公開日:2025.01.22
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わかること
目次
Wi-Fiルーターをアクセスポイントとして複数接続することで、オフィスや店舗内における通信環境の改善が期待できます。電波が届く範囲が拡大し、デバイスの同時接続台数が増加するなど、さまざまな効果が見られます。本記事では、業務用Wi-Fiルーターを複数接続するメリットや手順、注意点・課題をわかりやすく解説します。
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Wi-Fiルーターをアクセスポイントとして複数接続するメリットとして、以下の4つが挙げられます。
ここからは、4つのメリットをそれぞれ詳しく紹介します。
なお、具体的な接続方法は以下の記事で詳しく解説しています。気になる方は、ぜひあわせてご覧ください。また、ルーター一体型の場合は、ルーター機能をOFF=アクセスポイント(ブリッジモード)として利用する必要があるのでご注意ください。
Wi-Fiルーターを複数接続すると、Wi-Fiの電波が届く範囲を拡大できます。
一般的に、1台のWi-Fiルーターを使用する場合、電波が届く範囲は室内で50m〜100m程度です。ただし、これは障害物がない環境下での数値であり、実際にはさらに距離が短くなる可能性もあります。
複数台のWi-Fiルーター設置は、オフィスや店舗の隅々まで電波が届かず、インターネットを使った仕事が難しい場合や、オフィスや店舗の拡張に伴い広範囲のインターネット接続環境が必要になった際に役立つでしょう。
Wi-Fiルーターを複数設置することで、同時に接続できるデバイスの数が増えるため、従業員の増加や、パソコンだけでなくスマートフォンも接続する必要がある場合に役立ちます。
そもそもルーターは複数のデバイスやネットワークを安全にインターネットに接続するための機器で、オフィスや店舗でWi-Fiルーターを増設すると、同時に接続できる台数も増加します。社内ネットワークとは分離した来客用Wi-Fiの提供機能がある場合、従業員だけでなく外部ゲストや店舗の顧客にもセキュリティ上安全にフリーWi-Fiを提供でき、満足度向上が期待できるでしょう。
また、同時接続台数を増やしたい場合には、無線通信でデバイスとWi-Fiルーターをつなぐ機器「Wi-Fiアクセスポイント」の導入も一つの方法です。50台や100台など、多数のデバイスをWi-Fiルーターに接続して、働く環境を整えたいときにおすすめです。
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詳しくはこちらWi-Fiルーターの複数接続によって、電波が届く範囲が広がりオフィスの通信環境が整い、フリーアドレスの導入やレイアウトの柔軟な変更を実施しやすくなると期待できます。
近頃では、コミュニケーションの活性化や部署間の連携を円滑にすることを目的として、席を固定しないフリーアドレス制度を採用する企業が見られます。Web会議室、休憩スペース、集中用の個人ブースなど、オフィスレイアウトの柔軟な変更が可能になり、従業員はどこに移動しても安定したインターネット接続で快適に作業を行えるようになるでしょう。
Wi-Fiルーターを複数接続することはメリットばかりではなく、以下のようなデメリットも存在します。
デメリットも理解したうえで、増設を慎重に検討しましょう。
複数のWi-Fiルーターを使用する場合、中継機として用いるWi-Fiルーターなど、それぞれの機器に対して設定を行う必要があり、手間がかかる可能性があります。
設定ミスがあると、インターネット接続に支障をきたす可能性があるため、注意が必要です。Wi-Fiルーターの設定手順はメーカーごとの取扱説明書をよく確認し、慎重に設定を進めましょう。
また、機器の管理やソフトウェアのアップデートなどの作業も増加し、運用の負担が大きくなる点も懸念されます。
複数のWi-Fiルーターを設置する際、電波干渉で通信速度が低下する可能性があります。
近くに同じ周波数帯を使用する電子機器があると、電波干渉が発生し速度が遅くなることがあるように、同じ問題がWi-Fiルーター間で発生することも少なくありません。とくに、同じ周波数帯を使用している複数のWi-Fiルーターは、お互いに干渉し合うため、通信性能が低下する場合もあるでしょう。
その際は周波数体帯(チャンネル)設定の確認が必要です。設定手順は機種によって異なるため、取扱い説明書を確認して対応しましょう。
Wi-Fiルーターを複数台使用する際には、その分だけ機器を購入またはレンタルする必要があり、コストが増加します。費用をかけること自体はデメリットではありませんが、ムダなコストが発生しないように事前計画が必要です。
そこで、オフィスや店舗でのインターネット接続台数や、施設のレイアウトに基づいて、どの場所に何台のWi-Fiルーターが必要かをよく確認し、適切な数量を検討しましょう。
ここからは、Wi-Fiルーターを複数接続するための手順を、以下の4つのステップに分けて紹介します。
配線図面がある場合、現在のネットワークの状況を確認しましょう。配線図面とは、インターネット接続機器やルーター、ハブなどの接続状況を表した図のことです。
