中小店舗・事務所でできる窓の防犯対策7選を紹介!

公開日:2025.06.24

中小店舗・事務所でできる窓の防犯対策7選を紹介!

この記事で
わかること

  • 店舗・事務所の窓からの侵入・窃盗被害について
  • 窓の防犯対策に有効なおすすめアイテム7選
  • DIYで取り組む場合の難易度や注意点
中小規模のサービス業・飲食店などを営む中で、周辺地域の治安について不安になっている方も多いのではないでしょうか。本記事では、空き巣・侵入被害に関するデータをお伝えするとともに、窓の防犯対策に有効な具体策7選について紹介します。

目次

店舗や事務所の防犯対策のヒントに!

1.店舗・事務所の窓からの侵入・窃盗被害に注意 

店舗や事務所を構える際に、周辺の治安は気になるものです。特に路面店としてサービス業や飲食店などを営む場合、窓からの侵入や窃盗被害のリスクを無視できません。以下では、空き巣や侵入被害に関するデータについて紹介します。

窓からの侵入が多い 

警察庁の令和5年のデータによると、侵入窃盗犯罪は令和5年以降増加傾向にあります。発生場所として多いのは戸建住宅で、全体の30.5%を占めています。しかし、事務所や商店、ホテル・旅館、深夜飲食店などをあわせて24.1%と、住宅だけでなく店舗や事務所も侵入窃盗のリスクが高いことがわかります。

侵入手口の中でも特に多いのが「窓」からの侵入です。戸建住宅では、55.2%が窓を侵入口としています。共同住宅では3階建以下で38.9%、4階建以上で24.3%と、窓は建物の高さや形態にかかわらず、狙われやすい場所です。つまり、「戸建」や「マンション」、さらには「1階・2階」などに関係なく、どのような建物であっても窓から侵入される可能性があることを意味します。

そのため、窓に防犯フィルムを貼る、補助錠を取り付ける、さらには防犯センサーやカメラを設置するなど、多層的な対策が求められます。侵入窃盗を防ぐためには、日々の注意と効果的な防犯対策を組み合わせることが大切です。

参考:警察庁|住まいる防犯110番 データで見る侵入犯罪の脅威
  (https://www.npa.go.jp/safetylife/seianki26/theme_b/b_e_1.html)
  警察庁|住まいる防犯110番 手口で見る侵入犯罪の脅威
  (https://www.npa.go.jp/safetylife/seianki26/theme_a/a_d_1.html)

「ガラス破り」の手口に注意 

窓からの侵入に関する手口の中でも、特に注意が必要なのが「ガラス破り」です。政府広報オンラインや警察庁のWebサイトでは、ガラス破りについて注意喚起をしています。ガラス破りは、バールや石などを使って窓ガラスを破壊し、割れた部分から手を差し入れて鍵を解錠し建物内に侵入する手口です。警察庁のWebサイトによると、ガラス破りはわずか数秒で行われると説明されており、一瞬の隙が被害につながる可能性があります。

ガラス破りの対策として「網入りガラス」を採用することは一見有効に思えますが、網入りガラスの目的は、火災時にガラスが飛び散るのを防ぐ「防火用」です。そのため、ガラス破りの手口には耐えられません。

また、窓の内側からガラスを破られないように防犯フィルムを貼る方法があるものの、鍵の周辺など一部分のみに防犯フィルムを貼ってしまうと、その他の部分から侵入されるリスクがあります。防犯フィルムは窓全体に貼ることで初めて効果を発揮するアイテムであり、部分的な対応だと十分ではありません。

参考:政府広報オンライン|空き巣や強盗から命と財産を守る 「住まいの防犯対策」
  ( https://www.gov-online.go.jp/useful/article/202310/1.html)
  警察庁|住まいる防犯110番 手口で見る侵入犯罪の脅威
  (https://www.npa.go.jp/safetylife/seianki26/theme_a/a_d_1.html)  

2.狙われやすい窓の特徴

狙われやすい窓の特徴

窓は建物への侵入経路として狙われやすいポイントの一つです。特に防犯対策が不十分な窓は、侵入者にとって格好の標的となります。以下では、どのような窓が狙われやすいのか、その特徴について詳しく解説します。

