事務所レイアウトの課題とは?変更メリットや手順、6つの例を解説

公開日:2025.01.22

事務所レイアウトの課題とは?変更メリットや手順、6つの例を解説

この記事で
わかること

  • 事務所レイアウトを変更するメリットと手順
  • 小規模事務所におすすめのレイアウト例
  • オフィスネットワーク無線化のメリット

目次

「少しずつ従業員も増えてきたのでレイアウトを変更したい」「経験や知識がないため何から手を付けるべきかわからない」という悩みを抱えている事業者の方も多いのではないでしょうか。

事務所のレイアウトは従業員全体の働きやすさに関わるため、注意すべき点が多いデリケートな課題です。そこで、本記事では事務所のレイアウト変更のメリットや気を付けるべきポイント、おすすめのレイアウト例について解説していきます。

本記事を読めばオフィスレイアウトを行う時に必要な基準寸法などの注意ポイントや、レイアウトのアイデアなどを身に付けられるようになっていますので、ぜひ参考にしてください。

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1.事務所レイアウトのよくある課題

事務所レイアウトのよくある課題として、オフィスの快適性が挙げられます。スペースや部屋数が足りない、導線が悪いなど、場合によっては仕事の成果に影響を与えることもあるでしょう。この章では、事務所レイアウトのよくある課題を取り上げて解説します。

狭い・収納スペースが足りない

急成長を遂げている企業などでは、短期間で社員が増えることもあるでしょう。増員によってオフィスが手狭になり、人数分のデスクを今まで通りのレイアウトで配置すると収納スペースが足りなくなるなど、狭さに関する悩みが出てきます。

また、収納スペースの整理整頓ができないと、捜し物にも時間がかかるため、かえって仕事の効率が下がることもあります。

動線が悪く業務の妨げになっている

来客者が応接室から化粧室に行くときの動線や、執務室から会議室に行き来する動線などに問題が生じていることもあります。たとえば、通り道に備品が積まれている、通路が狭いといったことでスムーズな動線が確保できず、業務に支障が出ることもあります。

また、有線ネットワークや電話・FAXなどの機器の設置場所が適切でなく、それらの配線がレイアウトの妨げとなり、動線が確保されないこともあるでしょう。

Web会議や集中ブースなど用途別の部屋が足りない

Web会議専用のブースや個別・集中ブースといった作業に没頭できるスペース、大人数でアイデアを出し合うスペースなど、用途別の部屋数が足りないということもあります。また、会議室はあるものの、絶対数が少ないため予約が取れないというケースも出てきます。

休憩室・談話室がない

小規模事業者の場合、受付と執務室・会議室が一つというケースもあり、休憩室や談話室といったリフレッシュ目的のスペースが十分に確保できない場合もあります。

2.事務所レイアウトを変更するメリット6選

事務所レイアウトを変更するメリット6選

事務所のレイアウトは、従業員の働きやすさに影響する重要な要素の1つです。この章では、事務所レイアウトのよくある課題を改善するために、レイアウトを変更する6つのメリットについて解説します。自社のレイアウト変更の目的に合致しているか、イメージしながら確認しましょう。

業務効率化

事務所レイアウトを変えることで、業務の効率化につながります。たとえば、作業効率を求められる事務方のデスク配置が窮屈になっていると、モニターを見やすい位置に移動できない・マウス操作がしにくいなど、業務効率に支障をきたすこともあるでしょう。

このように、デスク配置に問題がある場合、個々人の作業効率にも影響があります。事務所のレイアウトを整えることで、従業員が快適に働きやすい環境整備が可能です。結果として、業務効率の改善や生産性の向上といったメリットが得られます。

ストレス軽減

事務所レイアウトを改善することで、従業員のストレス軽減効果が期待できます。レイアウトが原因で引き起こされるストレスには、次のようなものが挙げられるでしょう。

  • デスク間のスペースが狭い
  • 騒音が気になる
  • 空調が効きにくい

就労環境が従業員に及ぼすストレスは、少なくありません。環境が悪ければ業務に集中できず、就業時間中にストレスが蓄積されていきます。

空調の効きやすさに配慮するなど、オフィススペースの割り振りをレイアウトを通じて変えることで、ストレスの環境要因を軽減できます。また、業務時間中のストレスが軽減されれば従業員満足度も改善でき、離職率の低下や人材の定着などにもつながるでしょう。

