公開日:2021.11.26
この記事で
わかること
目次
新しいオフィスへの移転を計画している企業の中で、自社にとって移転そのものがはじめての場合や、新規で担当者になったばかりの方は、どのような流れで行うのか、また必要になる作業などがよくわからないというケースも多いと思います。
今回の記事では、オフィス移転にまつわる全体的な流れと、移転時の留意点を紹介していきます。
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新しいオフィスに移転するにあたり必要になる業務内容や全体的な流れを紹介していきます。まず、全体的な流れは下記の図のとおりです。それぞれ詳しく解説していきます。
オフィス移転をするときは、移転計画を立てる際に移転の目的を明確化しましょう。従業員の増加や契約している物件の契約条件に関連するような場合でも、移転後に業務の生産性の低下や従業員満足度の低下などが起きる可能性があります。そのため、移転をすることでどのような効果を期待しているのか、以前のオフィスと環境を変えることで達成したい目的を明確にし、社内で浸透させることが重要です。
時期としては、オフィス移転の1年〜半年前には決めておきましょう。
オフィス移転の目的に加えて、オフィスに求める要件も定義しましょう。具体的に物件を探すにあたり、必要な情報になります。
定義すべき項目は以下が例として挙げられます。
とくに、賃料については会社の今後の成長度合いや収益性などの観点から慎重に考えましょう。業績が良い時期に移転を行い、その後にオフィス賃料の高さが負担になるケースも少なくありません。また、自社の事業や組織にとって必要な要素は何かという点から、用意する設備についても検討します。
こちらも、オフィス移転の1年〜半年前には定義しておきましょう。
オフィス移転では、物件探しから内装、プランニングなどをサポートしてくれる移転業者を利用するケースが多くあります。どのぐらいの範囲を依頼するのか決めながら、業者を探しましょう。物件そのものを探す所から連携するパターンや、施工業者との調整や施行管理なども依頼できるケースもあります。
こちらも、オフィス移転の1年〜半年前に行いましょう。
物件探しの際には、オフィス要件で定義した条件を元に探していきます。具体的な物件ごとに比較していくポイントとしては以下が例として挙げられます。
ビルの使用時間の制限によっては、業務可能な時間が制限され、防犯上ビルそのもの出入りができないなどのケースもあります。基本的なアクセスや立地といった項目だけでなく、移転したことで勤務に支障がでないように設備面や使用条件もチェックしていきましょう。
こちらも、オフィス移転の1年〜半年前に行います。
物件を探していく過程や決まった段階などで、新オフィスのコンセプトやレイアウトを決めましょう。
決めるべき内容としては以下が例として挙げられます。
特にインターネットをはじめとした通信環境をどうするかは重要です。Wi-Fi導入によるフリーアドレス化(固定席を持たず、従業員が自由に席を選んで業務ができる形態)を行うかどうかなど、この段階で検討しておきましょう。
「①移転の目的の明確化」の部分で決めた項目によって、レイアウトや内装イメージなども変化します。従業員同士のコミュニケーションを増やすことを目的としてオープンなレイアウトにするのか、また個人の業務に集中して生産性を上げることにフォーカスしたスペースを多く設けるのかなど、目的が達成できるコンセプトを決めることが重要です。
こちらは時期としては、半年前を目安に決めていきます。
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詳しくはこちらレイアウトやネットワーク環境の検討と同時に、業務で使用するシステムやサービスについても見直しを行います。近年ではBCP(事業継続計画)やテレワークにも対応できるよう、クラウドサービスへ移行するケースも増えてきています。
移転のタイミングで見直すと良いシステムやサービスの例として以下が挙げられます。
2020年の新型コロナウイルスの影響によりオフィスの移転・縮小を行った企業の中には、テレワークを導入することで、出勤率を抑えてオフィスの効率な活用に繋げる事例も増えています。在宅やオフィス、またサテライトオフィスやコワーキングスペースなどでも円滑に業務を進めるためには、クラウド化されたシステムだとスムーズです。