掃き出し窓

侵入者に狙われやすい窓として「掃き出し窓」が挙げられます。掃き出し窓とは、リビングやベランダに取り付けられた、人が楽に出入りできる大きな窓のことです。その利便性が災いし、侵入犯罪のターゲットになりやすいという性質があります。

掃き出し窓が狙われやすい理由の一つは、そのサイズです。人が通れる大きさの窓は、侵入者にとって好都合になります。また、室内のプライバシーを守るために掃き出し窓の周囲に植木や塀を設置しているケースは多いですが、このような遮へい物が侵入者にとって「死角」となり、狙いやすい建物だと判断されてしまうでしょう。

さらに、掃き出し窓の多くには「クレセント錠」というシンプルな鍵が使われていることが多いです。クレセント錠は半月型の金具を手で回して、金具の組み合わせによって施錠する仕組みが一般的です。クレセント錠の場合、侵入者が窓ガラスをバールや石などで割れば、破損部分から手を差し入れ、容易に解錠できてしまいます。

ルーバー窓 

侵入者は大きな窓だけでなく、小さな窓も標的にします。その中でも特に注意が必要なのが「ルーバー窓」です。ルーバー窓とは、ルーバー(ガラスやアクリル、アルミなどの細長い板)が複数並んだ構造の窓で、内側からハンドルを回して開閉する仕組みになっています。一般的には、玄関の周辺やトイレ、浴室などに換気目的で取り付けられることが多い窓です。

ルーバー窓が狙われやすい理由の一つは、鍵がないことです。ルーバー窓には一般的な窓のような鍵がなく、板の角度を調整するハンドルのみで開閉ができます。外から手で板を押すなどをして、無理やり角度を変えられるリスクがあります。また、侵入者が工具を使えば、板そのものを取り外して侵入する可能性は十分にあるでしょう。トイレなどの換気目的で窓を開けたままにすることが多い場所は、特に注意する必要があります。

侵入をためらわせ、手こずらせることが対策のポイント

店舗・事務所で空き巣や侵入被害に遭わないためには、侵入者をためらわせ、手こずらせる環境を整えることがポイントです。

まず基本的な対策として、施錠を徹底しましょう。短時間であっても店舗や事務所を離れる際には、必ずすべての窓やドアを施錠することが大切です。侵入者は時間がかかると面倒に感じ、犯行を断念する可能性が高くなります。施錠を忘れず、ガラスを割られないように工夫することで狙われるリスクが低減されるでしょう。

また、窓周辺の環境を整えることも効果的です。周囲に死角を作らないようにし、侵入者が隠れられる場所をなくします。庭や建物の周囲に植栽を置く場合には、定期的に伐採や剪定を行って、窓やドアの近くに視界を遮るものがないようにしましょう。目隠しや高い塀などは侵入者にとって隠れる場所のひとつです。塀の高さを低くし、見通しの良い環境にすることをおすすめします。

さらに、2階以上へ簡単に侵入できるような窓周辺の足場は、撤去しましょう。塀の上や植栽、車庫や倉庫の屋根、屋外に置いた脚立などは、侵入者が足をかけて窓に侵入しやすくなるきっかけになってしまいます。窓周辺を整理して侵入しにくい環境を整え、犯行を実行するハードルを高くしましょう。

3.窓の防犯対策に有効なおすすめアイテム7選

次に、窓の防犯対策に有効なおすすめグッズ7選を紹介します。

横にスクロールします

  アイテム名 メリット 設置難易度
防犯フィルム
  • ガラスを割って侵入しにくくなる
  • ガラスの飛散による二次被害を防げる
易しい
補助鍵
  • 施錠を強化できる
  • 侵入に時間がかかりそうな建物だと一目でわかる
易しい
防犯センサー・ブザー・アラーム
  • 犯罪の抑止になる
  • 警報によって周囲に異常を伝えられる
易しい
防犯カメラ
  • 犯罪の抑止になる
  • 犯罪発生時に証拠として映像を提供できる
タイプによってはプロに依頼が必要
面格子
  • 外部からのアクセスを物理的に遮断できる
  • 窓が割られても簡単には侵入できない
難しい
防犯ガラス
  • 窓ガラスが割れにくくなり、侵入者が断念しやすくなる
  • 破損してもガラス片が飛び散りにくい
難しい
シャッター
  • 窓全体が覆われていることで侵入されるリスクを低減できる
  • 視覚的な防犯効果が期待できる
難しい