コミュニケーションの円滑化

レイアウトに変更することで、社員間のコミュニケーションを円滑化できます。島型のレイアウトにした場合、部署間のコミュニケーションが取りづらくなり、連携やアイデアの創出に影響を及ぼす場合があります。

事務所レイアウトを部署間のコミュニケーションを取りやすいよう変更することで、従業員同士の交流を活発にすることが可能です。「アイデアが出やすくなる」「部署間の連携が強化され、業務を円滑に進められる」など、さまざまなメリットが期待できます。

事務所内移動を快適にできる

オフィス内の動線は、社員の働きやすさの一因を担う要素です。たとえば、デスクの配置によってはコピーを取る時に移動しづらくなるなど、業務の進行を妨げることもあります。そのため、従業員が快適に移動できる動線の確保は、オフィス環境を構築する上で重要といえます。

従業員一人ひとりが作業に集中できる環境構築は、もちろん重要です。一方でコピー機まで移動しやすい、フロア間を行き来しやすいなど、移動の快適なレイアウトに仕上げることも重要です。

リフレッシュできる環境が整備できる

事務所レイアウトを変えることで、空間の最大利用が可能になります。仕事をする中で、メリハリをつけることは重要です。仕事に集中できることは当然ながら、従業員が一息つける場所を作ることも、働きやすいオフィスには不可欠といえます。

具体的には、作業区画からパーテーションを作って休憩の際にくつろげるカフェスペースを設計するなど、事務所レイアウトを通じてリフレッシュ環境の整ったオフィスに改善することも可能です。

設備環境の見直しができる

事務所レイアウトの変更により、設備環境全体を見直すきっかけができます。たとえば椅子が劣化して座り心地が悪いなど、オフィス設備も使っていく中で古くなり、性能が低下します。

事務所レイアウトの変更を検討する中で現状使用している設備のどこに見直しが必要か、見えてくる部分があるでしょう。事前にどの設備や備品に改善が必要か、従業員にアンケートを取るのも有効な手段の1つです。

3.事務所レイアウトの変更手順

事務所レイアウトの変更手順

事務所レイアウトを変更する流れを4つのステップに分けて紹介します。工程ごとのポイントについても解説しますので、参考にしてください。

目的やコンセプトを決める

事務所レイアウトを変更する場合、現状のオフィスの課題を洗い出し、レイアウト変更の目的を決めていきましょう。目的を明確にし、同時にコンセプト設計も行うと良いでしょう。

レイアウト変更というと、単純に配置を変更するだけと捉えられがちですが、現状のオフィスの課題を洗い出して解決できる絶好の機会です。目的やコンセプトを決める場合は、事前に社内で広くヒアリングしておくことも重要です。

事業者・パートナー企業を選ぶ

オフィスデザインを専門にしている会社を選定する場合、オフィスのレイアウト作成から、オフィス家具や什器の手配、工事全般をトータルで対応できる事業者を選ぶことが重要です。それぞれを複数の事業者に依頼してしまうと、事業者間の情報共有や作業指示も自社で行わなければならず、負担になることもあります。

その点、オフィス新設や移転・レイアウト変更などの実績も豊富なNTT東日本グループのサービスなら、上記の対応以外にも通信設備工事を含めたLANやビジネスフォンの移設が可能です。オフィスの見た目変更だけでなく、適切なネットワーク設計や無線化に関する専門家によるアドバイス・提案などまで、幅広いサービスをご提供します。

「Nにおまかせ!」では、レイアウト変更だけでなく、ICT環境にまつわる手厚いサポートもご相談可能です。お客さまのお悩みに最後まで根気強く伴走・支援していきます。ぜひ一度、お気軽にご相談ください。

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予算を決めて見積もり依頼をする

レイアウト変更の目的やコンセプトを業者に提示し、事前に自社で予算を決めつつ、各事業者に見積もりを依頼しましょう。

事業者から提示されたオフィスレイアウトのデザインと提案を参考に、工期や作業内容、アフターフォローの有無などを確認します。オフィスレイアウトの変更といっても、その作業範囲は幅広いため、必要事項の見積もりはもれなく取得するようにしましょう。

