スタートアップの採用はなぜ難しい?成功させる5つのポイントを解説

公開日:2024.09.18

スタートアップの採用はなぜ難しい?成功させる5つのポイントを解説

この記事で
わかること

  • スタートアップ採用の難しさと課題
  • スタートアップ採用でおすすめの手法
  • 採用成功のための具体的なポイント

目次

スタートアップでは、採用活動に割けるリソースが不足しやすく、優秀な人材の確保に苦労しているケースも少なくありません。

スタートアップの本来の強みは、スピード感を持った事業拡大であり、新規人材の採用は必要不可欠です。そのため、リソースが限られていながらも、事業活動と同時に採用活動を進めていく必要があります。

本記事では、スタートアップの採用に悩む経営層や人事担当者に向けて、スタートアップ採用が難しい原因やよくある悩み、課題を詳しく解説します。おすすめの採用手法や、成功に向けたポイントを5つ紹介していますので、ぜひ参考にしてください。

1.スタートアップの採用はなぜ難しい?よくある悩みとそこから見える課題

スタートアップの採用が難しいといわれる理由を、採用活動の段階に分けて解説します。

また、それぞれの悩みから見える課題についても確認しましょう。

【募集段階】そもそも応募が来ない

スタートアップの採用でよくある悩みの一つが、「そもそも募集に対して十分な応募が集まらない」という悩みです。また、応募があったとしても、募集要件に適しておらず、優秀な人材が集まらないといったケースもあります。

応募が集まりにくい原因として、知名度や待遇などの面で大手企業と差があることが考えられます。

スタートアップの多くは、大手企業や歴史のある企業と比べると、知名度やブランドイメージ、賃金や福利厚生といった点で不利な戦いを強いられてしまうのです。

【内定後】選考プロセスにおいて人材獲得競争で負けてしまう

スタートアップの採用では、他社との人材獲得競争に負けてしまい、内定者が辞退してしまうという悩みもあります。

スタートアップが人材獲得競争に負けてしまう原因としては、選考プロセスの中で、自社に対する信頼度や志望度を高められていないことが考えられます。

たとえば、スピード感のある日程調整や連絡ができていなかったり、人手が足りておらず志望度を高めるフォローが十分でなかったりするケースなどです。

採用体制を十分に整備できていない場合、選考プロセス内で応募者へきめ細かい対応ができないため、応募者からの信頼感を高めたり、自社の志望度を引き上げたりすることが難しくなり、結果として内定承諾につながりにくくなってしまいます。

【入社後】ミスマッチ・期待値ギャップが生じる

応募者が選考を通過したにも関わらず、入社後にミスマッチや期待値ギャップが生じてしまうといった悩みを抱えるケースもあります。

スタートアップの人材採用において、人材が経営ビジョンや企業風土にマッチしているか、つまりカルチャーフィットするかは非常に重要な観点です。人材がカルチャーフィットするかどうかを見極められないと、入社後にミスマッチが生じて早期離職につながってしまうことがあります。

反対に、カルチャーフィットを重視しすぎてしまうと、ポジションに必要な技量が不足している人を採用してしまい、期待値ギャップが発生してしまうこともあります。

このようなスタートアップが抱える悩みから見えてくるのは、「人的リソース不足」と「人材要件・採用基準が不明確」という課題です。ここからは、それぞれについて詳しく解説します。

課題:人的リソース不足

スタートアップの採用において避けて通れないのが、人的リソース不足という課題です。特に創業初期は人事や採用の専任者がいないことも多く、それにより以下のような問題が発生します。

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問題 原因
母集団形成における問題点
  • 大量の応募をさばくことが難しく、求人広告を使えない。
  • エージェント紹介に高い報酬を出せず、紹介の優先度を上げてもらえなかったり、スキルやキャリアの高い人材を紹介してもらえなかったりする。
  • 組織のフェーズに合ったハイスキルな人材をタイムリーに獲得するのが難しい。
採用プロセスにおける問題点
  • スピード感のある日程調整や手厚いフォローが難しい。
  • 応募者や内定者の志望度を高められず、人材獲得競争で競り負けてしまう。

事業が成長段階であるスタートアップでは、採用活動に波があります。事業の状況によっては採用活動をストップする判断もあり得るため、専任者の雇用に踏み切れないケースもあるでしょう。

リソース不足への対策としては、採用代行サービス(RPO)を活用し、事務作業や日程連絡などのオペレーティブな業務をアウトソースする方法が有効です。

課題:人材要件・採用基準が不明確

全社的に人材が不足しやすいスタートアップでは、「とにかく人がほしい」という考えが先行し、人材要件や採用基準を明確に定めないまま、感覚的に採用活動を行ってしまうことがあります。