防犯フィルム

防犯フィルムは、侵入者がガラスを割って建物に侵入することを難しくするためのアイテムです。防犯フィルムを貼ることで窓ガラスが割れにくくなり、万が一割れたとしても破片の飛散を抑えられます。さらに、防犯フィルムにはUVカットや虫除け、目隠し効果など、日常生活でも役立つさまざまな種類があります。

防犯フィルムを設置する際は、防犯フィルムのサイズを窓に合わせること、防犯フィルムを貼る際はしっかりと圧着することがポイントです。サイズや圧着が不十分だと、防犯性能が発揮されないかもしれません。

防犯フィルムの設置自体は比較的簡単で、ホームセンターやオンラインショップで購入できる製品です。しかし、賃貸物件で使用する場合には、オーナーや管理会社に設置しても問題ないかを確認する必要があります。また、店舗や事務所を移転する際に防犯フィルムを剥がすことを考慮し、原状回復の方法について把握しておきましょう。

補助鍵

補助鍵は、窓に取り付けることで施錠を強化できるアイテムです。窓の鍵が1つでは心許ない場合に、施錠機能を追加し、侵入者の手間を増やすことで防犯を強化できます。

補助鍵を設置する際は、鍵の取り付け位置や種類がポイントです。補助鍵を取り付けた後、鍵がスムーズに動くか、施錠が確実にできるかを確認しましょう。留意点としては、補助鍵を取り付けることで、窓の開閉が不便になる可能性があることです。取り付ける前に、使用感の確認をおすすめします。

設置難易度は比較的低く、ドライバーや簡単な工具を使って自分で取り付けることが可能です。賃貸物件で補助鍵を設置する場合には、事前にオーナーや管理会社に確認を取りましょう。

防犯センサー・ブザー・アラーム

防犯センサー・ブザー・アラームは、窓や建物周辺に設置し、侵入者の動きを感知して警報を発するアイテムです。不審者が接近した際に警報が鳴ることで、犯行が早期に発覚したり、犯行を防ぐ効果があります。

防犯センサー・ブザー・アラームの主なメリットは、音や光で侵入者を威嚇できる点と、警報によって周囲に異常を伝えられる点です。設置する際は、窓の開閉部分や侵入されやすい場所に設置しましょう。ただし、製品によっては振動や揺れで誤動作が起きる可能性があります。センサーの誤作動を防ぐためには、センサーの感度を設定できるものがおすすめです。

設置難易度は製品により異なるものの、窓に貼るだけで簡単に設置できるタイプなどがあります。賃貸物件で設置する際には、事前にオーナーや管理会社に確認を取りましょう。

防犯カメラ

防犯カメラは、建物の外部や内部に設置し、不審な動きを監視するためのアイテムです。カメラが設置されていることを周囲に示すだけで、侵入者に対する抑止力として働きます。また、万が一の犯罪発生時に証拠として映像を提供できるため、犯行の特定に役立ちます。

防犯カメラのメリットは、常に監視の目があることで、犯行を防ぐ効果が期待できる点です。防犯カメラは、建物の出入口や駐車場、死角になりやすい建物の外周などを中心に設置しましょう。オフィスの屋内で防犯カメラを設置する場合には、広範囲が撮影できるドーム型などを選ぶと安心です。

なお、防犯カメラはワイヤレスで配線が不要なタイプであれば自分で設置できますが、配線が必要だったり高所に設置する場合はプロに依頼することをおすすめします。また、賃貸物件で防犯カメラを設置する際には、オーナーや管理会社の許可を得なければなりません。

面格子

面格子は、窓に取り付ける鉄製の格子で、窓からの侵入を防ぐためのアイテムです。格子が窓に取り付けられることで、外部からのアクセスを物理的に封じて、侵入者に対する強力な防御壁を作ります。面格子のメリットは、物理的な侵入経路を遮断できる点です。窓が割られても簡単には侵入できないため、強力な防犯効果が期待できます。