スケジュールを立ててレイアウト変更を実施する

スケジュールを立てたあとに、おおよそのレイアウト変更にかかる作業日数を伝えます。それと同時に、社内外向けにもレイアウト変更の告知を行い、通常通りにオフィスが使えなくなることや、業務の前倒しなどの仕事のスケジュール調整が必要なことも伝えておきましょう。場合によっては、工事事業者に工事を週末や深夜に行うケースも出てくることを忘れず伝えてください。

このようにさまざまな調整ののち、レイアウト変更を実施します。

4.事務所のレイアウトを変更する際の4つのポイント

事務所レイアウトを変更する際、注意すべきポイントがいくつか存在します。本章で紹介するポイントは、次の4つです。

  • 基準寸法
  • 動線
  • ゾーニング
  • 配線

これらの基盤となる考え方を身に付けておくことで、レイアウトを考える助けになります。

基準寸法

事務所レイアウトでは、「労働安全衛生法」「建築基準法」「消防法基準寸法」の3つの法律で定められた「基準寸法」を基に企画を行う必要があります。基準寸法はオフィスにおいて、安全に業務を行うために守る必要がある通路やデスクの幅の基準値です。

基準寸法は、以下の値を参考にしてください。

  • 通路幅:120cm
  • デスク間(横並び):90cm
  • デスク間(背中合わせ):180cm
  • ロッカーとデスク間(背後):140cm
  • ロッカーとデスク(横並び):135cm

これらの値は、日本オフィス家具協会(JOIFA)が出している「日本人成人の標準寸法」を基にしています。基本的に成人1人が通れる通路幅は60cm、2人通れる通路幅は120cmとなっていますので、動線をレイアウトする際の参考にしてください。

動線の確保

動線は人が通れる充分なスペースを確保しつつ、狙いをもって設計するよう注意しましょう。たとえば、人が密集しやすいコピー機の周りには広めにスペースを確保するなど、オフィス内の設備位置も考えた動線の確保は従業員が快適に働くために重要です。

また、動線を敢えて複雑化することで同じ経路を辿らないよう設計しましょう。社員間のコミュニケーションを促すなど、動線の工夫次第で連携力などの活性化も狙うことが可能です。

ゾーニング

オフィスは次の3つを始めとした、さまざまなゾーンから構成されています。

  • 業務スペース
  • 会議室
  • カフェスペース
  • コピー機
  • 備品庫

オフィスを構成するこれらゾーンの割り振りを「ゾーニング」と呼び、事務所レイアウトを行う際に重要なポイントです。たとえば、来客から見える位置にカフェスペースを配置すると、来客の印象を損ねる可能性があるうえに、従業員もくつろげなくなってしまうでしょう。

また、ゾーニングによってオフィスのセキュリティレベルを設定できます。たとえば、エントランスから近い場所に応接室を配置して遠い場所に情報が集約するブースを設置します。このように遠ざかるごとにセキュリティレベルを上げていく施策において、ゾーニングは非常に重要です。

配線

レイアウト変更の際には、配線の問題も考える必要があります。オフィスネットワークのコアとなるLANケーブルや電話線が乱雑になっている場合、配線の位置を基準にレイアウトを企画するのが有効です。

また、有線ネットワークが原因でレイアウトの変更が難しい場合には、無線ネットワークへ切り替えるのがおすすめです。無線LANへ切り替えることで、より柔軟なレイアウト変更が可能となります。

5.小規模事務所におすすめのレイアウト例5選

本章では、多くの企業が採用している定番の事務所レイアウトを5つ紹介していきます。レイアウトごとの特徴やメリット・デメリットなども解説していきますので、自社オフィスとの相性などを考えながらお読みください。

対向式レイアウト

対向式レイアウトは、デスク同士が向き合う配置で島を形成します。対向式レイアウトのメリットとデメリットは、それぞれ以下のとおりです。

  • メリット:スペース効率が良い/コミュニケーションが取りやすい
  • デメリット:プライバシーが確保しにくい

デスク同士が向かい合わせになっている分、チーム間のコミュニケーションが取りやすいというメリットがあります。一方、常に真向かいに人がいる環境になるため、気になる方は自分の作業に集中しにくいのがデメリットといえます。