しかし、人材要件や採用基準が不明確なまま選考を行うと、客観的に応募者を評価することが難しくなり、入社後のミスマッチや期待値ギャップが生じる原因となります。

スタートアップでよくあるのは、応募者の輝かしい経歴や資格を過剰評価してしまうケースなどです。特に、経営者や幹部が自身の専門外の人材を採用しようとすると、適切に評価するのが難しく、ミスマッチが起こりやすくなります。

スタートアップの採用活動では、自社の事業フェーズに合わせて、人材要件・採用基準を明確化して採用活動を行うことが重要です。

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2.スタートアップ採用におすすめの採用手法

予算や人手が限られる中で、スタートアップが効率的に採用活動を行うためには、採用手法ごとの特徴を理解し、自社に合った手法を取り入れることが大切です。

ここでは、スタートアップ採用におすすめの手法として、以下の5つをご紹介します。

  • 企業の採用ホームページ・SNS経由での情報発信
  • エージェント
  • ダイレクトリクルーティング(スカウト)
  • ヘッドハンティング
  • リファラル採用

企業の採用ホームページ・SNS経由での情報発信

スタートアップにおすすめなのが、企業の採用ホームページやSNSを活用し、採用情報を積極的に発信する方法です。

エン・ジャパンの「スタートアップへの転職意識調査」によると、「自分に合う企業を判断する際、参考になると思うもの」として、64%が「企業の採用ホームページやコーポレートサイト」を、33%が「企業が運営するSNSやYouTube」と回答しています。

特に、スタートアップについての知識や経験がない人材は、実情がわからず漠然とした不安感を抱えている可能性があります。そのため、企業の事業内容やビジョン、カルチャー、働く環境、働いている人々についての情報を発信することで、応募者の不安軽減や企業理解の促進が期待できるでしょう。

また、自社サイトのフォームからの応募を獲得できれば、求人媒体やエージェントなどのサービスを利用するのに比べて一人あたりの採用コストが低くなり、採用コストの軽減にもつながります。

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エージェント

エージェントとは、企業と求職者の間に立ち、採用のマッチングをサポートするサービスです。

エージェントは、企業の条件に合う求職者をフィルタリングし、ニーズに合った人材を選んで紹介してくれます。そのため、スタートアップにとっては、応募者を選別する工数をカットできるメリットがあります。

ダイレクトリクルーティング(スカウト)

ダイレクトリクルーティングとは、求人サイトのスカウトメールやSNSのダイレクトメッセージなどを通して、企業が人材に直接アプローチする採用手法です。

エン・ジャパンによる「スカウトメール意識調査」では、スカウトメールの良い点として「想定していなかった企業・仕事と出会える」と半数以上が回答しています。

ダイレクトリクルーティングは、知名度が少ないスタートアップでも、求職者に興味を持ってもらいやすいアプローチ手法といえます。

ヘッドハンティング

ヘッドハンティングとは、既に外部で活躍している人材に直接アプローチする手法です。スタートアップの経営陣が自らアプローチする方法や、ヘッドハンティング会社に依頼して人材を紹介してもらう方法があります。

スタートアップが幹部クラスに引き込みたいと思うような優秀な経営人材は、転職市場では引く手数多の存在であり、他社との獲得競争に晒される可能性が高いです。ヘッドハンティングは、人材に対して早めにアプローチをかけられるため、優秀な人材を競合よりも早く獲得したい場合に適しています。

リファラル採用

リファラル採用とは、自社の従業員に知人や関係者を紹介または推薦してもらう手法です。

メリットとして、コスト低減や人材の定着などが挙げられます。エージェントやヘッドハンティングなどの場合は、契約金や成功報酬、仲介手数料などの費用が必要になりますが、リファラル採用ではそれらが不要になることが多いため、コストの低減につながります。

また、応募者にとっては、知人が関係しているという安心感が得られるため、人材の定着につながりやすいことも大きなメリットです。

リファラル採用を推進したい場合には、紹介した社員へインセンティブを提供するといった方法があります。インセンティブを提供したとしても、外部サービスを利用するよりもコストも抑えられることがあり、近年浸透してきている採用手法です。

3.スタートアップが採用を成功させる5つのポイント

ここからは、採用に課題を感じているスタートアップが特に意識するべきポイントを5つ取り上げ、詳しく説明します。

  • 事業フェーズや規模に合った採用活動を行う
  • 成長機会・イノベーション創出をアピールする
  • 良い待遇や労働環境を用意する
  • 雇用形態を柔軟にする
  • 採用代行サービス(RPO)を活用する

事業フェーズや規模に合った採用活動を行う

スタートアップは成長速度が早く、その時の事業のフェーズや企業規模によって、求められる人材が変化していきます。たとえば、以下のような形です。

事業フェーズと求められる人材 例

  • 創業初期:ビジネス経験が豊富で、なんでもこなせる人材
  • 成長期:各部門におけるマネージャー
  • IPO前:法務や経理の専門人材

スタートアップの採用では、事業のフェーズや企業規模に合わせて、どの部門において、どのような人材が必要なのか優先順位をつけながら、目的に合った採用活動を行うことが重要です。