面格子を設置する際には、窓の形状に合わせて格子を取り付ける必要があります。格子の間隔が広すぎないように、また格子が外れにくいようにしっかりと固定することが重要です。

面格子は設置するために専門的な知識が必要になる場合があり、プロに依頼することが一般的です。賃貸物件で設置する場合は、事前にオーナーや管理会社の許可を得る必要があるでしょう。

防犯ガラス

防犯ガラスは、破壊を防ぐために特別に加工されたガラスで、侵入者がガラスを割って侵入するのを難しくするアイテムです。2枚以上のガラスを強靭な樹脂中間膜で接着して一体化したものが多く、物理的な衝撃に強い特性があります。

防犯ガラスのメリットは、窓ガラスを割るのに時間がかかり、侵入者が断念しやすくなることです。また、破損してもガラス片が飛び散りにくく、怪我をしにくいという効果があります。

既存の窓に防犯ガラスを取り付けたい場合、取り替えが必要となることが一般的です。設置後は外観に影響が出る可能性を考慮し、防犯ガラスを選ぶ際にはデザイン面を確認しましょう。

設置難易度は比較的難しく、専門の事業者による取り付けが推奨されます。賃貸物件での設置は、オーナーや管理会社の許可が必須です。ガラスの交換が必要となるため、取り外し時に原状回復が求められる可能性があります。

シャッター

シャッターは、窓の外側に取り付けることで窓を完全に覆い、外部からの侵入を防ぐためのアイテムです。電動式や手動式など種類が豊富で、窓の大きさや利用シーンに応じた選択ができます。

シャッターのメリットは、窓全体を覆うことで、ガラスが割られて侵入されるリスクを大幅に低減できる点です。また、シャッターを設置していることで入りにくい建物だと判断され、視覚的な防犯効果が期待できます。

防犯目的でシャッターを設置する場合は、電動シャッターがおすすめです。手動シャッターだと、鍵をかけないと手で簡単に開けられてしまいます。電動シャッターはリモコンで開閉できる仕組みで、手では簡単に開けられません。

なお、シャッターの設置難易度は比較的難しいとされており、手動シャッターであれば自分で取り付けられるかもしれませんが、電動シャッターの場合はプロに依頼することが推奨されます。賃貸物件でシャッターを取り付ける場合は、設置前にオーナーや管理会社の許可を得ましょう。

4.DIYで取り組む場合の難易度や注意点

DIYで取り組む場合の難易度や注意点

DIYでできる防犯対策は、窓ガラスに防犯フィルムを貼る、補助鍵や防犯センサー・ブザー・アラームを取り付けるなど、「取り付けるだけ」の作業がほとんどです。ホームセンターやオンラインショップで購入すれば、自分で手軽にチャレンジできるでしょう。しかし、適切な効果を得るためには設置時のポイントを押さえることが重要です。たとえば、防犯フィルムを窓全体に圧着して貼る、補助鍵を正しい位置に取り付けるなど、少しの工夫が防犯効果を大きく左右します。

一方で、面格子や防犯ガラス、シャッターの設置はDIYだと難易度が高く、専門的な技術が必要です。リフォーム事業者や防犯専門のプロに依頼することが望ましいでしょう。

もし、「どのような防犯対策が自社に適しているのかがわからない」「自分で作業を行う時間やノウハウがない」と悩んでいる方は、「Nにおまかせ!」にご相談ください。安心して事業を運営できるよう、店舗や事務所の防犯対策についてプロがサポートいたします。

5.まとめ

警察庁のデータによると、近年、侵入窃盗犯罪が増加傾向にあり、特に窓からの侵入が多いことが明らかになっています。侵入の手口の中でも「ガラス破り」は特に注意が必要で、窓に防犯フィルムや面格子などを設置することが有効とされています。

不審者の侵入を防ぐためには、施錠の徹底に加え、窓周辺の環境を整えて死角をなくすことが大切です。窓の防犯対策に有効なアイテムを駆使し、店舗や事務所の防犯を強化しましょう。

店舗や事務所の防犯対策のヒントに!