Wi-Fiルーターの適切な6つの置き場所|改善しない場合の対処法も

公開日:2025.01.22

Wi-Fiルーターの適切な6つの置き場所|改善しない場合の対処法も

この記事で
わかること

  • Wi-Fiルーターを置く際に適切な場所
  • 電波状況が改善しない場合の対処法
  • Wi-Fi規格の種類と確認方法

目次

オフィスや店舗にWi-Fiルーターを設置する際、その置き場所に悩むことはありませんか?Wi-Fiルーターを適切な置き場所に設置しないと、ネットワークの安定性や通信速度に影響を与えることもあるでしょう。

本記事では、Wi-Fiルーターの適した置き場所と設置に向かない場所を詳しく解説します。また、置き場所を変えても改善しない場合の対処法や、通信速度に影響を与えるWi-Fiルーターの規格についても紹介します。より良いネットワーク環境を構築し、快適なインターネット接続を実現するためにも、ぜひこの記事を参考にしてください。

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1.Wi-Fiルーターの適切な置き場所

Wi-Fiルーターを利用していると、途中で接続が切れたり通信速度が遅くなったりすることはありませんか?そのような状態に陥った場合、Wi-Fiルーターの置き場所を見直してみると良いかもしれません。この章は、Wi-Fiの調子が悪いと感じた場合に、解決のヒントになるでしょう。

インターネット回線を利用する場所

Wi-Fiルーターの電波は、Wi-Fiルーターからデバイスまでの距離が遠くなるほど弱くなります。一般的にWi-Fiルーターは、屋内の障害物のない場所で、最大約100メートル程度まで電波が届くといわれています。

Wi-Fiルーターとの距離が近いほど電波が強くなるため、オフィスや店舗では、インターネットを利用する頻度が高い場所(または部屋)にWi-Fiルーターを設置するようにしましょう。

床から1m以上高い場所

Wi-Fiの電波は球体状に広がるため、Wi-Fiルーターを低い場所に設置すると、電波が十分に広がりにくくなり、通信が不安定になることがあります。Wi-Fiルーターを設置する際は、電波が効率よく広がるように、なるべく床から1m以上高い場所に設置しましょう。

また、床から1m以上離れた場所にルーターを置けば、2階にも電波が届きやすくなります。これにより、オフィスや店舗全体に電波が均等に届き、より安定したネットワーク環境を構築できるようになります。

まわりに障害物がない場所

棚の中やパーテーションのそばなど、周囲に障害物がある場所にWi-Fiルーターを置くと、電波が遮られてしまい、通信が不安定になることがあります。また、Wi-Fiルーターをカバーや布で覆うと、Wi-Fiの電波を妨げてしまったりWi-Fiルーターに熱がこもったりするため、避けたほうが良いでしょう。

Wi-Fiルーターは、できるだけ障害物の少ない開けた場所に設置することで、電波を効率よく広げ、安定したご利用環境を保てます。

電磁波を出す機器から離れた場所

電磁波を発する機器の近くにWi-Fiルーターを置くと、電波干渉が発生し、通信品質が低下することもあります。特に、USB3.0タイプのハードディスクやBluetooth機器などはWi-Fiの電波と干渉しやすいため、これらの機器からは距離を置いた方がよいでしょう。

窓際から離れた場所

Wi-Fiの電波は窓ガラスを通過してしまう可能性があるため、Wi-Fiルーターを窓際に置くと、電波が外に逃げてしまい屋内での通信品質が低下することもあります。また、Wi-Fiルーターは球体状に電波を発信するため、窓際に置くと電波が届く範囲も影響を受けやすくなるでしょう。

このような影響を避けるためには、Wi-Fiルーターを窓際から離れた場所に設置することが望ましいです。

オフィスや店舗内の中心

Wi-Fiルーターは球体状に電波を発信するため、部屋の端や隅に置くと電波の広がりが制限され、通信範囲が狭くなってしまう可能性もあります。Wi-Fiルーターを部屋の隅に置くと、全体に電波が届きづらくなることもあるでしょう。Wi-Fiルーターはできるだけオフィスや店舗の中央や、広い場所に設置するようにしましょう。

