の際に、外壁に設置されます。

光キャビネットを安定した状態で取り付けるためにはビス留めが必要となるため、壁に直径3~4mmの穴を3カ所ほどあけることになります。

光回線工事の注意点

以下では、光回線工事を行う際の注意点について簡単に解説します。

オーナーや管理会社の許可が必要なこともある

賃貸などの集合住宅やオフィスビルの場合は、オーナーや管理会社に工事をしても良いか、事前に確認が必要なケースもあります。すでに共有部分に光ケーブルが引き込まれている場合は問題ありませんが、築年数の古い物件の場合は、新たに建物工事をして穴をあけるといったケースもあるためです。許可なく工事を行うと、のちにトラブルの原因になったり、退去費用が高額になったりする可能性もあるため、十分に注意が必要です。

戸建てで隣家に回線が重ならないか注意する必要がある

電柱から家に回線を引き込むとき、まれに近隣の敷地の空中にケーブルが存在してしまうケースがあります。工事前にそのような配線になると分かった場合は、隣人トラブルを避けるためにその敷地の所有者に工事の許可が必要になるケースもあります。

繁忙期だと予約が取れないこともある

一般的に、新生活に伴う引越しシーズンである2~5月は混雑する可能性が高いです。繁忙期にあたる時期なので、予約の申し込みが殺到し、希望通りに工事の予約が取れないことも多いでしょう。

引越しシーズンの前後は混み合う可能性が高いことを踏まえて、事前に予定が分かっている場合は早めに予約することが大切です。

土日休日は割増料金になることもある

土日休日でも工事はできる場合が多いですが、通常の工事料金に加えて追加料金が発生する可能性があります。

また、夜間や深夜に工事を行う場合も割増料金が設定されている場合がほとんどです。工事の方法や工事を行う会社にもよりますが、2万円近く追加費用がかかってしまう場合もあります。

これらは混雑しやすいタイミングでもあるため、可能であれば平日の日中に調整するのも、工事の費用を抑える一つの方法です。

まとめ

本記事では光回線の開通工事について解説しました。工事が不要なケースと必要なケースの違いや、工事の前に確認・連絡する事項について説明しています。また、光回線を利用する場所が戸建てなのか、マンションやオフィスビルなのかによって、開通までの流れは大きく異なります。さらに、周辺環境や建物の設備状況によっても影響を受けるため、事前の確認が重要です。

光回線の工事は、申し込んだ当日にすぐに実施できるものではありません。特に繁忙期には工事までの期間が長くなることがあるため、早めの手続きをおすすめします。また、工事を行う際は、管理会社やオーナーから事前に許可を得る必要があります。これを怠ると、トラブルにつながる可能性があるため注意が必要です。

光回線の開通工事は手続きが複雑に感じられるかもしれませんが、本記事を参考にあらかじめ流れを確認しておけば、スムーズにインターネット環境を整えることができます。ぜひ、実際にサービスを申し込む際の参考にしてください。

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監修

税理士法人V-Spiritsグループ代表 税理士・社労士・行政書士・FP

中野 裕哲

起業コンサルタント(R)、経営コンサルタント、税理士、特定社労士、行政書士、CFP(R)。 税理士法人V-Spiritsグループ代表。年間約1000件の起業相談を無料で受託し、起業家や経営者をまるごと支援。経済産業省後援 起業経営支援サイト「DREAM GATE」で12年連続相談数日本一。 著書・監修書に『一日も早く起業したい人がやっておくべきこと・知っておくべきこと』(明日香出版社)など20冊、累計25万部超

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