同向式レイアウト

同向式レイアウトは、デスクが同じ方向を向いて並ぶように作るレイアウトです。同向式レイアウトのメリットとデメリットとしては、それぞれ以下の点が挙げられます。

  • メリット:一人ひとりが作業に集中しやすく、プライバシーの確保ができる
  • デメリット:部署内のコミュニケーションが取りにくい

対面に人がいないレイアウトとなるため、個人個人が集中して作業に取り組める空間づくりができるのは大きなメリットです。反面、チーム内でのコミュニケーションが取りづらくなる点には注意しましょう。

クロス型レイアウト

デスクを縦横で交差するように配置するのが、クロス型レイアウトです。クロス型レイアウトのメリットとデメリットは、以下の点が挙げられます。

  • メリット:動線が固定化しづらく、社員間の交流を活性化できる
  • デメリット:スペースを効率的に活用しにくい

縦横にデスクを配置することで従業員の動線パターンを広げ、社員間のコミュニケーションを活発にできます。そのため、アイデアの創出が重要な企画部などで相性が良いレイアウトです。

ブース型レイアウト

座席同士をパーテーションなどで仕切る形をブース型レイアウトと呼びます。ブース型レイアウトの利点や弱点としては、以下の点が挙げられます。

  • メリット:個人個人が作業に集中できる
  • デメリット:コミュニケーションの取りにくさ

ブース内で作業ができるため、個人の作業効率向上が期待できるのは大きなメリットです。一方、コミュニケーションは取りづらくなるため、事務職など個人作業の多い部署にマッチするレイアウトといえます。

フリーアドレス型レイアウト

フリーアドレス型レイアウトは、個人用のデスクを設定せず、自由な席に座って業務を行うのが特徴となります。フリーアドレス型のメリットとデメリットは、以下のとおりです。

  • メリット:コミュニケーションを活発化できる
  • デメリット:作業に集中しにくい

自由な席に座って業務が可能で、隣や対面に座る社員が日々変わるため、社員間の交流を活性化できます。一方で、決まった座席がない分、作業に集中できる環境が作りにくい場合もあります。

6.事務所レイアウトの自由度を上げるオフィスネットワーク無線化のメリット3選

事務所レイアウトの自由度を上げる上で重要なのが、オフィスネットワークの無線化です。本章では、オフィスネットワークを有線から無線に変更することで得られる3つのメリットについて解説します。有線ネットワークを不便に感じている場合には、ぜひ参考にしてください。

配線に縛られず事務所をレイアウトできる

無線化することで事務所をレイアウトする際、配線の問題に縛られず配置を考えられるようになります。有線ネットワークの場合、LANケーブルとルーターの距離や位置関係によってレイアウトを動かせる範囲に制限がかかり、自由な事務所レイアウトは難しいです。

無線化してしまえばLANケーブルの配線を意識してレイアウトを行う必要がなくなるため、より多様なデスク配置が可能となります。デスク配置における配線・動線の制約に悩んでいる場合には、無線化のメリットは大きいでしょう。

デスク周りのスペースをすっきりできる

有線ネットワークの場合、一つひとつのパソコンにLANケーブルをつなぐため、どうしてもデスクや椅子周りのスペースが煩雑になることが多いです。従業員も動きづらくなり業務にも差し支える上、来客などがあった際の見栄えも悪いでしょう。

オフィスネットワークの無線化によりデスク周りの配線を一気にすっきりできる上に、利用可能なスペースを広げられます。スペースの有効活用という意味で、無線化のメリットは大きいです。

フリーアドレスを導入しやすくなる

フリーアドレスの導入には、デスクトップよりもノートパソコンの方が適しています。オフィスネットワークを無線化することでノートパソコンを使った業務が可能になり、従業員全員が好きな場所で仕事を行えるようになります。

「どこに座っても良い」というフリーアドレスの導入を行うなら、無線LANの導入は大きな助けになるはずです。

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7.まとめ

事務所の区画や環境にマッチするレイアウトに整備することで、従業員の働きやすさを改善し、業務効率や生産性が向上するなど、さまざまな効果が期待できます。事務所のレイアウトを変える際は基準寸法やゾーニングなど、本記事で紹介したポイントを押さえて考えてみるとよいでしょう。

そして、オフィスのレイアウト変更を検討している方は、課題の抽出から進行までを安心して依頼できるパートナー探しが重要になります。NTT東日本グループでは通信回線やICT関連のサポートだけではなく、オフィスのレイアウトに関連した業務全般も幅広くご提案しております。ぜひお気軽にご相談ください。

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