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詳しくはこちら物件が決定したら、内装業者と具体的な打ち合わせを行いデザインやレイアウトを決定していきます。コンセプトや希望のレイアウトなどを伝えて、何パターンかのレイアウトイメージを提案されることが多いため、適切なフィードバックや意見を伝えるためのコミュニケーションが重要です。内装がコンセプトにあっているか、レイアウトは正しいか、備品の収納場所や十分な電源が確保されているかなども確認しましょう。
また、電気・通信・空調工事についても確認が必要です。物件のオーナー指定がある場合もあります。
内装が決定したら、施工状況の確認を随時行っていきましょう。
新規でオフィスに導入する家具・OA機器などの選定や購入を行いましょう。こちらも、コンセプトやレイアウトと照らし合わせながらマッチしたものを探してください。
引っ越し予算や作業内容といった基本的な項目だけでなく、廃棄物の引取もしてくれるかなどの条件から引っ越し業者を選定しましょう。
オフィス移転の数ヶ月前には選定を完了しておきます。
従業員の多い大企業などでは、引っ越しは大掛かりになるため役割分担やスケジュールなどをマニュアル化しておくことが重要です。
オフィス移転の3ヶ月〜2ヶ月前には作成しておきましょう。
引っ越し期間には、事前に荷物の梱包、不要なモノの廃棄、データのバックアップなどの準備をしておきましょう。引っ越し当日には、担当者は立ち会いが必要です。
移転は引っ越し作業を終えて完了ではなく、移転に関する各種届け出の提出も必要です。本店所在地が変更になる場合は届け出の記載内容を変更する必要があるのはもちろん、オフィス増設や支店の移転でも届け出が必要です。届け出は移転先で管轄地が変更になる場合と、そうでない場合で必要になる書類が変わる場合があります。
以下に移転の時に必要な届け出の一例を挙げます。
オフィス移転のときには、これまで利用していた旧オフィスを撤退することになりますので、撤退に伴う業務が発生します。新オフィスへの移転と同時進行のスケジュールで行っていきましょう。
オフィス解約の1年〜半年前に、契約更新をしない旨を管理会社やオーナーに伝えます。新オフィスの入居時期を確認しておかないと、契約のタイミングによってはオフィスがない状態になるリスクもあるため注意が必要です。
退去時は、旧オフィスを入居前の状態に復旧する原状回復工事が必要です。物件の契約内容によっては、契約期間が切れる前に次の利用企業がそのまま居抜きで利用したい場合など、原状回復が発生しないケースもあります。
担当者として行うべきことは、業者の手配やコストの計算、スケジュールの調整などが主です。旧オフィスの解約時期と新オフィスの契約開始・引っ越し日時の間隔が短すぎる場合、原状回復工事の期間が適切にとれないケースもあります。新オフィスのことだけでなく、移転全体のプロジェクトとして忘れないようにしましょう。
オフィス移転の理由はさまざまありますが、コロナ禍を受けてテレワークを前提にオフィス環境を見直すケースも増えつつあります。その場合、クラウドの導入や柔軟なオフィスレイアウト、そのための無線LAN環境などの整備が重要になります。
移転の流れの部分でも記載しましたが、オフィス移転をシステム環境の見直しのための機会として活用することで業務の生産性の向上や柔軟な働き方につなげることができます。
今回の記事では、オフィスの移転にまつわる流れや必要になる業務、留意点や具体例を紹介していきました。
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移転・拠点拡大をご検討されている方必見!
監修
税理士法人V-Spiritsグループ代表 税理士・社労士・行政書士・FP
中野 裕哲
起業コンサルタント(R)、経営コンサルタント、税理士、特定社労士、行政書士、CFP(R)。 税理士法人V-Spiritsグループ代表。年間約1000件の起業相談を無料で受託し、起業家や経営者をまるごと支援。経済産業省後援 起業経営支援サイト「DREAM GATE」で12年連続相談数日本一。 著書・監修書に『一日も早く起業したい人がやっておくべきこと・知っておくべきこと』(明日香出版社)など20冊、累計25万部超
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