2.Wi-Fiルーターの設置に向いていない場所

Wi-Fiルーターの設置場所には向き不向きがあります。この章では、設置に向いていない場所の一例を紹介します。以下のような場所にWi-Fiルーターを設置すると、電波が弱くなるため注意しましょう。

  • インターネット回線を利用する機器から遠い場所

    Wi-Fiルーターからの距離が遠くなるほど電波が弱くなる傾向にあります。また、壁や他の家電製品などにより、電波が阻まれることもあります。

  • 床に直置きや、高さのない場所

    Wi-Fiの電波は球体状に飛ぶため、Wi-Fiルーターを高さがない場所や床に直置きすると、電波の上方や下方などに遮るものがあることによって、届く範囲が限定される場合があります。

  • 棚やパーテーションのそばなど障害物が多い場所

    障害物となるような棚やパーテーションは、Wi-Fiの電波を遮る可能性があります。特に棚の中に設置すると、場合によっては全方向に障害物のある状態になるため、Wi-Fiの電波が届きにくくなるでしょう。

  • 電磁波を発する機器の近く

    電子レンジやテレビなどの家電製品は、Wi-Fiと同じ2.4GHzの周波数帯を使用していることが多く、干渉を引き起こす可能性があります。

  • 壁際や隅

    Wi-Fiの電波は球体状に飛ぶため、部屋の隅に設置するとうまく広がりません。

  • 水回り付近

    Wi-Fiの電波は水中を通り抜けることが難しく、水槽などの近くにルーターを設置すると、電波が弱まることもあります。

上記で挙げた場所以外にも、Wi-Fiルーターの設置に向かない場所があります。また、オフィスや店舗の環境によっては、どうしてもWi-Fiルーターを適切な場所に置けない場合もあるでしょう。そのような場合は、次の章でご紹介する方法も試してみてください。

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3.置き場所を変えても改善しない場合の対処法

置き場所を変えても改善しない場合の対処法

Wi-Fiルーターの置き場所を変えても電波状態が改善しない場合は、以下3つの対処法を試してみるとよいでしょう。設置場所を変更できない場合も、改善することがあります。

周波数帯を変更する

多くのWi-Fiルーターには、主に「2.4GHz」「5GHz」の2つの周波数帯があります。この2つの周波数帯にはそれぞれメリットとデメリットがあります。

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周波数帯 メリット デメリット
2.4GHz
  • 障害物の影響を受けにくい
  • 5GHzよりも通信速度が遅い
  • 電磁波と干渉しあう
5GHz
  • 2.4GHzよりも通信速度が速い
  • 電磁波と干渉しにくい
  • 障害物の影響を受けやすい

通信が安定しない場合や遅い場合は、周波数帯を変更してみると通信状態が改善する場合もあります。ただし、旧モデルなどのWi-Fiルーターは2.4GHzにしか対応していない機種もあるため、その場合は5GHz対応の機種に買い換えを検討してみてください。

中継機を導入する

Wi-Fiルーターの設置場所や建物の構造によっては、電波が届きにくいこともあるでしょう。オフィスや店舗の中央に設置しても、部屋数やパーテンションが多かったり、建物構造が複雑だったりすると、電波が届きにくくなることもあります。

中継機を導入すると、電波が届きにくかった場所やWi-Fiルーターから離れた場所でも、通信状態が改善する可能性もあります。Wi-FiルーターとWi-Fiを利用したい場所の中間地点に中継器を設置するのがおすすめです。

電波強度が高いルーターに買い替える

上記のような対処法を行っても通信状態が改善しない場合は、Wi-Fiルーター自体に問題がある可能性もあります。長年同じWi-Fiルーターを使い続けている場合は、買い替えを検討することも一つの手になるでしょう。

長期に渡り同じWi-Fiルーターを使用していると、すでにWi-Fiルーターの規格が古くなっている可能性もあります。Wi-Fiルーターは、新しい規格に対応しているモデルほど通信速度や安定性に優れています。詳しくは次の章をご覧ください。