自社の段階に応じて人材要件を明確にすることで、入社後のミスマッチや期待値ギャップの低減にもつながります。

※IPO:株式公開や新規上場のこと

成長機会・イノベーション創出をアピールする

近年では「ゆるブラック」という言葉が話題になったように、転職者の間で成長機会やイノベーション創出を重視する傾向が強まっています。

エン・ジャパンによる「スタートアップへの転職意識調査」では、回答者の約7割が「スタートアップへ転職したい」と回答しており、その理由は「先進性・革新性のある事業に携わることができると思うから」(46%)が最多です。

また、経済産業省による「⼤企業からスタートアップへの転職経験に関する調査」では、大手からスタートアップに転職した人のうち、大企業に感じていた不満について、82%が「イノベーションを起こすことに限界を感じた」と回答しています。

このように、スタートアップに興味を持っている人材にとって、イノベーション創出に関われることは大きな魅力となります。スタートアップの採用活動では、成長機会やイノベーション創出、裁量権・意思決定の機会を訴求しましょう。スタートアップならではの魅力を伝えることができれば、求職者の志望度向上や大手企業との差別化にもつながります。

また、大手企業との差別化を明示し魅力的な企業であることをアピールできれば、エージェントから人材を紹介してもらいやすくなる可能性があります。

良い待遇や労働環境を用意する

スタートアップへの就職・転職を後押しするには、待遇の良さや柔軟で整った労働環境を用意することも重要です。

一般的にスタートアップへの転職は年収が下がることが多く、それが求職者の意向を低下させる要因になることがあります。実際に、エン・ジャパンによる「スタートアップへの転職実態調査」では、「年収が下がったとしても、スタートアップへ転職したい」と考える人は25%に留まっているのが現状です。

そのため、人材獲得競争に勝つ手段として、年収などの面で高待遇を用意する方法が考えられるでしょう。実際に、雇用を増やしている一部の有力スタートアップでは、平均給与を引き上げ、働く人にとっての魅力を高めています。

また昨今では、給与面だけでなく、ワークライフバランスを含めて包括的に転職先企業を評価する人材もいます。働き方の柔軟性や福利厚生などを拡充し、給与以外の待遇面においても、働きやすく魅力的な労働環境を用意することが大切です。

雇用形態を柔軟にする

雇用形態には、正規雇用だけではなく業務委託やパート・アルバイトなど幅広い種類があります。正規雇用にこだわらず、さまざまな雇用形態を用意することで、フリーランスや副業・兼業など、多様な人材を活用することが可能です。

スタートアップにとっては、キャリアやスキルを持つ人材に参画してもらえたり、資金状況やフェーズによって雇用を調整しやすかったりするメリットがあります。

また、スタートアップへの転職や就職を検討している人の中には、「正社員よりも、まずは副業・兼業でスタートアップに参画したい」「まずはスタートアップで働くとは何かを知りたい」といったニーズを持っている人もいます。手軽に参画できるようにすることで、スタートアップでの働き方についてより深く知ってもらうことができ、ミスマッチや期待値ギャップの防止につながるでしょう。

幅広い人材の採用を円滑にするためには、リモートワークやオンライン面談などを取り入れることが大切です。母集団を増やせると同時に、採用活動の効率化にもつながるでしょう。

採用代行サービス(RPO)を活用する

採用活動に慣れておらずノウハウや人手が足りていないスタートアップの場合は、採用業務を切り出して採用代行サービス(RPO)を活用するのがおすすめです。

採用代行サービス(RPO)を活用するメリットには、以下が挙げられます。

  • 採用業務の質向上につながる
  • 従業員がコア業務に集中しやすい
  • 採用担当者が不在でも採用活動を勧められる
  • 内定辞退リスクの軽減につながる
  • 人件費や管理費などのコスト低減につながる

事業の成長が非常に重要であるスタートアップにおいて、採用業務が本来の業務を圧迫してしまうと、本来の強みであるスピード感を持った事業拡大の妨げとなってしまいます。

事業拡大のスピードアップや効率化、新規ビジネスの開拓などに力を注ぎたいスタートアップにとって、RPOは力強いパートナーとなるでしょう。

なお、RPOのデメリットとして、サービス提供者側としっかり認識合わせをしておかないと、逆に採用効率が下がってしまうこともあるので注意が必要です。

4.まとめ

急速に事業を拡大していくスタートアップにとって、事業強化のための人材採用は必要不可欠です。採用体制を強化するには、複数の施策を平行して実施することが重要となります。

しかし、採用活動における専任担当が不在になりがちなスタートアップには、人的リソースが不足しやすいという課題があります。

事業にかけるリソースを減らさずに、効率的に採用活動を進めたい場合は、採用代行サービス(RPO)の活用を検討してみてください。

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