配線図面を用いて、電波が届きにくくなっていると考えられる場所や、新たに追加したい2台目以降のWi-Fiルーターを設置する場所の検討をつけておくことが大切です。
正確な現状把握や課題抽出は、専門家による診断を受けるのがおすすめです。「おまかせICT診断」では、現在の導入状況や運用状況を可視化します。「おまかせICT診断」の実施後に通信の専門家が作成する詳細なレポートは、Wi-Fiルーターを増設をするか検討している場合などにも役立つでしょう。
気になる方は、ぜひ以下のリンクから「Nにおまかせ!」をチェックしてみてください。
社内ネットワークの現状把握や課題抽出など、ICT診断は「Nにおまかせ!」
詳しくはこちら次に、複数のWi-Fiルーターを導入する目的を明確にしましょう。たとえば、オフィスや店舗の隅々までインターネット接続を可能にしたい、メインのWi-Fiルーターへの負荷を軽減したいなど、具体的な目的を設定することが重要です。
複数の接続を反映させたネットワーク構成を決定しましょう。無線のWi-Fiルーターだけでなく、通信が安定しやすい有線LANも使用する場合は、それを含めたネットワーク設計が必要です。
また、フリーアドレスの導入や接続するデバイスの種類、台数、通信の安定性などを考慮しながら、適切なネットワーク構成を慎重に検討してください。将来的な拡張を見越して、最初はできるだけ接続台数を減らすなどシンプルな構成を選ぶのもポイントです。
最後に、ネットワーク運用の体制を社内に整えましょう。運用や管理の手順、方法を具体的に文書化し、社内で共有することが重要です。
トラブル対応の手順もマニュアルとしてまとめ、全社員に周知することで、スムーズな対応が可能になります。さらに、従業員からの問い合わせを受け付ける専用窓口を設けると、対応がより効率的に行えるでしょう。社内での管理が難しい場合は、外部の専門サービスに依頼するのもおすすめです。
通信ネットワークの構築に役立つ!
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Wi-Fiルーターを複数接続するうえで実施した方が良い点は以下のとおりです。
ここからは、それぞれについて詳しく解説していきます。
複数のWi-Fiルーターを接続した後は、ネットワーク機器の利用データを収集し、通信状況の監視を行うことが大切です。継続的な監視により、混雑状況や異常を早期に検出し、トラブルの発生を未然に防ぎやすくなるでしょう。
企業の機密情報を守るためには、ネットワークにおける情報セキュリティ対策が欠かせません。社内LAN設備には、機密データを保存するサーバーも含まれるからです。
有線LANでは接続経路が限定される一方、Wi-Fiでは接続経路が広がるため、セキュリティリスクの配慮が必要です。具体的には、Wi-Fiの電波範囲内において、不正アクセスやアカウント情報漏えいの危険性があると考えられます。
したがって、通信の暗号化やユーザー認証の強化は必須です。外部ゲストや店舗の顧客向けにフリーWi-Fiを提供する際には、社内ネットワークとは別のネットワークにするなど、十分な情報セキュリティ対策を講じる必要があります。
Wi-Fiルーターの複数接続やネットワークの構築、運用管理などに精通している人材を社内に確保できず、対応できないという課題を抱える企業も少なくないでしょう。機器は誰でも購入できますが、安全で安定したネットワーク環境を構築するには、専門知識を持つ人材が必要です。
とくにWi-Fiルーターの複数接続は、ネットワークが複雑化しやすく、企業の成長や柔軟な働き方、情報セキュリティ対策などを考慮した設計が求められます。加えて、構築後の運用管理も重要です。
社内に適切な人材やノウハウが不足している場合、外部への依頼を検討する方法もあります。ネットワークの設計から設置工事、アフターサービスまで一括して対応できるサービスを利用すると、従業員はネットワーク機器の管理から解放され、本来の業務に専念できる環境が整うでしょう。
Wi-Fiルーターの複数接続のような、複雑なネットワーク変更が必要になる場合、「おまかせLAN構築(おまかせITマネージャー)」の利用がおすすめです。ネットワーク設計の専門家が詳しくヒアリングを行い、適切なネットワーク環境を提案します。施工後にはLAN配線図面を保管し、次回以降の対応がスムーズに進むよう配慮されています。
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今回は、ルーターを複数増設したいとお考えの方に向けて、増設のメリットやデメリット、具体的な手順について解説しました。
複数のWi-Fiルーターを導入することで、通信範囲の拡大や負荷の分散が可能となります。しかし、正しいネットワーク構成や社内運用体制の構築、トラブル対応には、専門知識やノウハウを保有する人材が必要です。
人材不足やノウハウ不足の場合は、ぜひ「Nにおまかせ!」にご相談ください。ネットワーク構築のプロが、それぞれのお悩みにあわせて適切な提案を行います。オフィスや店舗のネットワーク環境でお困りの際は、ぜひご相談ください。
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