4.Wi-Fiルーターの規格にも注目

快適な通信を実現するには、Wi-Fiルーターの置き場所だけでなく、Wi-Fiルーターの規格にも注目してみましょう。オフィスや店舗のレイアウトによっても、Wi-Fiルーターに必要なスペックは異なります。

Wi-Fiルーターの規格とは

Wi-Fiルーターの規格は、ルーターの性能などをあらわす基準です。この規格は、主に「最大通信速度」と「対応周波数帯」に影響します。

現在、周波数帯には「2.4GHz」「5GHz」「6GHz」の3種類があり、それぞれに特徴があります。2.4GHzは壁のような障害物に強く、5GHzは電子レンジなどと干渉せず接続が可能で、6GHzはWi-Fi6EとWi-Fi7で利用可能です。

Wi-Fiルーターが古いと対応できる規格が限られるため、いくらインターネット回線が早くても、その速度を十分に発揮できない可能性もあります。たとえば、最大10Gbpsの回線を契約したとしても、Wi-Fi4の場合は600Mbpsしか速度が出ないことになるでしょう(Wi-Fi4の通信速度については、次で紹介する表をご覧ください)。

Wi-Fi規格の種類

以下に、歴代のWi-Fi規格をまとめました。近年では、通信規格の新旧をわかりやすくするために、続き番号でWi-Fi規格の名称を表記するようになりました。

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リリース年 名称 規格名 最大通信速度 対応周波数帯
1997年 - IEEE 802.11 2Mbps 2.4GHz帯
1999年 - IEEE 802.11a 54Mbps 5GHz帯
1999年 - IEEE 802.11b 11Mbps 2.4GHz帯
2003年 - IEEE 802.11g 54Mbps 2.4GHz帯
2009年 Wi-Fi4 IEEE 802.11n 600Mbps 2.4GHz/5GHz帯
2013年 Wi-Fi5 IEEE 802.11ac 6.9Gbps 5GHz帯
2019年 Wi-Fi6 IEEE 802.11ax 9.6Gbps 2.4GHz/5GHz帯
2022年 Wi-Fi6E IEEE 802.11ax 9.6Gbps 2.4GHz/5GHz/6GHz帯
2023年 Wi-Fi7 IEEE 802.11be 46Gbps 2.4GHz/5GHz/6GHz帯

2024年9月現在の最新のWi-Fi規格は「Wi-Fi7」です。

ただし、Wi-Fi7に対応する機器はまだあまり普及していません。Wi-Fi6/6Eの市場シェアは、2025年までに80%を超えると予想されているため、Wi-Fi6がメイン規格として使われる状況がしばらく続く見込みです。新しくWi-Fiを切り替える際は、Wi-Fi6/6Eへの切り替えを優先すべきといえるでしょう。

Wi-Fi規格を確認する方法

Wi-Fi規格は、製品の包装パッケージや、Wi-Fiルーター本体の側面もしくは裏面に記載されています。そこに書いてある「IEEE802.11」の文字列を見ると、「11」以降の文字でどの規格か判断できるようになっています。

2024年現在、Wi-Fiルーターの規格は8つあるため、どれに当てはまるのか一度確認してみましょう。

5.まとめ

適切な置き場所にWi-Fiを設置することでストレスのない通信が可能になります。

Wi-Fiルーターの置き場所には、適切な場所と向かない場所があります。適切な場所に設置しないと、ネットワークの安定性や通信速度に影響を与えることもあるので注意が必要です。

適切な置き場所として、Wi-Fiルーターの電波を遮らない場所や、なるべく電波が届きやすい位置などがあげられます。置き場所に注意したにもかかわらずスムーズにインターネットが利用できない場合は、中継機を導入したり、電波強度が高いWi-Fiルーターに買い替えたりといった対処法を検討しましょう。

上記のような改善を行ってもインターネットが快適に使えない場合は、「ギガらくWi-Fi」も検討ください。「ギガらくWi-Fi」は、あらかじめ初期設定が完了した機器をつなぐだけで利用を開始できます。多くの端末が同時接続しても安定して利用でき、Wi-Fi6対応で高速なインターネット通信が可能です。

もしWi-Fiルーターの速度や導入にお悩みの場合は、一度ご相談ください。ご相談は無料です。

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